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魔王退治は要件定義から!  作者: 荒井清次
王都滞在編 -新しい仲間と共に王都での生活基盤を整え強くなる-
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ササラ幻樂団に所属する先輩冒険者三名が仲間入りを希望してきたので、日本式圧迫面接で対応します

前回のあらすじ:竹調(たけしらべ)の異名で知られるササラさんが私達のパーティに仲間入りをした。


「俺の名前は、ユリスキー。大盾とメイスがメイン装備のタンク役で、レベルは53の前衛職。ビリジアン等級の冒険者だが、荒くれ者だった俺に対して、生きる活力をもたらしてくれたササラ様のため、尽力してきた。命を賭してササラ様と、ササラ様が大好きなトウカ様のため、美雪さん達のパーティに加えてほしい。」


「私の名前は、レズメッグァナーイ。細剣での突き攻撃と、相手の隙を突く水魔法が主力の中衛職で、レベルは48です。私の実家は中級貴族ですが、三男として生まれたため、家督を継ぐことも出来ず、かと言って王族騎士団に入団する実力も無かった私は、自暴自棄になっておりました。そんな私に生まれた意味を与えてくれたササラ様のため、一心不乱に精進してまいりました。我が主であるササラ様と、ササラ様の意中の相手であるトウカ様をお守りするため、美雪さん達のパーティに加えてください。」


「私の名前は、ユリ・シンジョウ!名前のとおり、百合が信条な女の子です!後方からの回復魔法や防御魔法が得意な後衛職で、レベルは45!ニホンっぽい名前でお気づきかもしれませんが、母親が転生者です!レベルは左にいる二人の男共より低いけど、転生者の娘として、能力は一番高いんですよー!そんな私ですが、生まれてから神童なんて呼ばれて退屈をしてたんだけど、ササラ様とトウカ様のキュンキュンな言い合いに一目惚れをして、あー、こりゃもう生涯追ってくしかないなー…って思ったわけです!そんなわけで、美雪さんのパーティに加えさせてもらいたいです!!」


「…なるほど。」


先ほど面接で仲間入りをしたササラさんのパーティメンバーである、ササラ幻樂団(げんがくだん)の三名が順に自己紹介をする。

三人からの情報量の多さに対応するため、トウカさんから解放されたシロ君も一緒しての面接だが、自己紹介から情報の嵐だった。

筋骨隆々で少し怖い顔の、いかにも荒くれ者冒険者という見た目の、三十代前半くらいの男性、ユリスキーさん。

眼鏡をかけた聡明な男性で、どこか貴族のような雰囲気と服装の、おそらく二十代後半のレズメッグァナーイさん。

十代後半くらいの、ふわっと軽くパーマした茶髪の、元気で活発そうな少女のユリ・シンジョウさん。

個性豊かな三人の情報を整理していたところで、シロ君が小さな声で私に尋ねてくる。


「ササラさんって、やっぱりトウカさんのことが好きだったんですか?」


「やっぱり?って、シロ君気付いてたの?」


「ケーキを差し入れに来た時に、そうかな?って気はしてたんですが…。決め手は、さっきトウカさんと食事に行った時に聞いた話ですね…。ササラさんの奇行に対して文句を言ってたんですけど…、どう聞いてもササラさんがトウカさん好き故の暴走なんですよね…。そこで察したのですが…、なんであれで気付かないんですかね?」


