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サラリーマンの異世界奮闘記(仮)  作者: アリス工房(仮)
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2.少女とサラリーマン

いつもお世話なりますアリス工房(仮)です


ほんの少しですが物語が進みました

また拙い文章ですがこらからも精進して行きますのでどうかよろしくお願いします



(異世界転送完了しました)

機械的な音声とともに、俺は異世界に転送された。


サウザンドグリーン大陸の南西部にある見渡す限り広大な平原地帯!この世界が、今回の案件場所だ。


無事に異世界へ転送された事を、山田さん(今日も天使様)に報告。それから荷物のチェックと、仕事内容を再確認する。


アイテムウィンドを表示させると、目の前に現れた半透明の画面が浮かび上がる。先ずは、荷物の中身(ギルド証・少量のお金・食料)がある事を確認。忘れ物がない事に、取り敢えず安堵した。


初めて訪れた場所!なのに何故?ギルド証やお金が最初からあるかと言うと、この大陸は何度か他のメンバー(別の支店の人)が仕事をしたらしい。その時余ったお金・ギルド証は会社の製造チームが、偽造したものを、庶務様に申請して使用しているのである。支店は、横との繋がりが大事だからね!


その様な経緯で大陸の地名や、これから向かう目的地の町も、情報で名前くらいは把握している訳である。


これは予断になるが、武器や防具なども、別の異世界で使用していた物を装備している。


これも申請すればある程度持ち帰ったり、持ち込んだりする事が出来て、大変便利なシステムだ。ただし、持ち帰られる道具や武器防具には条件がある。伝説の剣・防具また勇者の剣・魔王の杖、その世界で一つしかないような物は持ち帰り不可能で、使い魔や契約した精霊なんかもその星を移動出来ない為、こちらも不可能である。


荷物の確認が終わり。今回は簡単な地図がある為、大体の方角を決める。俺は、この世界の風を感じつつ歩き始めるのであった。


途中に、馬車道みたいな通りを見つけてその道をまた二時間くらい歩いていると、前方に町らしき物が見えてきた。意外と町の近くに転送されて今回はラッキーかもしれない。この前転送された時は、目的地まで三日もかかり、かなり疲れた思い出がある。この辺は、転送先の座標が明確な程、場所が指定し易いのであろう。


途中、この世界の魔物。中型犬サイズの大きさの兎(数頭)に出くわした。魔法が使えるか?確認がてら戦闘をしてみて解った事がある。これもまた説明になってしまうが、魔法の概念がある世界では、別の世界で使用していた魔法も使える。威力はマチマチになってしまうが、使える物は使えるに越たことはないので、その辺の確認は必須事項だ。ちなみに俺は、精霊魔法が使える。


近づくと町の全景が見えて来る。入り口の前には、門番らしきおじさんが槍を持って立っていたので、話しかけて見る。


「こんにちは。旅をしているのですが、ここはコルセア町ですか?」


「その身なりは冒険者だな。いかにも、ここはコルセア町だ。ギルド証は持っているか?無ければ通行料として銀貨1枚必要だ」


俺はギルド証(偽造)を持っているので、素直に門場に渡した。門番はそれを確認すると、ギルド証を返してくれる

「通ってもいいぞ」


「ありがとう。ここのギルドの場所と、出来たら宿屋とか何処にあるか教えてもらえると助かります?」


門番のおじさんは、親切に場所を教えてくれた。いや〜!良い人で良かったよ。


コルセア町!


町というだけあって、人通りもあり全体的に活気づいている。トカゲみたいな人・猫耳・兎耳な人は見かけられなかった。この星にはいないのかなぁ〜っと、少し残念に思った。見たかったなぁ、猫耳……悲!


人口は見た目では解らないが、都心部までとは言わないまでも、それなりにお店などもあり賑わっている。奥には民家らしき建物もある。お店自体は屋台の様な造りになっていて、その他の家は、木造や石で出来ている事から、良くある町並みという雰囲気だ。さすがに鉄筋コンクリートは無いけどね。


教えられた宿屋らしき看板を見つける。中に入り、受付の人に料金を支払う。これで、暫くの寝床は確保できた。


さあ、ここからが本番だ!先ずはギルドへ赴き、依頼をこなしながら、お目当ての人物を待つことにする。


近い将来!このギルドにやって来る少女を助けて、立派な冒険者として育てなければならい。それが今回の俺の仕事である。



滞在五日目!


