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定期的更新という病

 もうだめだあ。おしまいだあ。PVはがた落ちするしユニークPVはもっとがた落ちするんだ。ネットに埋もれて終わる!

 散らかった部屋でパソコンに向かって嘆いているのは冴えないサラリマン、趣味が小説のネット連載である小 説夫しょう せつおだ。

 インターネット小説連載の世界においては、定期的な更新、およびその時間帯がPV稼ぎに重要と言われる。ほとんどの小説家はブッダやナザレのイエスめいた思考はしていないため、やはり書くからには多くの人に見てほしい。「誰か一人にだけ、感動してもらえばいいや」という考えはインタアネットに押し流されたのだ。理想は毎日更新、時間帯は通勤時間帯の7-9時、昼休みの12時、ホワイト企業勤務のサラリマンが帰宅する20-24時のうちのどれかが理想とされている。

 もちろんそんなことができる人はニートか、凄まじい強靭な意思の持ち主だ。リアル事情、つまり残業とか病気とか疲労とか煩わしい親戚のなんとかとか、そういうのは連載の事情に関係なく押し寄せるし、これに勝つには書き貯めしかないが、そもそも終わるまで書き貯めしておれる意志の強い人は小説賞に応募する。つまり打つ手なし。

 「どうすっかなあ.....とりあえず〇witterするか」

 なんたる!彼は宣伝のために始めたT〇itterにドはまりしてしまったのだ!彼がツイートした文字数を合計すると中編小説を完結させられるぐらいの量にはなるのだが、彼は気づいていない。ちなみに、彼はTw〇tterは毎日定期的に更新している。

 そんなあきれ切った彼に、なぜか天は薬をくれたらしい。

「ん......?レビューがついてる!」

 それは彼にとって初めてのレビューであった。捨てる神あれば拾う神ありとはよく言ったものである。作者という生き物はだいたい、レビューか星をもらったらテンションが上がってそのほかのことはどうでもよくなる。普段レビューをもらえない人種であればなおさらである。

「よっしゃあ今日はすき焼きだ!ずんどこずんどこ!よいしょよいしょよいしょよいしょ!」

 興奮しすぎて踊りながらスーパーに行った彼が変質者として通報されたのは別のお話。とかく物書きの病に効くのはレビューであることだなあ。

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