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使徒戦記  作者: 薫
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第一章 第一話プロローグ

暖かく見守って下さると幸いです

m(*_ _)m




 ドッ!!

 ガシャンッ


「おいおいどーしたんだぁ?さっきまでの威勢はよぉ」


 人気のない高架下で、蹴りを入れて来たリーダー格の青年が僕を見下ろして問いかけてくる。


「妹助けるんだろぉ?」「まま〜

 たちゅけて〜」


 ギャハハハハ!!

 青年の背後で、先程捕らえらえた僕の妹の両手をおさえて嘲笑う不良達。



 この世界は腐ってる。

 いくら法律が整っていても人の目のない場所で、暴力を振るい悪事を働く者は後を絶たない。

 多少の勇気を持った人であっても、睨まれれば自分が狙われるのではと、見て見ぬふりをし過ぎ去って行く。いつもの事だ…。

 そうやって、力も権力もない弱者は搾取され続ける。



「紫閃流だかなんだか知らねぇけどよ、どうせ大した事ない流派なんだろ?」


 青年は門下生の少ない弱小流派に対して夜な夜な、暴力行為を繰り返している常習犯であり前科者だ。


「兄貴、そんなやつほっといて行きませんか」


 僕は立ち上がり、服のホコリを払い目の前でニヤニヤする青年に向き合った。


「…するな」


「あ?」


「紫閃流をバカにするな!」


 ゆっくりと、それでいて流れる様な動きでいつもの構えをとる。

 確かに門下生は少ない。だけど他の流派にはない強みがある。

 それは、いついかなる時でも相手の動きに合わせて戦う事ができることだ。

 基本は”我流の武術”だが、基本を師より教わった門下生の内、素質ある者だけが会得できる道が、”紫閃”と呼ばれるこの世のものでは無い技とされている。

 僕は紫閃流の門下生となって3年という脅威のスピードで”紫閃流”を会得した。


 武術界隈の中でも上位の立場にいる僕は、目の前の相手を見据えた。


「…はぁ〜。お前みたいな陰キャが俺にキズひとつでも与えれるとでも?」


「ーー来いよ三下」


 僕の言葉を聞くやいなや、青年は右拳を固く握り大きく殴りかかって来た。


「誰に口聞いてんだ!!」


 右足を回し右回りに青年の拳を避け、左足に重点を起き右膝と右肘で相手の右手首の骨を砕く。


「ボキッ!!」


 嫌な音が高架下によく響く。


 更に、地面から少し浮いている相手の右足に僕の右足をかけて、思い切り引く。

 青年の体重が僅かに後ろへ傾くのを見逃さず、すかさず右手で顔面を掴み地面に叩きつけた。


 今度は「ゴンッ」という嫌な音が響く。

 一瞬の出来事で受け身など取れるはずもなく、頭にダメージを受け気絶した。


 目の前で、今まで信じて疑わなかった青年の一瞬の敗北…。

 不良達は誰もが言葉を発することができず、呆然としていた。

 緩んだ不良の手を離れ、兄の元へ駆け寄る妹を抱きしめようと腕を広げる。

 しかし、気が緩んだ時に起こってしまった…。


「しねぇぇぇぇぇぇ!!!」


 不良の1人がナイフを右手に持ち、血走った目で妹の背後から勢いよく走り、ナイフを前に突き出した。


「香弥!」


 振り返る妹を庇うように、妹を右へ押した。と同時に胸のあたりから熱を感じた。


 下を向くと、ナイフが刺さった所から血が流れている。

  ナイフを引き抜かれ、血が溢れてくる。


「や、やった、やったぞ…」


「おい!行くぞ!」「早く!兄貴連れて引くぞ!」


 不良はナイフを地面に捨てて仲間たちと青年を担いで、闇の中に去って行った。



 力が入らず仰向けに倒れた僕は、震えながら近寄る妹を見た。


「お、お兄ちゃん!?」


「あ、香弥…無事だったんだな…」


「うん。お兄ちゃんが押してくれたから。助けてくれて…ありがと…」

 涙を流しながら、必死に話してくれる。

 血が止まらない。むしろナイフが抜かれたからか、どんどん流れてくる。

 少しずつ意識がもうろうとしながら凍えるような寒さを感じて来た。


「お兄ちゃ「香弥、ごめんな」え?」


「格好つけて油断して刺されるなんて…ごめんな」


「お兄ちゃん!目を開けて!」


 香弥が…―僕の肩をゆすってくる。

 まぶたが重く、意識が消えかけていく。


「……香弥」



 呟いた妹の名前を最後に僕は意識を失った。

処女作となります。

誤字・脱字、おかしな言い回しなどがあると思いますが、よろしくお願いします。

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