「多分、喧嘩のことしか考えてないアホだからだと思う…。」


私の言葉に、あぁ…と呟くシロ君。

トウカさんをアホと言ったからか、何やら背筋がゾクッとしたため、三人の面接に戻ることにする。

まずは、三人の自己紹介の中にあった、仲間入りの理由について確認しましょう。


「皆さんはササラさんと、ササラさんが好きなトウカさんのために仲間入りをしたいと言っておりましたが、それはなぜでしょうか?」


「「「ササラ様とトウカ様が尊いからです!!」」」


「…なるほど。」


三人が声を合わせて回答したため、私は勢いに負けて思わず、なるほどと言ってしまった。

しかし、全然腑に落ちてない私は、三人に聞こえない声で、シロ君に確認をする。


「…ねぇ、シロ君。尊いって、こっちの世界ではどんな意味?」


「美雪さんの元いた世界と変わらない意味ですよ。崇高で近寄りがたい、神聖、高貴、きわめて価値が高い…、みたいな意味ですね。」


なるほど。つまり、三人はササラさんとトウカさんを崇高で近寄りがたい存在と感じているのね。


「それでは、なぜ皆さんはササラさんとトウカさんを尊いと感じるのですか?」


「「「それは、私達が百合大好きだからです!!」」」


「…なるほど。」


先ほど同様、三人の勢いに負けた私は思わず、なるほどと言ってしまった。

尊い理由を聞いたら、百合の花が好きという回答が返ってきた。再びシロ君に確認する。


「…ねぇ、シロ君。百合って、こっちの世界では花じゃないの?」


「百合は花の名前でもありますが、最近は女性同士の恋愛という意味で使われます。おそらく三人は、そちらの意味で使っているのかと思います。」


さすが私達の知恵袋。シロ君から百合の意味を聞いた私は、三人に確認をする。


「ササラさんとトウカさんが尊い、百合が大好き、という情報を整理しますと、三人の私達のパーティに入りたい理由は、ササラさんとトウカさんの恋愛の様子が好きで近くで見守りたいから、と推測します。これで合ってますか?」


「「「はい、その通りです!」」」


「なるほど。」


三人のパーティ入りの理由に辿り着いた私は、うんうんと頷く。

頷いていたところで、ふと気になったことを確認してみることにする。


「三人はトウカさんとササラさんの恋愛を見てるだけで良いのですか?ササラさんはすごい美人だし、トウカさんも可愛い系の女性。二人と自分たちが、みたいな気持ちは無いのですか?」


