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魔王退治は要件定義から!  作者: 荒井清次
王都挑戦編 -所持金すべて失い歌姫を護衛する-
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【番外2-3】竹調のササラは銀琴と対バンライブしてポンコツになる

この物語は竹調のササラ目線で語られる番外編です。

最初は幕間にしようと思って始めましたが、どんどん膨らみ、メイドのメイコに引き続き、こうして番外編になりました。(メイドのメイコ、別連載中の不幸なユキオも、最初は幕間でした)

もはや京都弁ではないササラ弁、銀琴竹調の百合成分の多さ、ササラのポンコツに対し、不快に感じた場合は申し訳ございません。

トウカはんの前ではポンコツササラになってまうササラ。

宿屋金字塔の看板娘の姉の方につけられた、ポンコツササラいう不名誉な汚名を返上するため、ササラは冒険者としての実力をつけとった。

具体的に言うと、トウカはんに出会うた頃は青等級だったササラも、ビリジアン等級に昇級したんや!

これで一歩トウカはんに近付いた思うたら、トウカはんはビリジアン等級から銅等級に昇級しとった。

もっと頑張らな差が縮まらんな。そう思うて、今日も冒険者ギルドを訪れてます。

情報がまとまっとる掲示板を前に、良いクエストが無いか、新しいダンジョン情報が無いか探し中どす。


「げっ!!ササラ!!」


いつの間にか、ササラの後方に愛しのトウカはんがおった。

久しぶりに会うた突然のトウカはんや!!あかん、落ち着かな、またポンコツササラになってまう!!

落ち着かななんやけど、まずは、トウカはんの言うた、げっ!!の意味を確認せなあかん!!


「そのげっ!!ってなんや…って、トウカはん!!誰や、トウカはんの隣におる、えっらいべっぴんはんな女性は!?」


トウカはんが言うた、げっ!!の意味を確認してる暇やない!!なんや、トウカはんが異様に綺麗なべっぴんはんを連れとる!!

しかも、金髪青眼の異国風美女!!天使か!?天使がこの世に権限したんか!?そんで、なんでトウカはんは天使と一緒におるんや!?

驚き慌てとるササラを無視して、トウカはんは何気ないことのように、目の前の天使を紹介してくれはる。


「ん?あ、ササラは初対面か!彼女はひめ…、じゃなくて、冒険者フィーネ。滅茶苦茶、強い冒険者だ!ダンジョンで実力をつけるなら、強い冒険者と一緒の方が良いだろ?今日は師匠いねぇから、代わりにフィーネを呼んだんだ!」


「トウカさんに紹介いただきました、冒険者フィーネです!よろしくお願いいたします!」


「あ、よろしうお願いします…。ササラいいます…。」


トウカはんの隣。ササラが望んだポジションに立つ冒険者フィーネはん。

荒くれって印象が強い冒険者の中で、洗練された高貴な美を感じさせるフィーネはん。

なんなん?この美人はん?え、なんなん?

紹介を受けても混乱は治らず、むしろ大混乱中なササラに、トウカはんは優しく声をかけてくれはる。


「これから、このめちゃ強フィーネと一緒にダンジョン行こうと思うけど、ササラも来る?味方の数が多い方が良いしな!」


「はえ!?え、ササラも?え、えぇんか?」


「ササラも転生者なら、それなりの実力なんだろ?問題ないぜ!フィーネも良いだろ?」


「私は構いませんよ!ササラさん、よろしくお願いいたしますね!」


にこりと微笑んで深々と頭を下げるフィーネはん。

突然現れた、めちゃ強フィーネはんのおかげで、トウカはんと一緒に冒険者するいうササラの夢が叶った!

ササラの夢をか叶えてくれたフィーネはんに心ん中で感謝する。トウカはんと一緒に冒険する中で、ポンコツササラにならんよう、ササラは両手をぐっとして意気込む。

ポンコツ、あかん。あかん、絶対。

そんな意気込んどったササラに、トウカはんとフィーネはんの声が聞こえてくる。


「おい、フィーネ。髪の毛ボサボサだぞ…。ぜっかく綺麗な顔してるんだから、身なりを整えようぜ?」


「トウカさんに呼ばれて、慌てて自宅から飛び出してきましたからね。髪の毛もボサボサになりますよって…って、あ、すみません。ありがとうございます。ふふっ、なんだか照れますね!」


やれやれといった表情で、フィーネはんの髪の毛を笑顔で整えるトウカはん。

それをどこか恥ずかし気に、頬を赤らめて笑顔で受け入れるフィーネはん。


いや、近ない?なんなん?トウカはんとフィーネはん、めっちゃ良い雰囲気なんやけど?ササラは何を見せられてん?愛しのトウカはんが、イチャイチャしてるんやけど…。

ササラん中に生まれる、嫉妬いうどろどろした負の感情そのままに、二人の親し気な様子を眺めます。むぅー。


「ん?どうした、ササラ?変な顔して睨んで?」


「トウカさん、トウカさん、きっとササラさんは私達の親し気な感じが羨ましいんです!」


「あ、そうなの?んじゃ、ササラにもやってやるよ。」


急に伸びてくるトウカはんの手。びくっと驚くササラを無視して、髪に触れてきはる。

トウカはんの手が、ササラの髪に、触れ…てる…?


