十一、こんぷら2
洲王「……という訳で、今から解説を始める」
優斗「だりー……」
霧人「めんどい」
前回までのあらすじ。
アンケートで「服なんかいらね」「マッ裸でいたい」という、野生味丸出しのコメントを残した優斗と霧人の為に閉店後、洲王は居残り授業をしていた。
洲王だけでは手を焼きそうなので、愁也と琉星も強制参加。
洲王「なぜ人間が服を着るのか」
洲王は事務所のホワイトボードに人の形をサラサラと描いていく。
股間にᴜUᴜというのを描き足して男、と。
洲王「わかるか?」
優斗「……」
霧人「……」
頬杖をついてボードを見つめる二人は答えを返さない。
洲王「真面目に考えろ」
優斗「……マッ裸だと人間がカスだから」
洲王「カスではない、無防備だ。人間は獣と違い二足歩行で直立する。裸体でそのままだとどうなる?」
洲王はᴜUᴜをカツカツと油性マジックで指す。
霧人「ティンコが剥き出しになります」
愁也「剥き出しじゃない、丸出しだ」
洲王「そうだ、丸出しとなり恥部を晒す事となる。人の男は恥部が急所でもある、人間の恥部は獣と違って※骨がなく脆い」※骨があるとかなんとか。
優斗「よっわ」
霧人「だからプルンプルンしてんだな」
苦い顔をする愁也と流星。
洲王「二足歩行で恥部を晒したままで野生の獣と遭遇したとする。お前達ならどうする?」
優斗「狙います噛みつきます噛みちぎ」
霧人「やめろってっ、ティンコがキュッてなるだろっ!」
洲王「そうだ、急所である恥部を隠す為に人は衣服を着るのでもある。今の我々は人の姿、裸体でいれば急所を晒すのだ。だから服を着る、わかったか?」
優斗「じゃあ首を狙います噛みつきます噛みちぎ」
こうして。
洲王の居残り授業は。
「人は服を着ないとカス、だから服を着て襲ってくる獣から身を守る」
という動物目線の形で結論づけられた。
しかし、これはあながち間違ってはいないのかもしれない。
果たして人間はマッ裸でいたら動物に立ち向かえるのだろうか。
生物の頂点が人間なのだとは。
誤った認識なのかもしれない……。
※この話しだけ20分ちょいでなんのためらいもなく書き上げたのですが、自分の心が何か闇を抱えてそうで不安でいます。