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7.お酒って怖い


 「それでですね、私思ったんですよ〜、エイア様かっけーって。それで―――」

 

 うん。

 その話もう四,五回目ですよ。

 ホント大丈夫すか?

  

 「あのー大丈夫ですか?もう帰ったほうが……」

 「……何でだよ。何でエイア様まで俺を見捨ててくんだよ!なぁ!」

 

 見捨てる? 

 ……どういうことだ?

 

 「あのー執事さん。もう帰ったほうがいいんじゃないですか?」

 「えぇ。私ももう寝たいくらいなんですが……どうしましょう。」

 

 シーリスさんの方を見ると明らかに動かないと言わんばかりに自暴自棄みたいな感じになっていた。

 店の中に誰もいないからいいけど……てか、店主の人もういないじゃん!

 

 今、俺はなんか……めっちゃきれいなBARみたいなところにいる。

 そして、明らかにお高い店。

 その中で、一人の男の人が喚き散らしている。


 何だこの状況。

 

 でも、ここシーリス商店のお抱えみたいな店だからまだいいけど他のところだったらまじで……ねぇ。

 てかお抱えの店じゃなかったら執事が許可しなかったか。

 

 最初のほうが良かったんだよ。

 昔の話とかいろんなことを楽しく話してたんだよ。

 でも、今から一時間くらい前からこんな状況に……はぁ。

 

 いつもこんな感じなのか?

 まあ……いくらシーリスさんでも何に関しても完璧ってわけじゃなかったってわけだよね。

 ちょっと安心した。

 

 今日はすぐ帰れると思ったのになー。

 

 「いつもこんな感じなんですか?」

 「まぁ……はい。旦那様はいつも新しい取引先の方とあったときに毎回ここにその方を呼ぶんです。それで毎回こんな感じになってますね。はい。」

 

 てかこの人主人の情報言いまくってるけど大丈夫なのか?

 ……まあ普段から怒りが溜まってるんでしょう。

 あんまり掘り下げないでおこうか。


 「いつもどうしてたんですか?」

 「いつもはこういう状況になったら馬車を呼んで無理やり乗せて帰ってたんですよ。でも今回は……なんか、いつもより泥酔してる感じなので帰れますかね?」

 

 試しにシーリスさんに近づいてみると危うく殴られそうになった。

 ……こぇー。

 

 流石に馬車に乗せるのは無理か。

 このまま帰るのも何だし今晩はここで過ごしますか。

 

 「執事さんはもう帰って大丈夫ですよ。私は今晩シーリスさんとここで過ごしますので。」

 「いえ、そういうわけにはいきません。一応これでも執事なので。」

 

 すげぇ。

 これが仕事人!

 うちの村にもこういう人欲しいわ。

 いや、俺が知らないだけでもしかしたらいるのかもしれないけどさ?

 俺の周りにはいないよね。

 メイアさんとか絶対こんなことしてくれねーし。

 ……悲しい。


 「じゃあ、俺寝ますね。」 

 「はい。わかりました。おやすみなさい。」

 「おやすみなさい。」

 

 そう言うと俺はカウンターに座り机に突っ伏して目を閉じた。 

 もう酔っ払って眠い。

 てことでおやすみなさい。

 すやぁ。








 ―――おはようございます。

 はぁ……二日酔いひどい。

 頭痛い。


 「おはようございます。」

 

 うお!

 びっくりした。

 てか執事さん!

 あなたずっと起きてたんですか!

 

 「ずっと起きてたんですか?」 

 「はい……本来なら寝る時間は警備員に任せてるんですけど今回は警備員もちろんいないので……。」

 

 うわーすごい。

 目の下クマだらけだよ。

 これが職人。

 

 「―――おはよう……あれ?エイア様?こんにちは。」

 「はい。おはようございます。」

  

 うん。

 酔は覚めたみたいだね。

 当然っちゃ当然だけど。

 

 「えーっと……俺またやっちゃった?」

 「……はい……。」

 

 うわっ。

 執事さん今にも怒りそうだよ。

 

 「とりあえず今日はお帰りください。エイア様。」

 「あ、はい。」

 「また、詳しいことは後日ということで。」

 

 執事さんのあの様子じゃこのあとシーリスさんめっちゃ怒るんだろうな。

 自業自得とはいえ……可哀想。

 

 そう思い、俺は店を出た。

 うぅ。

 気持ち悪い。 

 

 

 

 

 

 

 

 後日またシーリス協会へ行くとBARの件の謝罪をされた。


 「本当にすいませんでした!」

 「いえ。大丈夫ですよ。」

 

 前と反対の構図になってんな。

 執事さんの方見ても前とは違って無表情だし。

 あのー怖いっす。

 まじで。

 

 「お詫びと言ってはなんですがシーリス商店の軍の貸出を行わせていただきたいと……。」

 

 は?

 急すぎないですね。

 なんでBARから軍になるんすか。

 てか、商会なのに軍持ってんの?

 あと、お詫びしなくても……いや、貰えるものはもらっとくか。

 

 「あのー現在シーリス商会ではそんなお詫びできるようなものがあまりなくてですね……軍の貸出であれば時期に関係なくいつでも使えると思い提案させていただきました。」

  

 あーそゆこと?

 まぁ……いきなり過ぎてびっくりしたけど軍を貸し出してくれるって単純に魔物とかが出たときとかに使えるし…………ありなのか。


 「じゃあ、貸し出してほしいときに手紙やらなにやらで申請すればいいですかね。」

 「はい。そんな感じでお願いします。」

 

 なんか立場的には圧倒的にあっちが上なはずなのになんか喋ってたらこっちのが立場上になってんですが……。

 よくわからん。

 

 まあ、棚からぼたもちって感じでいいかな?

 

 「それじゃあ、今日はこのへんで。」

 「あ、それじゃこれから飲みに―――」

 「「それはやめましょうか。」」

 

 

 

 

はい。今回は完全ネタ回です。まぁ、最後にちょろっと大事な部分あった感じですね。面白いと思っていただけたらいいねとブックマークよろしくです。

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