表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/12

山の中⑦

「ーージノてっ…………、」


 初めて聞く名前。

 今、この部屋には3人しかいない。俺、リィーセ、チィーヤだ。

 そうすると、ジノって俺のことを言っているのだろう。

 こっちの世界にくる際に昔の記憶はなくなっている。

 よって、どんな名前だったなんて忘れてしまっている。

 だから、俺の名前がジノだったなんて初めて知った。

 そう、初めてだ。自称妹であるリィーセは俺の名前について何も言わなかった。一週間くらい同じログハウスの中にいるにもかかわらずだ。

 しかも、記憶のない俺に対してお兄様と呼んで兄妹だと思わせようとしてきた。まるで、生まれたばかりの雛鳥に間違った情報を正しい情報だと思わせるように。

 あらためて考えると自称妹であるリィーセは一見何も考えてなさそうだが、実はものすごく腹黒い奴なのかもしれない。


(まあ、リィーセの性格についてまた考えるとして、今考えるべきはいきなりきたお客さんであるチィーヤと呼ばれている少女についてだ)


 まず、チィーヤの容姿は声が聞こえてきたように落ち着いている印象を受ける。歳は俺と同じぐらいで18前後ぐらいに見える。顔は可愛いというよりもどちらかというと綺麗といったところ。胸はリィーセよりもやや大きいか……。身体もリィーセよりも高いかもしれない。

 おそらく、リィーセよりもチィーヤの方が落ち着いて話をすることができそうな気がする。

 あとは、最初になんと言うかだが、相手は俺のことを知っている。きっとここに来た用事の内容も俺に対してだろう。そうでなければ、リィーセとあんなやりとりをしないだろう。

 するとだ。知り合いとして話を合わせるという手もあるが、チィーヤの落ち着いていて落ち着いって話せそうな雰囲気から、正直に話をした方がいいだろう。リィーセとのやりとりでドアを破壊してしまったということに対して一抹の不安はあるが、それはリィーセと昔因縁があったりしてそのせいであんなことをしてしまったのだと信じたい。


「……すまない。俺は今記憶がなくなってしまっていて……、名前も覚えていないんだ、」

「やはりそうでしたか……、先の大戦で私は悪い魔法使いであるリィーセからあなた様を助けに来たのです」






評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