「うわ、すっげぇサラサラ。ササラの名前に合う、見事にサラサラな黒髪だな。」


ササラの髪を触りながら、満面の笑顔で感嘆の声を漏らすトウカはん。

あかんあかんあかんあかーん!!トウカはんが、目の前で、ササラの髪を撫でてはるー!?

ササラ、口がぱくぱく、顔は真っ赤になっとる!!絶対そうなっとるのが分かるんやけど、今は我慢や!!ポンコったらあかん!!

トウカはんがこんな間近におんねん!!こんな至福な時間、堪能せなあかん!!


「それに良い匂いすんなぁ。お香ってやつ?なんか安心する。」


ササラの髪に顔を近付け、くんくんと匂いを嗅ぐトウカはん。





あ、一瞬、気を失いかけとった。

あまりに突然なトウカはんの接近に、ササラの許容値が超えとった。

やって、急接近してくる、トウカはんの、可愛い顔!!

サ、ササラなー、あ、あまりの、トウカはんの接近に、い、一瞬、キスされる、思うてしまった、やんかー!!!

しかも、しかもやな!!

トウカはんがササラの匂いを嗅ぐんと同様に、ササラにもトウカはんの匂いが届いてきはるねん!!

んなー…。あー…。

め、めっちゃ良い匂い…、ササラ、この匂い、好き…。とか思うてる場合やない!!

今だかつてないくらい、トウカはんの可愛い顔が接近しとるー!!

あわあわあわあわ、あ、あわー!!あわー!!ササラ、ポンコっちゃう!!このままだと、ポンコっちゃうー!!ポンコっちゃうって、なんや!?

自分で自分を見失っとる!!これは、あかん!!はよう、トウカはんの接近をやめてもらうんや!!


「あかん!!我慢の限界や!!トウカはん、離れて!!はよう離れて!!」


「ん?そう言われると、天邪鬼な私としては、より接近したくなっちゃうんだよねー!」


小悪魔的な悪戯な笑みで、ぐいっと近付いてくるトウカはん。

ササラの髪を撫でる手も、奥に奥に進んできはる。

さっきまでは、指先で触れる程度だったトウカはんの指。今では、ササラの黒髪で見えなくなっとる。

深い!!トウカはんのササラへの侵攻が、ふっかいねん!!

そんなトウカはんの侵攻は、ついにササラの防衛ラインを軽く超えてきおった。

侵攻するトウカはんの指は、ササラの長い黒髪いう防御陣を全てかき分け、一番敏感なところに触れはったんや。


「ふぃ!?」


「ササラ、福耳なんだな。長い黒髪で見えなかったけど、耳の形すっげぇ綺麗じゃん!ぷにぷにの、もっちもちー!」


ササラの耳を、ぷにぷにと親指と人差し指でつまむトウカはん。

な、なんなん!?今日のトウカはん、ぐいぐい来るやん!!めっちゃボディタッチ多いやん!!

トウカはんが触れたとこから、熱うなってくる!!ぽっぽぽっぽが止まらないねん!!

ササラん中の世界が全て、トウカはんの愛に包まれてまうやん!!


や、やめてぇ…。ササラ、顔から火が出そうや!!

ササラの受け入れられる限界値いうんは、トウカはんに髪を触られた時から限界やねん!!

これは、ちゃんとトウカはんに伝えなあかんな!!ササラは限界やねんって!!


「あほう!!きゅ、急になにすんねん!!我慢の限界言うとるやろ!!もう触んなや!!あ、あほう!!トウカはん!!ほんま、あほう!!」


「痛い!!」


トウカはんの侵攻があかん!!ササラ軍、全軍撤退やー!!

見事なビンタですね!って、フィーネはんの声が聞こえてくるんやけど、ササラは止まれへん。


限界やったん!!

大好きな、トウカはんに、ササラの一番弱い耳たぶ、ぷにぷにもちもち攻められて、限界やったん!!

気が付いたら、トウカはんの頬ぱちーんの、その場からダッシュやねん!!

トウカはんの頬をぱちーんとビンタしてしもうて、居ても立っても居られなくなってしもうたササラは、気が付いたら、その場から逃げ出してもうた!!


