53話 お仕事の後
それから丸1日をかけて街中の銅像を掃除して回る。といっても今日1日で出来たのは半分ほどで、何度もやり直しを指示されながらも後半に来るほど口出しや文句も減っていった。
時間は空が赤く染まっている。
「今日はこの辺にしとくかね。また明日頼むよ」
「はい。またお家に向かわせて頂くのがいいですかね?」
「そうしとくれ」
老婆はそう言って去って行った。
「それじゃあ帰りたいところですが……」
「着替えないとな、俺もお前も」
「ですよね……」
今日の掃除をしている時にめちゃくちゃに汚れたといっても過言ではない。銅像が立っている場所は汚れやすい場所にあったりして後半になればなるほど人のいない汚されているような場所に立っていた。
何でそんな場所に立っているのだろう。という疑問はありつつも、やれと言われればやるしかない。
「それにしても意外と面白かったですね。こんな場所に銅像も立ってるんだって場所にあって秘密探検見たいで面白かったです」
「そうだったな。俺もこの街について知らなかった場所とか知れて面白かった」
フリッツさんは服を泥だらけにしながらそう言っている。
「そう言えばフリッツさん」
「なんだ?」
「汚れは全て躱すんじゃなかったんですか?」
「仕方ないだろ! 掃除している最中に水を銅像に当てるなんて反則だ」
あの老婆は私たちが銅像を拭いている最中に遠慮なく水魔法を銅像に向けてぶっぱなしていたのだ。そのお陰で掃除をするスピードは速くなったが、代償として私たちの服の汚れは加速した。
受付のあの人が汚れてもいい服を持ってこいと言っている意味が分かる。
「そのお陰で今日半分まで出来たんですし。それにこれだけやった後の食事はきっと美味しいですよ」
「そうだな。今日は何処に行こうか」
「そのことで思っていたんですが、フリッツさん。もっと好きな場所に行ってくださってもいいんですよ?」
「というと?」
「何というかもっとこう。最初の店のもっと雰囲気が暗いようなでも出てくる料理は美味い。そんな店とかに行って頂いてもいいのかなって思ってます!」
「俺に一体どういう印象を持っているんだ」
「男の冒険者ならこう……。もっと酒を持ってこい。みたいな店が好きかと思いまして」
「……よし。言ったな? それならそういう店に連れてってやろう。そこにいる連中はあれだし料理は美味いが味は濃い上に大味だ。それでもいいんだな?」
「も、勿論ですよ」
軽い気持ちで行ってみたら彼の目が本気だ。大丈夫だろうか。
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