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第71話 くんずほぐれつ

 魔法武闘大会も二日目だ。

 ガイはどんな手でくるのかな。

 待合室で試合を待っていたら、知らない生徒からメモを渡された。

 メモにはロイドを返して欲しくば来いというものだった。


 ロイドの奴め、誘拐なんかされるなよ。

 まったく情けない奴だな。


 幸い試合時間までは間がある。

 助けに行ってやらないと。


 指定された場所は学園の倉庫だった。

 行くと倉庫の真ん中に椅子が置かれ、ロイドが猿ぐつわされ縛られて座らされている。


「むー、むー」

「言わなくても分かるよ。罠があるって言うんだろ」


 魔力感知で床に呪いの罠が沢山あるのが分かった。

 もちろん解除して近づく。


 ロイドの猿ぐつわを取ろうとした時。


「今だ。一斉にかかれ」

風の刃(エアカッター)

炎の矢(ファイヤーアロー)

氷の槍(アイスジャベリン)

石弾(ストーンブリット)


 魔法が雨あられと降りかかるが、こんなの色魔との戦いに比べたらぬるい。

 秘孔魔法・霧散拳で蹴散らす。


 魔法を撃った者を見るとみんな生徒だ。

 これじゃ殺せないな。

 秘孔魔法・金縛り拳で一人残らず金縛りにしていく。


 どうせ金につられて加担したんだろうな。

 ロイドの猿ぐつわを取る。


「魔道具の爆弾が」

「何っ」


 椅子の下に魔道具が張り付けてある。

 俺は魔力の流れを断ち切った。


 金縛りになっている生徒にも同じ魔道具が付いている。

 俺は解除して回った。


「同志ヒロ、ありがとう」

「どうせ美女に釣られて誘拐されたんだろう」

「そうなんだよ。あの女。良い事しましょなんて言っておきながら、触らせてもくれなかったんだ」


「何もしないのに女が誘ってくるなんて事があったら、罠だと思った方が良い」

「怪しいとは思っていたんだ。でも、誘惑には逆らえない」


「パートナーが居ないから余裕を持てないんだ。そうだ、女を紹介してやるよ」

「ありがとう。助けて貰えたのより数百倍うれしい」

「試合が終わったら会わせてやる」


 俺は後をロイドに任せ、待合室に戻った。

 試合はサクッと終わった。

 3回戦、4回戦を勝ち抜き、ベスト8に残った。


「待ちくたびれたよ」

「待たせたな。行こう」


 俺はロイドを百合の花園の部室に連れて行った。


「トニア、彼氏募集中の部員は居ないか?」

「それなら何人かいますよ」

「早く、早く」

「焦るなよ。逃げはしない」


 3人の女の子が連れて来られた。


「質問いいですか」


 その中の女の子の一人が手を挙げてそう言った。


「何でも聞いてくれ」

「年収はどれぐらい?」


「ぐっ、年収はありません」

「それじゃあねぇ」

「年間で金貨100枚はいかないと」

「そうよねぇ」


「成績は?」

「中くらいです」


「取柄がないと」

「せめて成績ぐらい良くないとね」

「顔もいまいちだし」


「取柄はあります。性欲なら負けません」

「年頃の男の子なら枯れている方が少ないでしょ」

「そうね。アピールポイントとしてはちょっとね」

「それは最低限よ」


「師匠、この方は駄目そうですね」

「うん、俺もそう思う」


 ロイドの得意技は覗きだもんな。

 これで身を立てるのは難しそうだ。


 ロイドを小突いた。


「後で桃源郷を見せてやる」


 俺は耳打ちした。

 しょんぼりしていたロイドに生気が戻る。


 俺達は百合の花園が使っている部室の裏手に回った。


そよ風(ブリーズ)振動刃(バイブブレード)


 そよ風の錐が穴を開け始める。


「ふっふっふ。同志ヒロよ、のぞき穴を開けるつもりだね」

「イグザクトリー。さあファイバースコープを通すんだ」


氷の針(アイスニードル)水晶の針(クリスタルニードル)。見えるぞ、見える。女の子たちがくんずほぐれつしているのが見える。同志よ、肩をを叩くなよ。もう少し見たら代わってやるから。くどいぞ」


「あなたは……」

「同志ヒロよ。狼狽えた声を出してどうしたんだ」


「性被害者会よ」

「ひえっ」


 ロイドが振り向き固まった。


「ロイドさん、イエローカード1枚です。ヒロ、あなたもイエローカードです」

「ちくしょう。神はいないのか」

「なんでここに」

「ここは覗きが集まる所ですから」


 あーあ、絶好の覗きスポットだと思ったんだけどな。


「ロイド、腐るなよ。ストリップバーで好きなだけおごるからさ」

「ほんと。よし、飲んでやる」


 ストリップバーで残念会となった。


「ロイド、なんか得意技を作れよ」

「うーん、戦いは得意じゃないし。エロが絡まないと、いまいち真剣になれない」

「とにかく考えろ」

「俺は何にも取柄のない駄目男なんだー」


「いらっしゃい」

「マリアンヌ、こいつにパフパフしてやってくれ」

「いくらくれるの?」

「金貨1枚でどうだ」

「いいわよ」


 ロイドはパフパフされて元気になったようだ。


「やっぱり、金なのか」

「そうだな。金は大事だ」

「俺、密偵になる」

「どうしてそういう思考になった」

「グラスファイバーを使えば、小さな穴があれば覗ける。それにスパイってもてるかも。金も良いっていうし」


「あら、坊や。密偵になりたいの」

「うん、やりたい」

「やめときなさい。ろくな死に方できないわよ」


「そうだな、マリアンヌの言う通りだ。それより浮気調査なんてどうだ。映像記録の魔道具もある事だし、覗きのテクニックと併せれば成功間違いなしだ」

「他人の濡れ場を拝見するのは良いかも」


「マッサージ屋で依頼を受付しろよ。生徒なんて色恋が盛んだから依頼で溢れかえるぞ」

「やる。浮気調査が天職に思えてきた」


 ロイドの取柄も見つかったし、これでロイドにも運が向くかも知れない。


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