監督さんがどうしても嫌だったこと
とある工事現場
ちょっとした事故で想定外の事態が発生し、通常の手順では作業が進められなくなった
監督員は3名のベテラン作業員を集めて対応策につき意見を求めた
作業員A「現工程はひとまず飛ばして、通常より作業効率がかなり落ちますが可能な範囲で次工程へ進んでしまいましょう」
作業員B「いやいや、いったん現場を完全にストップして事態収拾をはかり、現状復帰出来てから再開しましょう」
作業員C「いやいやいや、それよりかなり費用が掛かるが特殊な機材をレンタルして事態を多少強引にでもスピード解決し、一刻も早く現行程から工事を進めましょう」
監督員はしばし考えた
そしてBの案、「現場をしばらくストップ」を選んだ
A、Cの案も悪くなかった
むしろA、Cいずれかを選び現場を止めずにおくべきだったかもしれない
しかしA、Cを選ぶと作業中に「えぇ~!?止めといた方が良いっすよ~!俺だったら・・」「分かってないな~、〇〇した方が絶対いいっすよ~!俺だったら・・」とかの無責任な雑音が方々からしつこく聞こえてきて鬱陶しい思いをするのがこの監督員はどうしても嫌だったのだ
そして4日現場をストップして、その間に事務仕事をじっくり行い、工程表や作業手順、資材明細をブラッシュアップし、また現場内の落下養生や器物の配置の再確認、標示の充実も抜かりなく行った
監督員は「この4日間は無駄どころか大いにプラスに働いたで!」と部下に嬉し気に話すのだった