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魔法使いリリーの冒険①(仮)

作者: Hiro

こちらの作品は『原案をAIで修正し、さらに手直しして』作成しています。

作者が児童文学として創作した内容となっております。

不定期ではありますが、投稿して参りますので、よろしくお願いいたします。

第一章 小さな魔法使いの日常


あるところに、

空と森が調和して暮らす世界がありました。

日の出とともに、薬草の香りが小さな家に広がります。

「リリー、この月星草を細かく刻んでくれるかしら?」

おばあさんは大きな鍋をかき混ぜながら、優しく微笑みかけました。

リリーは慣れた手つきで薬草を刻みます。

窓の外では、薬を求めて来た村人たちが並び始めていました。

「お代はいらないよ。少しの食べ物があれば十分だからね」

おばあさんのその言葉に、村人たちはいつも感謝の笑顔を見せるのです。

「ピピ、見て!今日の雲、羊さんみたい!」

リリーが空を指さすと、青と白の美しい羽を持つ小鳥のピピが、くるりと宙返りをして応えます。

「本当だね!でも、あっちの雲は大きな魚みたいだよ」

ピピの言葉が、リリーの心に直接響きます。

二人で見つける空の絵は、毎日違って、それがふたりの特別な秘密でした。

リリーはお絵かきが大好きで、見たものを描くのが何よりの楽しみでした。

空に浮かぶ白い雲、緑の木々、色とりどりの花々。

世界はとってもカラフルで、リリーはその景色を絵に描いては、

おばあさんに見せるのを楽しみにしていました。

ある朝、おばあさんがリリーを呼びました。

「リリー、お願いがあるの。となりの村に、この薬を届けてくれないかしら?」

「うん。わかったわ!」

リリーは心の中でわくわくしながら答えました。

おつかいは、新しい景色や人々と出会えるチャンス。

少し不安もありましたが、それ以上に冒険への期待で胸が躍ります。

「きっと素敵な発見があるわ!」

そう信じる気持ちが、リリーの原動力でした。

魔法の箒に乗って、ピピと一緒に空を飛ぶのが大好きだったからです。

でも、リリーはまだ知りませんでした。

この何気ない朝のおつかいが、とても大きな冒険の始まりになることを。

小さな魔法使いの女の子の、大きな物語が始まろうとしていました。

色を失った村との出会い

リリーはおばあさんお手製の薬を、かばんの中に大切にしまいました。

「よーし、出発!」

リリーは魔法の箒に跨がると、ピピと一緒に空へ飛び立ちました。

青い空の下を飛んでいくと、その景色は絵を描きたくなるほど美しいものでした。

白い雲が浮かぶ空、緑の木々、色とりどりの花々。

世界はとってもカラフルで、リリーは空からの眺めを楽しんでいました。

そのとき、木々の間に小さな輝きが目に留まりました。

降りてみると、小さな瓶の中でキラキラと七色に輝く砂が光っています。

「わあ、きれいな砂だね」

リリーは思わず手を伸ばしました。

そのとき、ピピが急に声を上げました。

「リリー!あそこを見て!」

遠くに見えたのは、まるで白いペンキをこぼしたような景色。

色のない、真っ白な村でした。

「どうしてかしら」

リリーは心配になって、村へと降り立ちました。

「この薬を届けに来たんですけど。あと、この瓶の持ち主を探しているんです」

リリーが声をかけると、白いあごひげを蓄えた村長が近づいてきました。

「ああ、おばあさんの薬か。いつもありがとう」

そこで村長は小さな瓶に目を留めると、驚いた様子で声を上げました。

「それは?」

リリーは見つけた場所を説明しました。

すると村長は、すぐに村人たちに声をかけ、その持ち主を探し始めました。

しばらくすると、一人の少女が前に出てきました。

「私の」少女は申し訳なさそうに言いました。

「おじいちゃんの形見なの。誰にも見せちゃダメって、言われてたのに落としてしまったの」

「とにかく持ち主が見つかって良かったわ」

「おねえちゃん、ありがとう」

少女はホッとして、とても安心した表情になりました。

「ところで、なぜいつもと違って色がないの?」

とリリーが、村長にたずねると、

村長は深いため息をつきました。

「実はな。昨日、不思議な魔女が村にやってきて。

その魔女が、村中の色を全部奪っていってしまったんだ」

リリーはびっくりしました。

「色を奪われるなんて、そんなことがあるのですか?」

村長は悲しそうに頷きました。

「魔女は『これで世界は私のものになる』と言って、色を奪っていったんじゃ。

花も、空も、家も、全てが灰色になってしまった。

村の名前さえ、看板の色が消えて読めなくなってしまったんだよ」

少女は小さな声で言いました。

「この砂、おじいちゃんが『魔法の砂』って言ってたの。

お姉ちゃん、この村を助けてもらえないかな?」

リリーは少し考えました。

村人たちは悲しそうな顔をしています。自分にできることがあるなら、力になりたい。

「わかったわ。やってみるね」

リリーは羽根ペンを取り出して、少女から受け取った虹色の砂をペンに染み込ませました。

「どうするの?」と村人たちが不思議そうに見守る中、リリーは空に向かって羽根ペンを振りました。

すると、驚くべきことが起こりました。

ペンの先から虹色の光が放たれ、その光が触れた場所から少しずつ色が戻り始めたのです。

緑の木々、赤い屋根、青い空、色とりどりの花々。

村全体が、まるで魔法にかけられたかのように、元の色を取り戻していきました。

村人たちから歓声が上がります。

「すごい!」「色が戻ってきた!」「ありがとう、お嬢ちゃん!」

空から見えなかった村の入口の看板にも色が戻り、そこには「パレット村」と美しい文字で書かれていました。

「パレット村、素敵な名前ね」リリーは微笑みました。

村長は感激して、リリーの両手を握りました。

「本当にありがとう!リリーさん。あなたは私たちの恩人だ」

村人たちは大喜びで、リリーにお礼をしようと、食べ物や飲み物を持ってきてくれました。

子どもたちは色を取り戻した花を摘んで、リリーの髪に飾ってくれます。

「リリーさん」村長が声をかけました。

「実は、魔女は次に王様の国に向かったそうなんだ。

あなたのような力を持つ人なら、王様の国も救えるはずだ。

この書状を王様に届けてくれないか?」

村長は一通の手紙をリリーに手渡しました。

「この手紙には、あなたが色を取り戻す力を持つ特別な人だということを書いておいた。

王様にはきっと助けが必要だろう」

リリーは少し迷いましたが、村長の真剣な表情を見て決心しました。

「わかりました。王様の国に行ってみます」

村長は安心したように微笑みました。

「おばあさんには私から使者を送って、あなたが大切な任務についたことを伝えておくよ。

心配はいらない」

リリーはピピを見つめました。

「ピピ、王様の国に行ってみる?」

ピピは元気よく頷きました。

「もちろん!魔女を追いかけて、みんなの色を取り戻そう!」

こうして、リリーとピピの新たな冒険が始まりました。

パレット村を後にして、二人は王様の国へと向かうことになったのです。

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