4話 森で1人
「これからどうしようか」
私はもしかして皆が振り向いて戻ってきてくれるんじゃないかと、淡い期待をしてしまっていた。だが、そんな期待は当然のように起きない。
彼らの姿が見えなくなると私はこれからの事をどうしようかと考える。そしてくぅとお腹が鳴ったのに気が付く。
「お腹減ったな……」
そう思って食事をしようにもそういったものは全てパーティの荷物の中だ。私が持っているのは自分の着替え数着分と、昔から使っている櫛や日用品が少し、それとランドから貰ったというお守りだけだ。
こんな状況でどうしろと言うのか。ここは人類に敵対している魔族との国境線を超えたあたり、いつ魔物や魔族に襲われてもおかしくない状況だった。
それでもここで立って何もしない方が危険だろう。だから私は一度ここから一番近い街に戻ることを決めた。
「ここから歩いて……一週間くらいだったかな」
ここに来るまで歩いて一週間はかかっていた。それを今から戻るとすると5日くらいで戻れるだろうか。戦闘をせずに隠れて進めばいけるかもしれない。だけど水筒はあるが食料は一切ない。それでどうやって戻ればいいのだろうか。
「戻らなきゃ」
問題はあるとしても私はそれでもここで立ち止まっている訳にはいかない。ここで人生を諦めるなんて出来ない。院に戻ることはできないけど。これからのことは歩きながら考えればいいと思い、私は元来た道を歩き出した。
それから数時間が経った。景色は木ばかりで森の中。時間はまだ朝といってもよく、日もそんなに高くない。しかし、私の状況はとても危険になっていた。
「何でこんなに早く来るのよ~!」
私はいま、絶賛魔物と追いかけっこをしていた。
「グルアアアアアアア!!!」
「来ないで~!」
私は必死に走り、追いかけてくる攻撃的な魔物グリズリーベアから距離をとる。奴の足はとても速いがここは森の中、何とか狭い木々の間を走り抜けて追いつかれないように走っていた。
私は防御魔法は使えるが攻撃系統の魔法の才能は一切持っていない。だからここで捕まってしまえばお持ち帰りされて、魔力が切れるまで攻撃され続けるのだ。
「ギャアアアアアア!!!」
「えええええ!!!」
後ろから追われていたと思ったら、前からグレイビーバードが出てきた。鳥と名前がつくのに2足歩行で走るのが速くて空を飛べない魔物だ。色は明るいオレンジで意外と目立つ。
私はそいつらから逃げるように横へ走る。
「グルアアアアアア!!!」
「ギャアアアアアア!!!」
私が逃げるとそこにいる魔物たちが争い始める。良かった今のうちに逃げなきゃ!
面白かった、続きが気になると思っていただけたなら、ブックマーク、下の評価をお願いします。
星1個でも頂けると、小説を書く励みになります。




