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告白シリーズ・オフシーズン

ごめんね-告白・零-

作者: 付喪の人
掲載日:2017/11/24

成人式の後、同窓会が行われた。俺は、わざと中学校の同窓会に参加した。

中学校・・・。懐かしいな。

今から語るのは、この木下元(きのしたはじめ)の甘酸っぱい初恋物語。



「中学生になったし、彼女とかつくりてぇよなぁ」

そんなだらけたことを友と話す。

今日は中学校生活の初日。

少しばかり、期待しながら登校してきた。

何にかって?もちろん、恋愛だ。

中学生と言えば恋愛というのが俺の持論。

全く、くだらない持論だとは自分で思う。

彼女とかは欲しいのだが、恋愛自体にあまり興味はない。いや、「付き合い」というのが分かっていないだけか。

俺は、そのくだらない持論を掲げて、今日もタイプの女子を探す。

しかし、中々見つからない。

まぁ、当然だろう。

そんなに簡単に見つかるわけがない。

というか、探す方がアホだ。


俺のクラスには不登校の女子が一人いる。

名前は佐々木夏江(ささきなつえ)。

先生の話によると、きっかけが見つからないとかなんとか。

なんとなく嘘っぽい。

別に佐々木さんをバカにするわけではないが、嘘っぽいのだ。

もっと他の理由がありそうなのだ。

本人のところに行って、話を聞いたほうが早いのだろう。しかし、場所を知らん。

まぁいい。


そして、放課後。

外は生憎の雨だ。大雨。

雨の時は気分が悪い。

なんというか、テンションが上がらない。

傘をさして、帰路を辿る。

しばらく歩いていると、視線の向こうに人影があるような気がした。

気のせいか・・・?

多分、女だ。言い方が悪かった、女子だ。

中学生?くらいのロングの女子。

遠すぎてこの位置では分かりにくい。

少し近づいてみるか。(別に怪しい意味ではない)


人影はさっきより分かりやすく見えた。

気づかれないように一応の距離は置いているが。

どうやら、その女子は傘をさしておらず、びしょ濡れだった。

顔を確認してみる。

か、可愛い。

俺のタイプの女子だ。

俺はその時心がときめいた気がした。

すぐにその子の近くに行き、傘を差しだした。

「大丈夫?風邪ひくよ?」

その子は差し出した傘をチラッと見た後、俺の顔を見た。

「ありがとう・・・」

か細い声のお礼が聞こえた。

「優しいんやね」

笑顔でそう言ってきたその子に、

「いやいや」

と返した。

俺の心は踊っていた。

「それじゃ・・・」

ぺこりと一礼し、この場を去ろうとしている彼女に俺は、

「君、名前は?」と聞いた。

彼女は立ち止り、こう言った。

「佐々木夏江」


これが彼女との出会いだった。



俺はその日以降彼女の事が忘れられず、先生に家を聞いて、訪問もしてしまった。

佐々木さんには、色々説明した。

「嬉しいわ、わざわざこんなところまで。

今まで友達とかあまりいなかったから、というか私の事を気にする人はいなかったもの」

佐々木さんとは友達になったらしい。

やった。

その後も色々な話を聞いた。

どうして、学校に来ないのかとか。

本人の口から出た答えは、「きっかけがつかめない」

だった。

・・・・・・・・・・・・・。

まぁいい。



その日以降、俺は毎日佐々木さんの家に訪問し続けた。

佐々木さんはいつも嬉しそうだった。

「佐々木さん、学校に来たら?」

唐突に誘ってしまった。

「・・・元君が一緒にいてくれるなら・・・」


そうして、佐々木さんの学校生活が始まった。


それから毎日、ずっと話をした。

学校でも、家でも。

そしていつしか、俺の恋心は本物になった。


俺は悩んだ。

告ってしまおうか・・・。

でも、失敗してしまったら・・・。

いや、こんな時は。

俺は家の鏡の前に立ち、こう言う。

「自問自答・・・。今の俺に告る勇気はあるか?」

まずはここからだろうか。俺は少し悩み、こう口にする。

「NOだ」

ならば、これならどうだろうか。

「佐々木と友達のままでいいのか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「NO・・・だ」

自分の気持ちに正直になろう。

そして告白をしよう。

夏江に!


後日、夏江を学校の屋上に呼び出して、何の躊躇もなく、告白した。

夏江は少し悩み、NOと言った。


「何故・・・?」

恐る恐る聞く。

「それは・・・」

夏江は理由を言いかける前に倒れこんだ。


俺は正気に戻り、救急車を呼ぶ。


数日後。

夏江は入院した。

もちろん、俺は病院に向かい、面会をしようとしたが拒否された。

拒否され続けた。

どういうことだ・・・?

何故、拒否をする?

そう思いながら、俺は計画を立てた。

潜入する計画を。


時間帯は深夜。バレないように行こう。

潜入には実際成功した。

俺は急いで夏江の病室を探す。

走り続ける。


ついに見つけた。

俺はゆっくりと病室に入る。

夏江は寝ていた。

「これは・・・」

机の上に何枚も重ねられた手紙があった。

俺は手に取り、読む。

「・・・・夏江・・・」

その手紙は俺への恋文だった。

熱烈な恋文。

そこには、告白の答えの理由や実は俺の事が好きだという事や今の自分の体について書いてあった。

「あぁ・・・」

涙が溢れた。


その日は病室に一泊した。



次の日、目が覚めると、夏江も目を覚ましていた。

「バレちゃったか元君」

「うん、付き合おうか。夏江」


その日から毎日病室に行き、夏江を励ました。

「手術はきっと成功するよ」

夏江は生まれつき、心臓が悪いらしく、死期が近くまで来ていたらしい。

手術はきっと成功する。







春、桜が咲き誇る季節。

今、俺の横に彼女の姿はない。

けれど、俺は彼女を愛し続けよう。





__

これが、中学校時代の話だ。

高校に入って、恋愛に興味はなかったが、実際は夏江の事が忘れらなかったからだ。

今は好きな人がいるけれど、ずっと忘れないよ。


夏江、元気ですか?

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