そんで、王都の中を走り回ること数刻。

体力の限界と、トウカはんを叩いてしもうた後悔から、その場に崩れ落ちるササラ。


「や、やってもうたー…。また、ポンコツササラどすー…。」


額から流れ出る汗、着崩れてしもうた和服を気にすることなく、ササラは天を仰ぐ。

道行く人の視線が痛いねんけど、今のササラには気にならん。もやもやした独り言を吐き出します。


「せ、せっかく…、トウカはんがダンジョンに一緒に行こうって誘ってくれたのに…。ササラ、なにしとんねん…。なにしとんねーん!!」


今回のポンコツ原因は、トウカはんに親し気な冒険者に嫉妬、あと、突然のトウカはんのボディタッチでの混乱どす。



それから数か月が経っても、ササラはトウカはんに出会うた日は、毎日ポンコツササラ発揮どす。

でも、ササラは自分の中のポンコツと向き合って、頑張るねん!!


「ダンジョンで実力をつけるなら、強い冒険者と一緒の方が良いだろ?」


トウカはんのこの言葉を信じて、ササラはメキメキと実力を上げとった。

ダンジョン内で強いモンスターに出会っても、トウカはんと一緒に冒険をするんを夢見て、頑張れた。


でも、時にササラは不安が押し寄せて来る時があんねん。

どんなにササラが実力をつけても、ササラの夢である、トウカはんとの冒険は叶わないんじゃないやろか。

一生、ササラはトウカはんと一緒にパーティを組むことが出来ないんやないか。

でも、仕方ないことやんな。


ササラは二度もトウカはんが差し伸べてくれた手を、振り払ってもうたんや。

ラクレはんに相談したあの日、トウカはんが一緒にパーティを組もうと差し伸べてくれた手。

そして、今日フィーネはんと一緒にダンジョン行く言うて差し伸べてくれた手。

パニックになって、ポンコツになって、どちらの手も無情に振り払ってしもうたササラには、トウカはんと並び立つ権利はあらへん。


ササラがトウカはんの頬ぱちーんした日から、トウカはんは完全にササラのことを敵と見なしてはる。

あの優しいトウカはんが、ササラを見かけると、げっ!!って言うようになってしもうてん。

そりゃ、頬ぱちーんしたら仕方ないやんな…。

あれ?トウカはんの頬ぱちーんした日も、げっ!!って言うとったかな?

まぁ、えぇわ。鶏が先か、ひよこが先かやな。


トウカはんに、げっ!!って言われるんは辛い。辛いけど、仕方ないことやんな。

ラクレはんがトウカはんとササラの仲を取り持ってくれても、フィーネはんが一緒に冒険に誘うてくれても。ササラはポンコツササラになってもうて、トウカはんに失礼なことを言うてまうんや。