パーティ内の恋愛事情が難しくなっても…と思っての私の質問に、急に勢いよく立ち上がる三人。

突然のことに驚く私なんて気にすることなく、ユリスキーさん、レズメッグァナーイさん、ユリ・シンジョウさんが順に答える。


「俺は百合が大好きだ!!男の俺が出しゃばったら、それは百合じゃなくなる!!」


「私がお二人とだなんて…、おこがましすぎます!!私は二人の恋愛を見守っているだけで、満足ですから!!」


「私は見る専なので、見ているだけで満足です!!」


百合が好きだけど、当事者じゃなく見てるだけで良いという三人。

へー、そんなに百合が良いんだーと思った私は、つい出来心で三人への確認も兼ねて、とある行動に出てしまった。

多分、疲れてたんだと思う。私は後にこの行動を深く後悔することになる。


「三人の好きな百合って、こんな感じ?」


私より一回り背の低いユリ・シンジョウさんの細い腰に右手を回し、ぐっと彼女を引き寄せる。


「へ…?」


目を丸くするユリ・シンジョウさんを無視し、小さな顎を左手の人差し指でくいっと上げる。

私の中にある女性同士の恋愛と言ったら、宝塚歌劇団。そう思ってのこのポーズ。

その状態で、百合ってこんな感じ?とユリスキーさんとレズメッグァナーイさんの表情を伺ってみるが、二人は首を傾げている。


「なんというか…、俺の百合レーダーにかからないな…。相手がユリさんですからかね?」


「私はストーリーとか、背景を尊重するタイプなので、そういうとってつけたようなアピールは、いまいちみたいです。ユリ殿が相手っていうのもありますが…。」


どうやら、二人の描く百合とは少し違ったらしい。

ユリ・シンジョウさんが身近な相手だから、というのも影響しているようだ。


「相手がユリさんだからって…。ユリさん、こんなに可愛いじゃない。失礼しちゃうわね。」


「え?私、可愛いですか?」


「ん?普通に可愛いと思うよ。自信持って。私が保証する。」


「ど、どこがですか?具体的にお願いします…。」


「具体的に?そうだなー…。」


自分の可愛さに自信を持てないといった表情のユリさん。

私は彼女を元気づけるため、笑顔で答える。


「くりっとした碧眼は、エメラルドを思わせるような輝き。肌は水が弾きそうな、きめ細かさと潤いを持っていて、まさに若さの象徴って感じね。鼻は小さく、唇はぷっくりとしていて、全体のバランスが良い。少女らしさを残しながらも、大人の色気も感じさせる小悪魔系美少女よね。転生者が母で、父はマグノキス人のハーフだからかな?両者の良いとこ取り…、女性が目指すお手本のような可愛さだよ!」


「ふ、ふわー…。」


普段可愛いと言い慣れていないのか、ユリ・シンジョウさんの顔はみるみるうちに赤くなる。

よくよく考えると、私も恥ずかしいことをしていることに気付いたため、ユリ・シンジョウさんの顎から左手を離そうとする。

しかし、私の左手はユリ・シンジョウさんの両手に優しく包み込まれる。

ん?と思った私の耳に小さな呟きが聞こえてくる。


「前言撤回…。」


「前言撤回?」


小さく呟いた本人のユリ・シンジョウさんは、ほにゃーっとした赤い顔で、私のことを見つめている。

蕩けた表情のユリ・シンジョウさんは、前言撤回の言葉の意味を説明し始める。


「私、先ほど見る専って言ったの、撤回します…。私も、私自身の百合を見つけました…。お姉様って呼んでも良いですか…?」


「え?」


うるうるとした瞳で私を見つめるユリ・シンジョウさん。

なぜか少し嫌な予感を感じる。私の困惑など気にせず、ユリ・シンジョウさんは早口で話し始める。


「百合が好きで、トウカ様とササラ様の二人の恋愛を見ているだけで幸せと思って、ササラ様のパーティに所属してた私なんですけど、それってササラ様の友人的なポジションで、ササラ様の恋を応援してたんだって今、気付きました。やっぱり見てるだけじゃ満足できないことに、お姉様のおかげで気付かされました!!私はお姉様と一緒に、私が思い描く百合の道を歩きたいんだと実感しました!!」


