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山の中⑪

「おいおい、『それでは、さっき提案した内容を二つ組み合わせる、というのはいかがでしょう?』っていったいどういうことだよ……?」


 やな予感しかしないが、放置しておくこともできないから、仕方がなく突っ込むジノ。

 また、しょうもないことを考えているのだろう。


「はい、先ほど申し上げた二つのことを組み合わせるのです」

「組み合わせる?」

「はい、どのようにかと申しますと……、とても恥ずかしいので、実際に取り掛かってもよろしいでしょうか?」


 と、言いながら勝手にドレスを脱ぎ出そうとする少女。

 とても白い肩の肌があらわになってくる。

 上質な黒いドレスを着ていることもあり、とても艶かしい。

 だが、案の定変な方向に向かっていると思ったジノは、


「いや、待て!」


 と、やや慌てながら言う。

 すると、少女は、うふふっ、と軽くて笑顔を作り、


「とても残念ですわ」


 と、子供っぽく拗ね、


「もう少しで裸のわたくしを抱いて……、でわございませんでした。

 裸のわたくしをジノ様の両腕で拘束していただくことができましたのに……、」

「リィーセとチィーヤが近くで魔法戦をしているなか、よくそんなおかしなことを考えることができたな?」

「常にわたくしはジノ様のことを考えておりますので……、おのぞみとあればさっき申し上げた以上のこともなんなりと……、」


 などと言いながらスカートをたくしあげようとする少女。


「いや、やめてくれ。

 今はそんな状況ではないんだ」


 と少女をとめるジノ。


「そうでございますかぁ〜。

 とても残念でございます」

「ああ、わかったら帰ってくれないか?」


 ジノは少女をかまっている場合ではない。

 ずっと魔法戦を繰り広げているリィーセとチィーヤのことをとめたい。

 二人の魔法戦のせいで、ログハウスがあった場所のまわりはすでに山火事になっていて、もとの様子をうかがいしれなくなっている。


「わかりました、ジノ様。

 それでは、わたくしと一緒に古城へ帰りましょう」




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