present.
今日は12月24日。クリスマスイブだ。
私は、この冬で彼氏いない歴2年になろうとしている高校2年生である。
学校まで続く遊歩道の桜並木は葉がすっかり抜け落ち、裸になっている。
私の通っている学校は音楽科のある女子校である。
「言葉ー‼︎おはよっ‼︎」
と元気よく話しかけくる友人の優希。
「昨日のテレビ見た?」
「うっ…うん。」
私は素っ気なく返してしまった。
「どうしたの?」
優希が聞いてくる。
「なんでもないよ。」
今日の私は調子が悪い。というのもある事が脳裏を過っているのだ。
中3の冬ちょうど今の時期にいた初恋の相手の事である。卒業を間近に控えた2月にその彼は引っ越してしまったのである。場所はわからないが遠くに…
そんな事を考えていたらあっとゆう間に1日が過ぎてしまった。
いつもの様に駅までの遊歩道を歩いた…
「あ〜っ。ここも2人で通ったけっ…」
物思いにふけって駅まで歩いた。
まだ電車の発車時刻まで時間がある。
私はベンチに深く腰をかけた。マフラーで口元に覆い隠すようにまき直し少しの間、目を閉じていた…
「…っいません。すいません‼︎」
私は目を開いた
「手袋落としましたよ。」
「ありがとう…ございます…」
どこかで見た顔…
「あっ‼︎」と声が出た時には彼の姿はなかった…初恋の人だ。
間違いなく私の脳裏を過る…あの彼だ‼︎間違いない‼︎
この際電車はどうでもいい。早く、早く‼︎彼のところに‼︎
クリスマスイブで賑わう人混みを猛ダッシュで駆け抜けていった…
だいぶ駅から離れた所の大きな木のある広場。綺麗に装飾なされている大きな木はイルミネーションの電球でチカチカしている。
私は周りをキョロキョロと見回す…
やはりいない。悲しい…涙が立ち込めてきた…
「ありがとう。大好きだったって伝えたかった…」そう小声でつぶやき、叶いもしない願い事を唱えていた。
「もう一度彼に会いたい。」
2、3分立ち尽くし、諦めも着いたのか駅へトボトボ歩いて行った。その時、
後方からダッシュで彼が走ってきた。
私は嬉しさのあまり歩くのをは早めてしまった。
「待って‼︎」
彼が私の背中に触って
「ずっと探してた。また会えたね。」
私は
「ずっと待ってたんだから…」
とつぶやき彼の首元に飛びついた…
そして、2人はその場で過去の事を補うかの様にきつく抱きしめあった。