38話 ファティマ商会
私たちは話ながらファティマ商会に向かう。そして話もある程度落ち着いた時にレント君が教えてくれる。
「あ、着きましたよ。あれが父さんの商会です」
その商会は周囲の建物を2,3個集めたんじゃないかというくらい大きく存在感を放っていた。横に大きいのは勿論縦にも大きい。
「すごーい」
今も商会の前では多くの人や馬車が出入りしている。その列は続いていてかなり繁盛しているようだ。
「これは凄いな」
「今の時間帯はかなり忙しいですからね。夕方頃になるとまた少し落ち着くんですが、それまでは中々」
「商会って初めて来たので知りませんでした」
「普通に生活している分にはそうですよね。それもシスターとなればなおさらです」
「それで、中に入っていいのか? 並んだ方がいいか?」
フリッツさんは並んでいる人を見てそう言った。
「それは大丈夫です。彼らは新規だったりこれから家と商売をしようという方々ですので、常連さんや依頼の品をお願いされた方々は問題ありません。こちらへどうぞ」
店の前には護衛の人が立っていたが、レント君の顔を見ると一礼するだけで何も言われない。
レント君に連れられて店の中に入るとそこは別世界だった。広いと思ってはいたが天井もそれに合わせて作られていて、天井近くまで物や木箱が積んである。その天井も2階分までぶち破っているのか物凄く高い。
「わぁ~これはすごいね……」
「俺も初めてきたが……これはすごいな」
「ふふ、ありがとうございます」
「坊ちゃん、嬉しいのは分かりますけど早く行きませんと」
「ああ、そうだった。こっちです」
レント君は中にぐいぐい進んでいく。
私は周囲に積まれた物に圧倒されっぱなしだった。
そのまま奥に行くとそこは普通の建物になっていて、そこを道なりに進む。そしてある部屋に彼が入った。
「ここです」
そう言って彼は先に部屋の中に入っていく。続いてフリッツさん、私と入ってきてバルドさんはどこかへ行ってしまった。
「ああ、バルドは飲み物を取りに行ってくださっただけなので大丈夫です。お座りください」
「ああ」
「はい」
その部屋の高級感も凄い、テーブルやイスの一つ一つが模様などもしっかり掘られて頑丈そうだ。どう考えても私たちが来るような場所には見えない。
「こんないい部屋でいいんですか?」
私は思わず聞いてしまう。
「何を言ってるんですか。持ってきてくださった品物を考えればこれくらいは当然ですよ」
「そ、そうですか」
「それと私は金貨を取ってくるのでここでお待ちください」
「分かった」
「はい」
そう言ってレント君は部屋の奥にあった扉に入って行ってしまう。
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