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なんかよく分からないけれど怖い話  作者: 日暮キルハ


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迷子センター

 私は、大型ショッピングモール内の迷子センターで働いています。


 今日、受付に一人の小さな女の子が保護されてきました。彼女はまだ幼く、私の顔を見るなり、ひどく泣き出してしまいました。


 私は落ち着かせようと優しい言葉をかけますが、彼女は嗚咽するばかりで、自分の名前も親の名前も、何も教えてくれません。


 しかし、こんなのはよくあることです。

 私は慌てず、彼女の持ち物から情報を得ようとしました。

 彼女は、少し古びた人形を大事そうに抱きしめています。


 私はその人形をそっと手に取りました。可愛らしいウサギの人形です。その人形の足元に、油性ペンで「みまちゃん」と、かすれた字で書かれているのを見つけました。


「みまちゃんか。可愛い名前だね」


 私は女の子の名前を特定できたので彼女の服装や人形の情報を合わせて、館内に放送を流しました。


 放送が終わると、泣き疲れたのか女の子は私が目を離したほんの少しの間にソファの上で静かに眠ってしまっていました。


 しばらくして、受付の扉が開きました。


「すみません、みまを迎えに来ました」


 そこに立っていたのは、やや疲れた様子の男性でした。彼は放送を聞き、すぐに駆けつけてくれたようです。

 私は「みま」という言葉で、彼がみまちゃんの父親だと確信しました。


 男性は、眠っている彼女を優しく抱きかかえました。


 扉から出ていく瞬間、女の子はふと目を覚ましました。彼女は周囲を見渡し、父親の顔を見た途端、また激しく泣きじゃくりました。


 私はお父さんが来てくれて安心したんだなと思いました。


 受付に戻ると、女の子が人形を忘れていったことに気がつきました。


「すぐに放送しないと」


 そう思って立ち上がると、休憩を終えた同僚が戻ってきました。


「お疲れ様。……あれ、さっき放送してた子はもう親御さん迎えに来たの?」


「ああ、お父さんが迎えに来てくれたよ。でも、この人形を忘れていったから、放送しないと」


 私が手に持った人形を見せると、同僚はそれを見て言いました。


「へー、随分と懐かしいものを持ってる子なんだね。みまちゃん人形が流行ったのなんてかなり昔のことなのに」

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