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防御魔法しか使えない聖女はいらないと勇者パーティーを追放されました~そんな私は優しい人と出会って今は幸せです  作者: 土偶の友@転生幼女3巻12/18発売中!
第1章 聖女は出会う

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44話 一方勇者はその頃③

 魔族たちから逃げ、森の奥まった地点にて、勇者パーティの面々は先ほど起こったことについての

話をしていた。


 最初に口を開いたのはサラだ。


「ハブルール、アンタ分かってるんでしょうね? あんな魔族相手につけられるなんてヘマしておいて許されると思ってるわけ?」

「お、俺はちゃんと警戒していた! だが、奴らが知らない方法で!」


 ハブルールは叫ぶがそれを見るディーナが冷ややかに言い放つ。


「あれくらいなら私でも分かったし、私の元ペットでも簡単に巻いていたわよ。それがアンタに出来ないってどういうことなの? 実力が足りてなさすぎるんじゃない?」

「そんな! 今まで俺はやってきてただろう!」

「それも相手のレベルが低かったからいけただけじゃないの」

「魔族相手でも負けないとか恥さらしレベルだけどね」

「クソ……」


 実際、これまでの彼も偵察のレベルは低かったのだが、相手が魔物等やレベルの低い盗賊であったためこれまでは問題にならなかった。しかし、今回からの相手は魔族であり、ちゃんと人間並みに考える種族である。それを今までのようにやっていればバレるのも無理はなかった。


「そう言うな。ハブルール。今のままだと使えなさすぎる。もっと鍛えろ。いいな?」

「分かった……」


 勇者ランドに言われて仕方なく頷くハブルール。しかし、彼の内心は余りいい方には考えていなかった。彼は勇者パーティでいい思いさえ出来ればいいと考えていたのだ。勇者ランドを持ち上げつつ、他のサラかディーナのどちらかとでもお近づきになれればという、ゲスな考えでいただけに過ぎない。


 だから彼としては他のメンバーに頑張ってもらって楽をしたかっただけで、大抵の偵察も本気でやっていなかったし、夜の見張りも半分ほど寝ていた。


 それまではクロエが彼のサボりを知っていたためフォローしていることもあったが、今となってはそれを行なう人間もいない。


 しかし彼はクロエのフォローには気付いていなかった。だから今回失敗したのも、偶々だと思っていたし、自分のことを棚に上げる彼は自分の実力が劣っているとは思ってもいない。


 今回攻めてくるサラとディーナに対して彼は苛立ちを覚えていたが、このパーティに誘ってくれた勇者のフォローもあって何とか堪えていた。彼まで敵に回しては居心地が悪くなる。そう言うことには頭の回る男であった。


「それにしてもランドとルーカスもだけど、もうちょっと余裕はないわけ? 幾らなんでもダメージを受け過ぎよ、今まではあんな程度じゃかすり傷も受けなかったんじゃないの?」

「いや、奴らの攻撃は強かった。魔族を舐めるな」

「そもそもこの土地が俺達人間に向いていないのかもしれん。いつもの技の反動もかなりきつかった。人間には良くない物があるとしても不思議ではないだろう」


 剣士ルーカスもランドの意見に賛成する。彼にとっても最近の戦闘で技の反動が体に重くのしかかっていた。それはこの魔族領に入ってから、正確にはクロエが抜けてからだったのだが、そのことには気が付かない。彼があくまでもクロエを欲しがったのは雑用の為であったからだ。


「そんな話聞いたことないけど」

「魔族がそういうようにしている可能性もあるだろ?」

「にしてもこんな場所にまでやるかしら?」

「私もそんな話は聞いたことないけど」

「私たちの攻撃は今まで通り効いていたのよ? 流石に変だと思うわ」

「そんなこと考えても分からねえだろうが。いいから明日また行くぞ」


 理由について考えていた3人はランドの言葉によって意識を変えられる。


「何言ってるんだ。今日ので確実に警戒されている。そんな中行ったとしても死にに行くだけだ」

「ふざけんな。カス共にやられたままにしろってのか」


 魔族を嫌い、見下しているランドは吐き捨てる。


「そうよ。私たちは勇者パーティなのよ? あのまま続けていても勝ったに決まっているわ。ねえ、ランド?」


 サラがそう言ってランドにしな垂れかかる。


「私のエンチャントを受けたランドなら余裕よね?」


 ディーナも負けじとランドの反対側からもたれ掛かる。


「そうだぜ。あんなカス共、俺の聖剣で簡単に切り殺してやるよ」

「さすがランド!」

「私の目に狂いは、いえ、神の目に狂いはなかったわ!」

「任せておけ、俺が勇者たる事を教えてやるよ」


 そう言って盛り上がる3人見て、一人嘆息するルーカスであった。


「はぁ」


 その日の話し合いはそれで終わり、見張りを残して眠りにつくのだった。監視されていることに気付くこともなく。


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