8ー勘違いー
イスカが国を出たとき、目の前に何故か魔女、フレアがいた。
「どうしてここに?
おまえの助けはいらないと言った筈だが?」
「確かに助けはいらないと言っておったな。
しかし、それとワシがお主と一緒にいることは別問題じゃろう?」
「は?」
意味が分からなかった。
自分には誰の助けもいらない。
これからは自分1人で生きていくと決心した筈だったのに。
「ワシもお主も、1人で生きていくことはできる。
しかしだからと言って、1人で生きていかなくてはならないなんて決まりはないということじゃ」
「......」
二の句が継げなかった。
ミルフィーユともシンとも離れた自分には他に誰もいないと思い込んでいた。
しかしそれは唯の勘違いだったのだ。
自分も誰かと一緒にいていいのだと。
そう肯定された気分だった。
「フレアと俺はまだ出会って1日も経っていない。
これから先ずっと一緒に居られるかは分からないだろ」
「それはそのときじゃ」
「え?」
「ここはお主にとってまさに異世界じゃ。
無限の可能性がある。
ワシと合わなければ他の者を探せばよい。
それだけじゃろ?」
確かにその通りだ。
この異世界に転生してすぐにミルフィーユやシンと出会ったから勘違いしていたが、ここは異世界。
無限の可能性があるのだ。
そう思うと、イスカの目から涙が出てきた。
これは悲しみの涙ではないだろう。
この涙に名前がつけられるようになるのはずっと先になる。
そうイスカは思った。
〜完〜