突然のユリ・シンジョウさんの言葉に、困惑でユリスキーさんとレズメッグァナーイさんに視線を向けると、二人はにっこり笑顔を私達に向けていた。


「「尊い…!!」」


「尊いって、さっきトウカさんとササラさんに対して使ってた言葉よね!?え、それを私とユリ・シンジョウさんに対して言うってことは、まさか!?」


「はい、お姉様と私は、二人に百合として認められたってことです!!」


「やっぱりー!?」


「「尊い…!!」」


百合が大好きと公言する少女に、私は不用意に急接近してしまった。

後悔が押し寄せて来ると共に、私の両肩はユリ・シンジョウさんにがしっと力強く掴まれる。


「私は奥手のササラ様と違って、ササラ様に過激派って言われるくらいの行動派ですよー!!さぁ、誓いのベーゼを!!ちゅー!!」


ちゅーっと唇を尖らせて、接点してくるユリ・シンジョウさん。彼女の百合の対象が私になったのは間違い無いようだ。


異常に目つきが悪い私は、恋愛とは程遠かったため、そういう対象になることは無いと思っていた。

それ故の不用心な接近だが、今はスキル眼光威圧を取得して無効にしたことで、私は少し怖いくらいの目つきに改善している。

つまり、目つきの悪さが和らいでいるから、こうしてユリ・シンジョウさんは私をお姉様と慕っている。


理由が分かったなら対処方法は有る。

私はユリ・シンジョウさんに対して、スキル眼光威圧を有効にして、全力で彼女を睨みつける。

これで彼女に怖がられてしまうが、今の危機を逃れるためには仕方ない。


「眼光威圧、オン!!」


スキルの発動を口に出す必要は無かったが、混乱した私は大声でスキルの発動を叫んで、ユリ・シンジョウさんを全力で睨む。

私の全力のスキル眼光威圧の発動に、ユリ・シンジョウさんの体がびくびくと震え、膝が汚れることも気にせず、その場に崩れ落ちる。

スキル眼光威圧の効果は絶大だった。ひとまず、これで彼女のちゅーは防ぐことが出来ただろう。


「ユリさん、ごめんなさい。」


スキル眼光威圧で恐怖状態に陥ったであろう、ユリ・シンジョウさんに謝る。

私の謝罪の言葉に、ユリ・シンジョウさんは顔を上げる。

頬は紅葉のように赤く高揚し、目には涙を浮かべ、緩み切った口からは熱い吐息が漏れている。

恍惚の表情を浮かべる彼女の顔は、だらしなく蕩け切っていた。


「全身を震わせる、この感覚…!!震えあがる恐怖に、体は縮み込むけど感情は熱く荒れ狂う…。お姉様、私を百合に目覚めさせただけじゃなく、Mにまで目覚めさせるなんて…!!どんどん開かれる、私の可能性の扉ー!!私、新しい一面の気付きに、興奮が止まりませーん!!」


スキル眼光威圧で崩れ落ちたと思われていたユリ・シンジョウさんが、私の腰に抱きついてくる。


「眼光威圧が、効かない…!?まさか、発動してない!?」


スキルが発動していないかと思ったが、ユリスキーさんとレズメッグァナーイさんは、部屋の端で頭を抱えてうずくまっている。

今まで人々を恐怖の底に落としてきたスキル眼光威圧は、間違いなく発動している。

なのになぜユリ・シンジョウさんは止まらない…!?


「お姉様ぁ…、お姉様ぁ…!!」


私の腰を掴んでいたユリ・シンジョウさんは、ぐいぐいと私の体を下方向に引っ張る。

あれ、私いま押し倒されそうになってる?

力任せに必死に抗うが、ユリ・シンジョウさんのレベルは私より高いためか、彼女の力から逃れることが出来ない。

ベアクローのように彼女の顔を掴んで押さえるが、逆に喜びの表情に変わっていく。


「お姉様ぁ…、お姉様ぁぁぁあああ、ぼぐぅっ!?」


両手を大きく広げ、私に抱きついてこようとするユリ・シンジョウさんの頭に、大きな石の塊が命中する。

白目を剥いて気絶するユリ・シンジョウさんの後ろに立っていたのは、杖を両手に持つシロ君。

どうやら、地属性魔法を背後から使ったようだ。

両手に杖を持ったシロ君は、何も無かったかのように、笑顔で首を傾げる。


「美雪さん、無用心な行動は控えてくださいね?」


「はい、すみませんでした…。」


シロ君の顔は笑っているが、目の奥は笑っていない。明らかに怒りの表情だ。

普段怒らないシロ君の抗議の目に、私は大人しく頭を下げる。

そんな私に、大きく溜息を吐いたシロ君は、恐慌状態のユリスキーさんとレズメッグァナーイさんに光魔法リカバーをかけてまわる。

どたばたの面接は、一旦落ち着きを取り戻した。



「お姉様、先ほどは取り乱してしまい、誠に申し訳ありませんでした…。」


落ち着きを取り戻した部屋の中、気絶から復活したユリ・シンジョウさんが頭を下げて謝罪をする。


「あ、うん…。反省してるなら、良いよ…。」


私の言葉に、ユリ・シンジョウさんの顔がぱーっと明るくなる。

じーっと私に熱のこもった視線をおくる彼女を警戒しながらも、私は面接の中で一番確認したかったことを質問することにする。


「ユリスキーさん、レズメッグァナーイさん、ユリ・シンジョウさん。あなたたちは、私のパーティに所属した後、主に裏方に回ってもらうことになります。冒険者として、活躍の場が減るかと思いますが、それでも良いのでしょうか?」


