彼はなにを思い飛ぶのか?
白夜の様な明るさ
だけど星に手が届きそうな星空
月より一回りでかい天体
風に伸ばされていく雲
あたり一面は青い草
緩やかな起伏の上を進むボク
その横を歩くキミ
僕の大事な人
はかない空想からの覚醒。
薄暗い空の中を飛んでいる。この薄暗い感じがボクは異様に好きだ。こころが落ち着く。
だからこうして、自分の目でみるためにHMDを跳ね上げ裸眼で飛んでいる。
目の前には衛星にしては大きすぎる天体が見える。もう一つの世界。双子の惑星。その傍らをボクは一人で飛んでいる。
強い光。地平線と水平線が混じりあった場所から陽が昇ってくる。まぶしさのあまり目を閉じる。
「そんなに空が好きなら空と結婚すれば良いじゃない!」
そう言いながら立ち上がりレストランの出口に走っていくキミ。手を伸ばすボクだが届かない。キミの頬には一筋の涙が光っていたような気がした。
そうあの時もっと速く動いていれば。キミをとめられたのかもしれない。ボクが速く強かったらよかったのに。
もっと速くもっと強く…。