表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
防御魔法しか使えない聖女はいらないと勇者パーティーを追放されました~そんな私は優しい人と出会って今は幸せです  作者: 土偶の友@転生幼女3巻12/18発売中!
第3章 聖女依頼をこなす

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

182/203

182話 ベルニアスのギルドマスター

「お前達、秘密があるんだってなぁ、バラされてもいいのかぁ?」

「何のことだ?」

「お前はフリッツ、そしてそっちの神官はクロエだっけぇ? ここで話してもいいのかなぁ?」


 そう話す彼の顔はニヤニヤしておりどう考えても私たちの何かを知っている。というか、私もフリッツさんもキリルさんも秘密しかない。こんなことを言われたら誰かのがバレているんじゃないのかと不安になる。


 フリッツさんも思ったのか、小声で返す。


「勝負をすればいいんだな?」

「ああ、それでいい」

「分かった。受けよう」


 フリッツさんが同意したので、蒼穹のメンバーも驚いているがこれは仕方ない。


「フリッツ!?」

「正気?」

「相手は仮にもAランクパーティーですよ?」

「すいません。カルロの分まで我々が謝罪しますので」

「うるせぇ! こいつらとは俺達が戦うんだよ! お前達はまた後だ!」

「よっしゃぁ! 楽しそうな雰囲気になってきたぜ!」

「これがあるからやめられないんだよねぇ! 冒険者ってのはさぁ!」

「一体何の騒ぎかしら?」


 騒いでいると、ギルドの奥からギルドマスターとさっき話をした受付嬢が出てきた。


 彼らが出てきた瞬間一瞬シンとなる。良かった。ギルドマスターが間に入ってくれるのであれば、何とかなるかもしれない。


「丁度いいとこに来たなぁ。ギルドマスター。俺達はこの後こいつらを勝負すっからよ。ちッとばかかし見届けてくれや」


 まさかギルドマスターにそんなことを頼むなんて。そんな。


「いいわよ」

「え?」

「じゃあ、サッサと中でルールを……」

「先にこの子達の依頼の話が先よ。いい?」

「っち。しゃあねえな。サッサとしてくれよ」


 あれ? 以外と直ぐに引き下がるんだな。そう思っていると、彼らは後ろの方の席に座りだべり始めた。


「こっちよ。話を聞かせて貰うわ」

「はい」


 私たちは、ギルドマスターに続いてギルドの奥を目指す。


 そして、彼女に案内されるままにギルドの中に入る。


「それで、話を聞かせて頂戴?」

「ああ、森に行き、レイスを倒してきた。これがその数だ」


 カルロさんは持っていた袋からレイスの魔石を出す。その数は18個にも登る。


「こんなにいたの?」

「ああ、見かけたやつは全て倒してきた。全部レイスのものだろう?」

「そうね……にしても依頼を出してたった数日よ? 本当に倒して来たの?」

「あーそれはまぁ……その……そうだな。ファル」


 カルロさんが困ったのか助けを求める。ここに来るまでに私たちのことは前面に押し出さない様にということをお願いしてあったからか、カルロさんは考えてくれているらしい。


 ファルはそういうのは慣れたものなのか素直にうなずく。


「偶々といった感じでしょうか。固まっていたので範囲魔法で効率的に倒せたに過ぎません。彼らの助力のお陰でもありますが」


 ファルさんがさりげない感じで紹介してくれる。良かった。これなら注目されなくて済む。


「ふーん。そう。これ以上レイスはいないのかしら?」

「それは分かりません。取りあえず街道沿いのレイスは倒して来たましたが……」

「ま、そうねぇ、ボス的なのがいると楽でいいんだけどねぇ」

「『狂気の刃』が帰って来たんです。彼らに任せてもいいのでは?」

「そうしたい所なんだけどねぇ……はぁ」


 そう言ってため息をつくのはギルドマスターだ。どうしてなんだろうか。


「まぁいいわ。正直、どうしてレイスなんかが発生したのかも分からない。でも、ここにある魔石がその証拠でしょう。ありがとう。依頼は達成よ」

「それでは」

「ええ、『蒼穹の息吹』は帰ってもいいわ。その代わり、彼らを呼んできて」

「分かりました」

「すまん」


 蒼穹のメンバーが謝罪して帰って行くけど、元々秘密があるのは仕方がないし、それをバレてしまった私たちのせいと言ってもいいのかもしれない。そう考えると、別に彼らは悪くない。


 まぁ、『狂気の刃』の人達が興味を持つきっかけにはなってしまったかもしれないが。


 それから暫くすると、扉を開けて彼らが入ってくる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