おかえり
僕は独身で、一人暮らし。家に帰っても、誰も出迎えてくれる相手はいません。
だから、寂しさを紛らわすために、オウムをたくさん飼っています。
「おかえり」
「おかえり」
「おかえり」
「おかえり」
「おかえり」
「おかえり」
オウムには、僕が玄関のドアを開けたときに、一斉に「おかえり」と声をかけてくれるように覚えてもらいました。
仕事から疲れて帰宅し、玄関の鍵を開けると、間髪入れずに出迎える声が返ってきます。その賑やかさが、僕にとっては何よりも心温まる瞬間でした。
ある晩、僕は締め切り前の仕事で徹夜となり、帰宅したのは明け方の4時を過ぎていました。
「ああ、今日はもうみんな寝てる時間だな。今日はさすがに出迎えてもらえないか」
そう呟きながら、僕は静かに自宅の扉を開けました。
家の中は真っ暗で、シンとしています。当然、オウムたちも眠っているようで、カゴの中から物音一つしません。
僕が肩を落とし、靴を脱ぎ始めた――そのときでした。
「おかえり」
「おかえり」
「おかえり」
「おかえり」
「おかえり」
「おかえり」
「おかえり」
カゴの中から声がしました。
僕は思わず口元が緩みました。
みんな、いつもなら寝ているのに僕の帰りを待ってくれていたんだ。
出迎えてくれる相手がいるって幸せだなぁ。