その度に、ササラは頬ぱちーんや、頭ぱーんや、顎ぐりっでトウカはんを傷つけてまう。

そんで、ササラも思うてることと違うことを言うてしもうて、落ち込んでまう。

負の連鎖や。ポンコツを発端にした、負のポンコツスパイラルや。

でも、ササラかて頑張ってるねんで?ちょっとずつやけど、落ち着いてトウカはんと話せるようになって来てるねん。

死地へ赴く決意を胸にすると、トウカはんと冷静に話せる覚悟を決められるんや。


つまり、今までのササラには覚悟が足りなかってん。死地に赴く覚悟が足りへんから、ポンコツササラになってまうんや。

死地に赴く覚悟を決めたササラは、トウカはんと話せるようになってん。

でも、そんな覚悟もトウカはん相手にすると、空回りしてまうんや。

トウカはんはぐいぐいとササラとの距離を詰めてくることがあるねん。

頬ぱちーんのあの日、ササラの耳たぶをぷにぷにもちもち、好き勝手されたように、トウカはんは基本的に、人との距離が近いねん。


最初は普通に話せたんやけど、トウカはんの不意討ちの接近にササラはいつもやられてまうねん。

ぐいっとトウカはんに近付かれると、思わずトウカはんの可愛らしい頬を、ぱちーん叩いてまうねん…。

トウカはんは銅級冒険者やから、ダメージは入らへん。

なんやったら、叩いたササラの手の方が痛い。でも、もっと痛いとこがあるねん。

ササラはどんでもないものを痛めていました。ササラの心です。

大好きなトウカはんを叩いてまう度に、ササラの心はズキズキと痛むねん。


そんなトウカはんとササラは、会うては喧嘩の日々。

ササラはトウカはんと仲良くなりたい、出来れば一緒に冒険者としてパーティを組みたいだけやねん。

でも、ササラはトウカはんの奇襲にポンコツになってまう。

トウカはんもササラに触れた時の反応が楽しいんか、会うたびにササラにボディタッチいう奇襲をしてくる。

その度に、ササラはトウカはんの頬をぱちーん。そんで、言い争い。

そんなトウカはんとササラのやり取りを、眼鏡をくいっと見とった女性によって、この後のトウカはんとササラの関係はどんどん複雑になってくんねん。



トウカはんとササラが言い争いをするようになって一か月ほど。ササラは闘技場におった。

ひと仕事終えたササラは、闘技場の控室に続く通路で立ち尽くしとった。

そんなササラに、ある人が声をかけてきはります。


「今日も対バンライブお疲れ様でした。会場もとても盛り上がりました。ありがとうございます。」


「こちらこそ、おおきにー…。」


眼鏡をくいっと上げて、お礼を言うてきたんは、歌姫はんのマネージャーのペトラはん。

気が付いたら、ササラは王都で頭角を現しとった傍若無人なトウカはんのライバル的なポジションになっとった。

その結果、ササラは歌姫はんのコンサートイベントの前座として、トウカはんと対バンライブをするようになったんや。

楽器を使うての支援魔法が得意な冒険者二人が、連日のように喧嘩しとる。それを偶然見たペトラはんは、興行になるかも?と思うたらしい。

なに言うとんねん。ササラは喧嘩なんてしたないねん。対バンライブなんて、やるわけないやん。

そう思うて断ろうとしたんやけど、顔を合わせては喧嘩ばかりの関係をどうにか出来るかも?って、この時のポンコツササラは思ってしもうたんや。


「対バンライブって、楽器を使った喧嘩でしょ?そんなの、関係性悪くなるだけって決まっとんのに、なんで引き受けちゃうかな…?さすポン。」


これは対バンライブを受けたことを、相談相手のラクレはんに伝えた時の第一声や。

ちなみに、さすポンは、さすがポンコツササラの略や。ササラがポンコツ行動をする度、ラクレはんは、さすポン言うねん。


「さすポン、まじポン。」


これはラクレはんの妹、レトチはんの言葉や。クールな表情で、ラクレはんのさすポンに続いて言うてくんねん。意味は、さすがポンコツササラ、まじポンコツ、どす。

さすがに失礼やないか、と思うんやけど、今までのポンコツササラがトウカはんにしてしもうたことを考えると、否定の言葉が出来へん。

なんでササラは、大好きな相手のトウカはんと、音楽にのせてお互いを罵り合う対バンライブなんかに出とるんやろな。

そんで、なんで喧嘩腰になってまうんやろな。

照れ隠しと思いたいけど、ポンコツやからやろな。気持ちを伝えようとするんやけど、あわあわパニックしとる間に、最悪のタイミングを引き寄せてしまうんや。

ラクレはんとレトチはんに、ポンコツ言われても、しゃあなしや。


そんなことを考えとったササラに、ペトラはんは笑顔で今日の対バンライブについて、感謝の言葉を伝えはります。


「今日も素晴らしい罵りでしたね!トウカさんの、会う度にビンタすんな、痛いんだよ!!に対して、ササラの方が痛いねん!!トウカはんの方がビンタされんように気をつけや!!あほう!!と、自分を棚に上げての拒絶には、会場から歓声が沸きましたね!素晴らしかったです!」


ちゃうねん、ペトラはん。拒絶なんやないねん…。

そのポンコツ語を、標準語に訳すとな…。


トウカさんのことを会う度、叩いてしまうことは誠に申し訳ないと思っていますが、これだけは理解してほしいってことがございます。

ササラも、大好きなトウカさんを叩いてしまって心が痛いのです。

トウカさんのことが大好きなササラの気持ちを知らないで、無邪気に近付いてこないでください。

ササラは意に反して慌ててしまい、トウカさんのことを叩いてしまいます。

以上のことを踏まえて、一定距離を保ってください、お願いします。


これが、トウカはんの、「会う度にビンタすんな、痛いんだよ!!」に対しての、「ササラの方が痛いねん!!トウカはんの方がビンタされんように気をつけや!!あほう!!」やねん…。

自分で自分が何言うとんのか分からんくなったわ…。


「ははは…、さすポン…。」


「さすポン?最近、王都で話題の調味料、味ぽんの新種ですか?」


「いや、なんでもないねん…。独り言や…。」


今日もやってもうたな、と落ち込むササラ。

そんなササラの様子に、ペトラはんは首を傾げながらも、くるりと反転します。


「そうですか。それでは、私はミラウェルの準備に行ってきますね。疲れてると思いますので、ゆっくり休んでくださいね。」


ペトラはんは歌姫はんのコンサート準備に行ってまう。

誰もおらんライブ会場の袖で、一人っきりになったササラに、後悔の念が押し寄せてきはる。


なんでこうなってしもうたんやろ…?

