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5.英雄


 はい!

 おはようございます!

 なんか最近あんま寝れてなかったからすごいぐっすり寝れた。

 もうしばらくは仕事もないしゴロゴロしようかな……。

 

 ってことでおやすみなさ―――

 

 「ゴンゴンッ」

 

 ですよね。

 なんかわかってたわ。

 うん。

 

 「エイア様。起きられたでしょうか。」

 「……起きてますけど……。」


 その声は副村長!

 久しぶりっすね。

 

 「ちょっと緊急事態?でして……少しお時間いただけないでしょうか?」

 「緊急事態?」

 「はい。まあ、緊急事態なのかはわかりませんが、至急来ていただければ。」

 「……わかりました。今行きます。」

 

 はぁ。

 なんでこう神様は俺を休ませてくれないんだろうか。

 ……過労死するよ?

 

 まあ、とりあえず早く行かなきゃね。

 

 

 

 

 

 「それで?何が起きたんですか?」

 「別に危険だったり、致命的なことではないんですよ……むしろ嬉しいことなんですが……。」

 「嬉しい?それなら別にいいことなのでは?」

 

 嬉しいことでいいことじゃないってどういうことだ?


 「いや、いいことなんです。いいことなんですけど、ただその量が多いだけで……。」

 「多い?」

 「あの……エイア様、商売する場所の確保を行ったじゃないですか。」

 「はい……?」

 

 まあ、そのせいで現在進行系で疲れてるんだけどね。

 

 「合計で20箇所ほどに交渉したと思うんですけど……」

 

 うん。多分そのうち半分もOkしてもらえないだろうからそれで丁度な感じになると思ったんだけど……。

 

 「その交渉相手の方、が全員Okしていただけました。」

 

 ……え?

 

 「すいません。全員っておっしゃいました?」

 「はい。全員って言いました。」

 「全員?」

 「全員です。」

 

 ……全員……全員!

 それは……どうしよ!

 

 流石に全員は……半数で丁度いいのにそれの2倍って……。

 全部と取引してたら村民の労力が……。

 

 ……ていうかなんで全員?

 

 「なんで、全員Okしていただいたんですか?言い方悪いですけどこんな田舎の農作物ほしいところなんてあんまりないと思うんですけど……。」

 「……メイア様、一応この村の村長なんですよね?」

 

 そりゃもちろん。

 でもね、この村が田舎なこともなんにも無いことも事実なわけだしさ。

 

 「まあ、全部にOkしてもらえたのはメイア様の知名度でしょうね。」

 

 あ……そっか。

 一応周りからは俺スターみたいな感じに思われてるんだった。

 絶対それはないと思うんだが……。

 まあ、そんなのが村長になった村の農作物売らない手は無いわな。

 絶対儲かるもん。


 …………なんか、ナルシストっぽくなってるけど俺は至って真面目です。

 

 一応大手みたいなところじゃなくて個人営業みたいなところにしか交渉してないしそんなに取引する量は多くないと思う。

 でも、今まで一切取引することもなく地産地消してたからなかなか一気に量を増やすことができないし……

 ……詰んでるわー。

 

 「流石に全部は厳しいですね……。」

 「はい……一応半数ほどキャンセルすることもできますが、その場合キャンセルしたところに悪い噂が立ったりして逆恨みなどされる可能性も……。」

 

 まあ、そりゃキャンセルしたら差別しているように見えるわな。

 

 「んーーどうしましょう。」

 「―――いっそのこと全部の店に出荷してみますか?」

 

 ……?


 「は?どういうこと?」

 「えー、半分の店にしかできないのなら、一年目に半数に出荷、2年目にもう半数を出荷すれば2年分の取引先も確保できていいと思うんですが。」


 ……いや、普通にいい。

 いいんだけど……それを店側が承諾してくれるのかどうか。

 

 「どうでしょうか。」

 「うん……いいんだけ……それ店側承諾してくれるかなっていう……。」

 「別に承諾していただけるのでは?別に遅くても来年には仕入れられるんですし。」

 「そうなんだけど……流行りって一瞬なんですよ。」

 

 なんか副村長がよくわからなそうな顔してるけど続けるか。

 

 「大体はやりってしばらくしたら風化していくんですよ。だから、店からしてみたら少しでも早く仕入れたいはずなんです。」

 「えーっと?つまりどういうことですか?」

 「多分一年も待っていただけないと思うんです。」

 

 流行った本が一ヶ月後にはもう一切読まれなくなってむしろ読んだら流行りに乗り遅れたやつとか逆張りなんて思われることなんか日常茶飯事だ。

 多分俺が人気なのもその類だろう。

 だから……断れな―――


 「それは……無いんじゃないですか?」

 「―――それがあるんだよ。」

 「だってメイア様はに抱いているのは流行りじゃなくて憧れじゃないですか。」

 「流行りも憧れも同じでしょ多分。」

 「……別に英雄に対する気持ちも憧れでしょう?だけど別に乗り遅れたとか無いじゃないですか。」

 

 …………確かにそうかも?

 

 「それに私達一般人からしてみたら勇者パーティーメンバー全員が英雄なんですよ。」

 

 …………このおっさん何者だ?

 今まで見てたおっさんじゃない。

 今までのおっさんは……いや関わりなさすぎてわかんねーや。

  

 「でも……俺ほっとんど実戦で活躍してないですし英雄には程遠い程遠いと思うんですが……。」

 「それでも私達からしてみたら英雄なのです。」

 

 …………何も活躍してないのに英雄って……なんか泥棒みたいな感じする。

 

 「だから皆さん待っていただけると思いますよ?」

 「…………んーまあ、掛け合って見るくらいはやるか。」

 「はい。私はメイア様―――【村長】にどこまでも就いていきます。」

 「うん。気持ちはありがたいんだけどそれはちょっと怖いかな。」

 

 こうして俺は少し自己肯定感のステータスが上がった。

 やったぜ。 

 なんかスッキリしないけど。

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