張り込む男たち
じりじり、じりじり…
「暑いな…」
「あぁ、やってられないよ…」
灼熱の日差しが照り付ける住宅街。
電柱の陰に隠れるようにして、2人の男が何事か囁きあっていた。
全く隠れられていなかった。
道行く人はみな、じろじろと彼らに目をやりながら通り過ぎていく。
「どうだ、やつはまだ動きそうにないか?」
「まだだ、気配がない」両手で2つの円を作り、目に押し当てた男が答える。
「どっちが先にしびれを切らすかの勝負だな…そろそろ始めそうだと思うんだが…」後ろに立つ男がそう言って腕で汗をぬぐう。
彼らは、通りの向かいに立つ民家の軒先へと目を凝らしていた。
それから、5分が経った。
一台の車が排気ガスをまき散らしながら彼らの前を通り抜けていった、その時。
「きた…きたぞ、やつだ!」双眼鏡男が快哉を叫んだ。
「落ち着け、突入は十分に準備ができてからだぞ!」後方男がはやる気持ちを抑えつける。
「ケーブルが繋がれたぞ!」
「まだだ、まだ待つんだ…!」
「獲物がセットされた!」
「あと少しだ…!」
「動き出したぞ!」
「よおし、今だ!!」
餌を待たされ続けたわんこが、ようやく出たお許しに飛びつくように、我先にと男たちが駆けだしていった。
玄関へたどり着くと靴を脱ぎ捨て、リビングへ突入する。
「「ママー!!かきごおりーー!!!」」