ただただ、ササラはトウカはんと仲良うしたかっただけやねん。

せっかく冒険者いう危険な職についとるんやから、ササラはトウカはんいう白馬の王子様に守ってもらいたいだけやねん。

でも、結果は全然ついてこうへん。なんやねん、対バンライブって…。なんで、喧嘩してまうねん。

自分のポンコツさが怖い。ずっとこのままポンコツで、トウカはんとどんどん険悪になってしまうんやろか。

想像してしもうた最悪の妄想に、体が震えてまう。

全身の力が抜けたササラは、近くに置かれとった椅子に腰掛け、がっくりと項垂れてまう。


どのくらいの時間が経ったやろか?

落ち込んどったササラの頭の上から、優しい声がかけられます。


「どうした、ササラ?めっちゃ、疲れちゃってんじゃん?」


はえ?この声はトウカはん?

急にかけられた声に、何が起きたか分からんササラは、放心状態で顔を上げます。

そこには、ササラの意中の相手、トウカはんが心配げな表情で立っとった。


「やっぱ疲れてるよな…。対バンライブ、ササラのキャラじゃないもんな。」


トウカはんの表情はいつもと違うて、なんとなく不安げやった。


「ペトラの無茶な注文に突き合わせてごめん。ササラも辛いよな?大人しいササラのキャラと違うことをさせちゃって、負担だったよな。本当にごめん…。」


そう言うたトウカはんは、ササラの頭を撫ではる。


「ペトラは元冒険者で、私の姉弟子的なポジションなんだよ。だから、どんなに強くなっても、逆らえないんだよ。それが、結果として対バンライブって形になって、ササラに無理させちゃってるよな?こんな震えて…。辛い思いをさせて、本当にごめん…。」


優しい声で、まるでササラの今までの労力を労うように、トウカはんの細い指、小さい手がササラの頭をナデナデするどす。

トウカはんの手の平から伝わる熱が、ササラの恋の炎を熱く燃えさせます。

さっきまで震え取った体は、ぽっぽぽっぽと熱を生み出し始めます。


はえ!?これなんのご褒美なん!?

トウカはんがササラの頭を撫でとる!?

前に耳たぶぷにぷにもちもちされた時とは、違う感情が湧き上がってくるのを感じる!!

前は興味や感触が良いって理由やったんけど、今回はササラへの慈しみとか、優しさからの頭なでなでやねん!!

トウカはんの優しさがササラのつむじを伝わって、荒れ狂う嵐のようになって、ササラの心をかき乱してくんねん!!

あかん!!これはあかーん!!ダメになってまうー!!

ササラ、ダメになってまう!!ササラをダメにするトウカはんの降臨や!!


「おっと、つい妹にしてたみたいにしちまった。ごめんな?嫌だったよな?」


嫌やない!!

今日のササラは、さっきまで傷心モードやったんやから、甘えたい気持ちが爆発中や!!

撫でて!!もっと頭をなでなでしてー!!なでくりまわしてー!!

ササラ、慌てとったら、いつもみたいにタイミング逃して、ポンコツやってまうで!!

早う、嫌じゃないことを伝えなあかん!高鳴る胸と緊張を抑えて、ちゃんと言わなあかん!!嫌やないって!!伝えるんや、嫌やないって!!


「って、今日は言いたいことがあったんだった。大事な話。ササラが対バンライブ嫌なら、ペトラにやめるように言ってくるからよ。遠慮せずに言ってくれな?」


「嫌やない!!」


必死に絞り出したササラの言葉に、トウカはんは「そっか…。」と呟きます。あれ?ちゃんと、嫌やないって伝えられたよな?


「分かった!ササラが嫌じゃないって言うなら、問題ない!いやー、ペトラと戦わなきゃいけないかと思って、内心冷や冷やだったぜー!戦わなくて良いんだな!良かったー!そんじゃ、次の対バンライブでもよろしくなー!!がんばれー!」


手を振り振りしながら、去っていくトウカはん。

はえ?次?トウカはん次って言うとった?

ササラは、さっきの会話を思い返す。最近のササラは、ポンコツを反省するため、トウカはんと会う時は録音石いう魔力を込めると、周囲の音を録音できる石を用意しとんねん!

ササラは、トウカはんの前じゃなければポンコツやないんやえ!

ちゃんと、反省して次につなげられるよう、準備しとんねん!問題は、次につながってないことだけや!って、あかんやーん!!


さっきトウカはんに優しさ爆発の頭なでなでしてもろうたからかな?テンションが変や。

深呼吸で気持ちを落ち着けながら、録音石を再生するどす。


ふむふむ。

ササラが対バンライブ嫌なら、ペトラはんに相談してやめてもらう?

やっぱり、トウカはん優しいなぁ。こんなポンコツササラでも、気遣ってくれるんやな。ますます好きになったわ。日々最高好き好き更新中や。

そんで、それに対するササラの返答は、嫌やない!!

