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なんかよく分からないけれど怖い話  作者: 日暮キルハ


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理想の定食屋

 僕にはとてもお気に入りの定食屋がある。

 その店の名前は「理想亭」。


 ここは少し特殊な定食屋で客の希望に合わせて店主が完璧な一皿を出してくれる店だ。

 ただ、僕の食べたいものは用意に非常に時間がかかるため予約をしてから結局ひと月も待つことになってしまった。


 店に入ると、鈴の音が鳴り、元気な声で出迎えられる。


「いらっしゃいませ!」


 そこに立っていたのは、ハキハキとした若い女性の店員だった。

 ショートカットが似合う、気さくで愛嬌のある子だ。

 うんうん、健康的で良いことだ。


 僕はカウンター席に座り、彼女に話しかける。


「見ない店員さんですね」


「はい! 二週間前からここでバイトさせてもらってます! このお店、本当に美味しいものが多くて!」


 彼女は屈託なく笑ってそう答えた。

 彼女の言葉に同意を示しながら、僕はメニューを見ることすらなく注文する。


「じゃあ、今日も『店主のお任せ定食』で」


「かしこまりました! 私、まだそれ食べたことないんです! あとで感想聞きに来ますね!」


 彼女はそう言って、奥の厨房にいる店主へと注文を伝えに向かった。

 厨房は、奥の壁で仕切られており、中の様子は見えない。


 三十分ほどが経った頃、店の奥の壁の小さな扉が開き、店主が定食を持って現れた。

 店主は相変わらず寡黙なようで何も喋ることなく僕の前に定食を置く。

 湯気を立てる生姜焼き定食だった。


 僕は箸を取り、一口食べた。


 見た目から上がっていたハードルを軽々飛び越えるおいしさだった。

 新鮮で脂ののった身と絶妙な味付け、深いコクと噛むたびに広がるジューシーなうまみがたまらない。

 今までの人生で食べた生姜焼きの中でも、間違いなく最高の一皿だ。

 なるほど、こういう食べ方もあるのか。


 夢中で定食を平らげて店主に代金を渡し「また来ます」と告げ僕は店を後にした。

 本当に素晴らしい店だ。

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