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なんかよく分からないけれど怖い話  作者: 日暮キルハ


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まんじゅう怖い

 皆さんは怖いものってありますか?

 私にはあります。

 私は本当に、心底、まんじゅうが怖いんです。


 なぜ怖いのか。

 理由はたくさんありますが、その一つとしてあの形が挙げられます。

 あの、どっしりとしていて、真ん中に柔らかい窪みがある、あの独特の形。

 個体によって差異がありますが総じて見ているだけで、全身の皮膚が粟立つのを感じます。


 それに、あの湿り気。外側の皮は乾燥しているのに、内部からじっとりと滲み出てくるような、甘ったるい、そしてどこか生臭いような湿り気が、私には耐えられないんです。


 子供の頃は、近所のおばちゃんがよく私にそれを口にさせました。

 そのたびに、私は逃げ出して、隠れていました。

 でも、いつも結局は見つかって捕まって私はまんじゅうを口にすることになったのです。

 舌先を触れさせた瞬間の、あのぬるりとした感触を想像するだけで、吐き気がします。


 皆さんは笑うかもしれません。

 なかにはあれが好きな人もいるかもしれません。

 でも、私にはあれが、恐怖の対象以外の何者でもないのです。


 どうしてなのか、たくさんの人が私に無理やりまんじゅうを口にさせてきました。

 なかには本当に無理なこともありました。

 けれど、拒否したら相手は怒り出し、無理やり私の口元にそれを押し付けてきました。

 その時の、抵抗しても抗えない、あの力強さと、ねっとりとした甘くて臭い匂いが、今でも夢に出てきます。


 私は、大人になってからある習慣が身につきました。


 もし、どこかでまんじゅうを見かけることがあったら私は必ずそれをぐちゃぐちゃにするようにしているんです。


 そしたら、あの日の恐怖からほんの少しだけでも抜け出せるような気がするのです。


 ……それが、私の犯行動機です。

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