私がこんな質問するのには、この世界のダンジョンの仕組みに理由がある。

ダンジョン攻略は、通路の広さや現れるモンスターの数、人数に対する経験値の分配から、4人~6人が適切と言われている。

しかし、私達のパーティは昨日から倍以上に増え、今面接をしている3人を含めると、10人になる。

鍛冶師のサっちゃんを引いても、ダンジョン挑戦の適正人数を超えている。

そのための質問だったが、三人は笑顔で答える。


「大丈夫!俺は百合を見られれば満足だ!冒険者稼業もそろそろ引退を考えてたところだから、サっちゃんの鍛冶の手伝いをしてやるよ!!」


「私もユリスキー殿と同じ考えで、百合を見られれば満足です。貴族ということもあり、教養の高い私は、パーティの財政管理など、裏側の支援をさせていただきます。」


「お姉様、私も控えメンバーで構いません!私は料理や洗濯といった家事が得意ですので、冒険から帰ってくるお姉様を優しく迎え入れる…、奥さん的なポジションを務めあげます!奥さん的なポジションが嫌なら、専属メイドでも構いませんよー!!」


断れるかもと思った私の提案は、意外にもすんなりと受け入れられる。

頼もしい三人の返答に、私は頭を下げる。


「失礼な提案を受け入れていただき、ありがとうございます。まだまだ未熟な私達ですが、ご支援の程よろしくお願いいたします。」


「ってことは、私達は仲間入りが認められたってことですねー!!」


三人を代表して、ユリ・シンジョウさんが喜びの声を上げる。その言葉に、私は笑顔で答える。


「はい。これからよろしくお願いいたします。」


「「「やったー!!」」」


私の肯定の言葉に、三人は両手を上げて喜び始める。

喜ぶのは、裏方の支援をしてもらえる私の方なんだけどな。

そんなことを考えていると、ユリ・シンジョウさんがとことこと私に近付いてくる。

くるっと回って、人差し指を口に当てた彼女は、小悪魔のように笑う。


「お姉様、私のことは気軽にユリって呼んでください!」


「え、あ、うん。分かった、ユリね。ユリ、よろしく。」


「お姉様ー!!よろしくお願いしまーす!!」


私の腕にぎゅうっと抱きついてきたユリだが、すぐにやってしまったという表情を浮かべて、私から距離を取る。


「あ、お姉様、ごめんなさい!!こういうの、お姉様は好きじゃないですよね?」


怒られた子犬のような表情で、おどおどと私の顔を見上げるユリさん。

そんな顔で見られたら、強く言えないじゃない…。


「押し倒したりしなければ、少しくらいのスキンシップは構わないわよ。ただ、節度を持ってね。」


「節度ですね!!わっかりましたー!!」


私の言葉にビシッと敬礼をしたユリは、ぎゅーっと私の腕に抱きついてくる。

抱きついてくるが、それ以上の行動には移らないので、そのままにしておく。そんなユリが抱きつく右腕とは逆の左側から、シロ君が注意をする。


「僕は美雪さんほど甘くないですからね。何かしようとしたら、またストーンブラストを使わせていただきますよ?」


「…ちっ。男が百合空間に入ってくんじゃねぇよ…。」


小さく低い声がユリの方から聞こえてくる。

私とシロ君が驚いてユリのことを見ると、彼女は笑顔で小首を傾げる。


「どうかしました、お姉様?」


全力でしらばっくれたユリに、シロ君は笑顔を浮かべているが、その目は笑っていない。

ユリも笑顔だが、シロ君に向ける目の奥に現れる獰猛な本性を、少しも隠そうとしない。

ちょっとした修羅場が、私を挟んで訪れる。


裏方ではあるが、私達は大きな戦力を仲間にしたのは間違いない。

戦力と一緒に大きな爆弾も、パーティの中にいれてしまったような気もするが、私はメリットの方を尊重する。


こうして、無事に(?)三名が、私達のパーティに仲間入りをした。

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