対バンライブ嫌なら、に対して、ササラは嫌やないと答えたんやな。なっるほどー。


あー!?まーた、ササラやってしもうてるー!!せっかく、対バンライブをやめて、トウカはんと仲良しライフを始められるチャンスやったのにー!!

断ってるやん!!嫌やないって、断ってるやーん!!


がっくりと落ち込んどるササラへ、くるりと振り返るトウカはん。

どうしたんや?と首を傾げるササラに、びしっと指差したトウカはんは無邪気な笑顔で言いはります。


「次は負けねぇかんな!その可愛い顔を悔しさで染めてやる!!」


「か、可愛いって、と、突然、なんやねん!!あほう!!」


にしししと無邪気に笑うて去っていくトウカはん。

そんなトウカはんの背中を、ササラは見送ることしか出来へんかった。


「あほう…。」


トウカはんの控室は、ササラの控室と反対側。

やから、トウカはんは何も用事が無ければ、こっちに来ることないねん。

じゃあ、なんでトウカはんはササラの前に現れたんか。まさか、元気無かったササラを心配して…?

そんなことないやん、なにか理由あったんやと思うんやけど、心のどこかでササラのために来てくれたと考えてまう…。

そんなササラは真っ赤な顔で、あほうと呟くことしか出来へんかった。


そんな風に、顔を真っ赤にするササラの背後で、屈強な体をした大柄の男がぽつりと呟きます。


「尊い…。」


急に呟いた大男は、ユリスキーはん。

ビリジアン等級の実力ある冒険者やけど、トウカはんとササラの言い合いが好きでたまらん言うて、ササラのパーティ入りを希望した変わり者どす。物理攻撃の腕は確かなんやけどな…。


「なんやの、尊いって?いつもトウカはんとササラの会話の後に言うけど、それなんなん?」


「ササラ様とトウカ様のやり取り。尊い…。」


ユリスキーはんの隣で、レズメッグァナーイはんが呟く。

見た目は聡明な男なんやけど、ユリスキーはんと同じく、トウカはんとササラの言い合いが好き言う変わり者や。魔法のセンスには目を見張るものがあるんやけどな…。


「その生暖かい目やめてくれへんか?ほんま、尊いってなんなん?」


「素直になれない、恋してポンコツになる系の知的和風美女と、無自覚で心揺さぶってくるサバサバ系美少女の百合…。まじ尊い…。」


レズメッグァナーイはんの隣で、ユリ・シンジョウはんが呟く。

転生者の母を持つため、日本語っぽい名前の彼女。転生者の娘だけあって、高い実力を持つんやけど、トウカはんとササラのことを神格化しとる。

防御魔法には何度も助けられたんやけどな…。

三人揃って、ほんとなんなん?


「百合って、ユリはんの名前やん?なんでトウカはんとササラはんのことを百合いうん?なんなん?」


「「「尊い…。」」」


他二名の冒険者が呟く。ほんまなんなん?こいつら?

トウカはんとササラの対バンが始まってすぐ。二人の言い合いが好きいう冒険者が集まって、ササラに頭を下げてきたんや。

なんでもするから、トウカはんとササラの側に置いて欲しいって。

ササラが強くなるよう、全力で補佐してくれる言うから、ササラ幻樂団いう冒険者パーティを作ったんやけど、トウカはんと言い争っとるの見て、こうして尊い尊い呟くねん。

なんやねん、この変人たちは!?類は友を呼ぶんか!?って、それやとササラも変人やん!?

ササラ、変人やない!!ポンコツや!!

混乱するササラに、幻樂団の仲間らは言いはります。


「ササラ様。トウカ様がこうして現れたのは、徐々にササラ様の気持ちが伝わってる現れかと思われます。トウカ様がササラ様の頭をナデナデしていたのは、その気持ちの表れといっても過言ではありません。」


「間違いなく、トウカ様の中でのササラ様の存在は大きくなってます。トウカ様は、妹と間違えた、なんて言ってましたけど、それはササラ様のことを家族と同じくらい大事に思ってることの現れじゃないでしょうか!!」


「絶対やれますよー!!もう押し倒しちゃいましょー!!押し倒して、本能の赴くままに、欲求の限りをトウカ様にぶつけてから、二人の関係をどうするか考えていきましょう!!押し倒せないって言っても、せめて、唇は奪いましょう!!ちゅーしちゃいましょう!!ちゅー!!」


トウカはんとの関係について、やんややんや言いはります。

一人過激派がいるねんけど、幻樂団の仲間らはササラに助言をくれつつ、応援してくれはります。


「ササラ様、めげずに次です!なんでも、トウカ様は有名な洋菓子店フランソワのチョコパウンドケーキがお気に入りらしいです。」


「我々で朝一から並んで入手しましたので、これをトウカ様に差し入れに渡しにいきましょう!」


「そして、押し倒しちゃいましょう!!無理なら、こんなとこにチョコつけて…、もう…って言って、ぺろっです!!ほっぺにぺろっです!!」


変な連中やけど、応援してくれる気持ちは本物。

そんな仲間たちの言葉に、トウカはんに対してポンコツ炸裂したササラでも、元気になることが出来るねん。また頑張ろうって気持ちになれるねん。

ササラは仲間達からケーキを受け取って、トウカはんの控室に向かいます。

そんで、言うねん。いつも、叩いてしもうてごめんって。ちゃんと伝えるんや、いつもごめんなさいって!