幾つかの依頼を受けながら、その時を待ち望んだ。五日目の朝ついにその時は訪れる。

朝一に山田さん(朝も天使)から危険予報対象者接近との報告を受け、速攻でギルドの待合場所へ移動する。


今日は朝から、少女が来るのをなるべく平静を装い、入って来るであろう扉をガン見している。


流石に少し緊張する。どんな子なんだろう等と、ドキドキしながら待ち望んでいると漸く現れた。


ガチャ!っと扉がゆっくりと開くのが見える。入ってきたのは…………容姿が、ガキ大将の妹?見たいな人だった。


その人物はすかさず受付に行くと、依頼完了報告をしているみたいだ。聞き耳を立てていると、その会話が聞こえてくる。

「クリスティーネ様ですね。依頼完了承りました、それにしてもお一人で、魔の洞窟に住むグリーンドラゴンを討伐してしまうなんて流石です」


受付の人なんかすごい事言わなかったか?俺は、ステータスウィンドのカーソルを、クリスティーネと名乗る冒険者に合わせる。


クリスティーネ(女)

Lv 256


いや〜なんだろなぁ。あのチートキャラ!俺の護衛必要あるのか?強すぎだろ、立派な兵器じゃんあれ。俺一人じゃムリだって……でも仕事だしな、一応話しかけて見るか。


「あのお〜」と声をかけようとした時!新たに扉が開かれた。


ガチャ………


目の前に現れたのは一人の少女だった。全身泥だらけでボロボロの格好をした人物は、ヨタヨタと俺が唖然としている前を歩く。少女が目の前を通過し、ギルド受付の前に立って一言。


「えと、薬草の素材二十個です。処理をお願いします」


受付の女性はいつものことだと言わんばかりに対応する。

「お疲れ様です。こちらが報酬の銅貨四十枚です」



先ずは、あの格好を突っ込みなさいよおねいさん!なんで薬草の素材採取ごときで、あんなボロボロになるんだ?途中でなんか事件でもあったんじゃないか?俺は気になってツイ話しかけてしまった。


「おい、大丈夫か?その格好。なんかあったのか?」


すると少女は、こちらを見据え答えてくれる。

「いえお気になさらず。薬草素材の採取中、謝って山道から転げ落ちました」と苦笑しながら言った。


「この方はいつもこんな感じです。泥だらけになって帰ってくるので、最初は驚きましたがもう慣れました」


ある意味スゲーなこの子。いつもこんな激戦の戦場から帰って来るみたいな格好で戻ってくるのか?そんな事を考えていると、横にいたガキ大将の妹が興味なさそうに外に出で行ってしまった。


やべ!追いかけなきゃ。そう、思ったその時!後ろからガラの悪そうな2人組が、頭悪そうな言葉を吐く。


「おめぇ相変わらずズタボロだなぁ。冒険者向いて

ねぇんじゃねぇのヒャハハハァ」


「もうやめちまえよぉ〜」と因縁をつけてきた。


少女は苦笑いをしながらその場で縮こまっている。


別に俺は、正義感とかそういう物は特にない。厄介ごとも出来れば回避したい。その場もスルーしようかとも考えた。ガキ大将の妹追いかけないといけないし、いろいろ考えたが少女の目だ。あの目を見てしまい、考えを改める。


あの目は、何か人を惹きつける物を感じる。短いながらもサラリーマンとして、それなりに修羅場も通ってきたと自負する。あの目はそんな中で一線を網羅し、数多の苦難を乗り越えられる強者のもの。また幾千幾万の軍勢を率いる覇者の目と同じ雰囲気をしていた。あんな小さな子供から?不思議な思いに駆られながらも体は自然に動き、そのまま目の前で絡まれている少女を助けた。


「お前達。俺の仲間に何絡んでいるんだ!」

強めの口調。そいつの腕を取り少し捻ってやる。


「あいたたたっ。なんだおめえ」

もう一人の男が「てめえ何しやがんだっ」罵声を浴びせ絡んできた時、後ろの窓口から助け舟が聞こえた。


「おっほん。ここはギルドですよ!揉め事は禁止です。それとも、ギルド証剥奪されたいんですかっ」

それは、さっきのおねいさんであった。


男二人は、ケッと文句を言いながらバツの悪そうな顔をして外へ出で行ってしまった。


残された、俺と少女!


俺はひとまず声をかける。

「すまなかったな。大丈夫か?」


「ありがとうございます。大丈夫です。いつもの事なので」

苦笑いしながら、その場を立ち去ろうと扉を開け外へ出て行こうとする。俺は、ふと少女を呼び止めてしまった。


今考えると。この少女こそが危険予報対象者であり、あのガキ大将の(チートキャラ)を追いかけなくて正解だったことに、この時はまだ気づいていなかった。








少女と出会いサラリーマンはさらに奮闘します

では次回また。


みなさまの暇を少しでも潰せたら幸いです!

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