仲間達が用意してくれたケーキ片手に、勇気を絞り出してトウカはんの控室の扉を開きます!!


「トウカはん、いつも叩いてしもうてごめん!!ササラ、ほんとはトウカはんと一緒に冒険がしたいねん!!ササラをトウカはんのパーティに加えてください!!お願いします!!」


言えた!!トウカはんが何か言う前に、ちゃんと言えた!!

しかも、ササラがずっと秘めとった、トウカはんと一緒に冒険したいいう気持ちも言えた!!

これなら、いつもみたいにタイミング外して、変な風に伝わることは無い!!

ちゃんと伝えられたやん!!

あまりの勢いに、ポンコツの出る幕なかったやん!!これは、ササラの大勝利ちゃう?ポンコツ返上ちゃーう?


「ちゃんと、伝わっとったら、な…。」


トウカはん、もう帰っとった。

誰もいない控室に、ササラの声だけが響いとった。


「なぁ、ユリスキーはん、レズメッグァナーイはん、ゆりはん。一緒に、このチョコパウンドケーキ、食べへん?」


「「「儚い…。」」」


その日、仲間達と食べたチョコパウンドケーキの味は、少ししょっぱかった。


ラクレはんやレトチはん、パーティの仲間たちの応援を胸に、ササラはトウカはんにアプローチをする。そんで、ポンコツを発揮してまう。

こんな感じで、ポンコツササラはポンコツを積み重ねていくねん。


いつか、ササラのポンコツを治さんと、冒険者としてトウカはんと並び立つことは出来へん。

逆に考えると、ササラのポンコツを治せば、トウカはんと一緒に並び立つことが出来る、ってことかもしれへん。

そう思うて、日々奮起しとったササラやけど、自分の考えは甘かった。激甘やったと痛感させられることが起こるねん。

トウカはんに次は負けねぇって言われた対バンライブも、開催されることはありまへんでした。



その事件は、突然やった。


「トウカはんの師匠が…?」


クエストに向かってたはずのユリスキーはんが、私達のホームに慌てた様子で帰ってきて、突然の訃報を言うた。

いつもと違う意味で、早なるササラの心臓の鼓動。ササラはユリスキーはんに詳細を聞く。


トウカはんの師匠である老騎士(ろうきし)が、不慮の事故で亡くなってしもうた。

なんでも、老騎士とトウカはんとユリスキーはん、あと他数名で、トラップタワーのメンテナンスに行ったらしいんやけど、そんな中で超巨力なモンスターが現れたらしいんや。

老騎士はそのモンスターからトウカはん達を逃がすため、敵わないのを分かっていても、時間稼ぎの殿になったらしい。


老騎士に救われたトウカはんは、ひとしきり泣き叫んだ後、真っ先にダンジョンに向かったらしい。

一部始終を聞いたササラは、なんだか嫌な予感が込みあがってくる。


「どこや!?」


「トウカ様が向かったのは、剣のダンジョンです!!」


「おおきに!!」


トウカはんが向かったダンジョンへ、ササラも走って向かう。


「なんなん、この服!!走りづらいわ!!」


走りづらい和服のスカート部分を破く。

ちょっと破り過ぎてもうて、ササラの足が大きく見えてまう。

周りの不躾な男性冒険者の視線を感じるんやけど、今はそんなこと気にしてる場合やあらへん。

トウカはんが向かったいう剣のダンジョンへ、ササラは一目散に走ります。


トウカはんが向かったんは、王都内にある剣のダンジョン。

ササラの今のレベルじゃ、控えめに言うてもかなり厳しい、推奨挑戦レベル51のダンジョンや。

レベル51の冒険者四人が挑んでも良い、って指標の推奨挑戦レベル51の剣のダンジョンは、補助タイプのササラ一人では厳しい。

勢いのまま走ってきたんやけど、強いモンスターの中から、どうやってトウカはんを探そう…?

向こう見ずで、がむしゃらに走ってきたササラやけど、幸運なことにトウカはんはダンジョンの入り口に腰掛けとった。


「トウカはん!!」


「あぁ?って、ササラか。」


勢いで話しかけたササラに、トウカはんは顔を上げ、いつもの調子でにこりと笑いかけはる。

にこりと笑うトウカはんやけど、見てるササラが辛くなるほど、目の下は赤く腫れとった。笑顔にも、いつもの力が無い。

どう話しかけて良いか分からんくて、立ち尽くしとったササラに、トウカはんが優しく笑うどす。


「ははっ!どったの、ササラ?そんなセクシーな恰好をして?普段と違うササラに、私は大混乱なんだけど…って、まぁ、このタイミングはそういうことだよな。聞いたんだな、師匠のこと?」


トウカはんの質問に、ササラは何を言うて良いか分からんくなり、ゆっくりと頷くことしか出来へんかった。


「なんでササラがそんな悲しそうな顔すんだよ?ササラはそんなに師匠と会ったことないだろ?」


「確かに、トウカはんの師匠である老騎士とは、最初に助けてもろうた日以来、会うてへん。でも、トウカはん辛そうやから…。だから、ササラも辛いねん…。」


「そっか…。ササラは優しいんだな…。」


そう言うてトウカはんは立ち上がり、ササラの頭を撫ではる。

前は平常心を保てないほど慌ててもうたトウカはんの頭撫で撫でやけど、今日は浮かれることなんか出来へん。ササラが、ここまで走って来てまで確認したかったことを聞かなあかん。


「トウカはん、なんで一人でダンジョンにおるんや?まさか、老騎士の後を追おうとしたんやないやろな?そんなん、ササラ許さんで。」


ササラの言葉に、びくっとしたトウカはんやけど、慌てて話し始める。


「いやいやいや、違うよ!そういう目的で私はダンジョンに来たわけじゃない!!」


「じゃあ、どういう目的や?ササラが納得できる理由やろな?」


ササラの言葉に、トウカはんは申し訳なさそうに髪をかいた後、意を決したように、力強く答えはります。


「私がダンジョンに来たのは、強くなるためだよ!」


「強くなるため?」


老騎士の弟子として実力をつけたトウカはんは銅等級冒険者。

青等級冒険者のササラとは(ちご)うて、トウカはんは実力充分や。なんで、今更ダンジョンに潜って強くならなあかんの?

ササラの考えてることは表情に出てたんやろな。ササラの疑問に答えるように、トウカはんは話し始めるどす。


「師匠が殿に残んなきゃいけなかったのって、私の実力不足が原因じゃん?だから、私はこうしてダンジョンに潜ってたんだ。強くなるためにね。でも、やっぱり一人で戦うってのは大変だな。ちょっと疲れたから、こうしてダンジョンの入り口で休んでたんだよ!」


力強く笑うトウカはん。

そのトウカはんの笑い方から、ササラは気付いてまう。トウカはんはササラに弱ってるところを見せたくなくて、強がっとる。

そんなトウカはんの強がりに気付いてしもうたササラは、なんて声をかけたら良いかをポンコツな頭をフル回転して考えはる。

そして、振り絞った頭で考えた言葉を、トウカはんに伝える。


「がんばれ!!トウカはん!!」


いや、がんばれって…。あかんな、ポンコツなササラの頭では、こんな言葉しか出えへん。

自分の語彙力に悲しくなっとると、トウカはんは笑っとった。


「はは、なんだ突然?がんばれ?」


「ササラはトウカはんと一緒に戦う実力がまだあらへん!!だから、ササラに出来るのはトウカはんの応援だけや!!だから、がんばれ!!トウカはん!!がんばるんや、トウカはん!!」


語彙力の無さに、語彙力の無さを重ねてまう。

あまりの語彙力の無さに、トウカはんは神妙な顔つきになってまう。

でも、何かが届いたんやろか?トウカはの表情が少し明るくなった気がする。


「がんばれか…。分かった、がんばる。私がんばるよ。ありがとう、ササラ。」


にこりと笑うトウカはん。

あわあわするササラの肩をぽんっと叩き、トウカはんは闘技場で別れた時のように、手を振り振りしながら、去っていく。


「がんばるって言ったところで、なんだかなーって思われるだろうけど、今日のところは帰るよ。そして、少し冒険者の仕事は休む。師匠が亡くなったショックがあるからかな?うまくモンスターと戦えねぇや。だから、その間はササラが私の代わりにがんばってくれよ。」


力無く歩いていくトウカはんを、ササラは黙って見送る事しか出来へんかった。


後にササラは、この日のことを激しく後悔することになるんどす。

この時、ササラがもっとちゃんとした言葉を伝えられたら。

強がっとったけど、内心では深く落ち込んどったトウカはんの隣に寄り添えたら。

無理して笑うトウカはんの異変に気付くことが出来とったら。

帰ろうとするトウカはんに追い付いて、一緒に並んで歩くことが出来とったら。


ササラが己の過ちに気付くんは、この日から一か月先。

トウカはんが自宅に引き籠るようになってからや。


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