第58話 トロっとするまで
うほっ、オークションで俺の垂涎の的が出品された。
それは、神の魔導書。
神の魔導書は余白がなくても魔法を覚えられる。
ただし使い捨てだ。
神の魔導書の作り方は分かっていない。
普通の魔導書を作っていると突然出来るらしい。
「次の出品は生水魔法の神の魔導書。最低価格金貨100枚からです。あれっ、札が上がりませんね」
ノルド老にお願いして札を上げてもらった。
最後に勝ち抜けする予定だったが、予定変更だ。
「69番の方の代理人はリングにどうぞ」
俺はリングに上がった。
「挑戦者はいませんか」
あれっ、生水魔法の人気がない。
余白なしに水が出せるようになるんだよ。
凄いじゃないか。
最下級魔法だけども。
「挑戦者が決まりました。19番」
頑張っちゃうぞ。
挑戦者がリングに上がる。
「先手は譲ってやるよ」
「小僧、生意気だな。いつまで減らず口を叩けるかな。石弾」
秘孔魔法・霧散拳。
「魔法を放って、俺の魔法を消したな。魔力感知で見え見えだぜ。消去魔法と無詠唱魔法の組み合わせか。なら余白が無くて神の魔導書が欲しいのも分かる」
「御託はいい。掛かって来い」
「身体強化」
「秘孔魔法・爪死弾」
そよ風の爪が秘孔魔法・霧散拳を発動させる。
身体強化の魔法が霧散して、続いて秘孔魔法・金縛り拳が炸裂。
「くそう、拘束魔法か。降参だ」
勝ったな。
「次の挑戦者はいませんか。いないようですね。金貨150枚で落札です」
ふひひひっ、水魔法は役に立つんだ。
そよ風も良いが、水も良い。
明日から特訓だ。
おっと、アイナのお土産は何が良いかな。
カタログを見ると大王貝の真珠のペンダントがある。
これにしよう。
真珠のペンダントの出品になった。
流石に人気らしくて、いくつも札が上がる。
現在、価格は金貨450枚だ。
札が上がらなくなったので、ノルド老にお願いする。
「挑戦者は69番です」
俺はリングに上がった。
「消去と無詠唱の使い手か。腕が鳴るぜ」
「ちゃちゃっと終わらせたい。掛かって来いよ」
「風の刃。どうだ見えんだろ」
いや、魔力感知で見えているけどもな。
「それがどうした」
秘孔魔法・霧散拳。
「貴様も魔力感知を鍛えているのか」
「まあ基本だろう」
「拘束」
秘孔魔法・霧散拳で魔法を消した。
「これも駄目か。降参だ。勝てる手が見つからない」
「そうだな。俺の攻撃スピードを超えられる奴じゃないとな」
「挑戦者、居ませんか。では675枚で落札」
もう、用は済んだな。
「ノルド老、金貨100枚はマナ・ポーションの売り上げから引いて置いてくれ。じゃな」
学園に帰ると寮の部屋にアイナが尋ねて来たので、真珠のペンダントを渡す。
「嬉しい。掛けて」
「うなじってエロいよな。何でだろう」
「何、馬鹿な事を言っているのよ」
ペンダントを掛けてもらったアイナは満面の笑みだった。
「綺麗だよ。ペンダントに負けないぐらいだ。裸ならもっと綺麗だ」
「一言、多いのよ。お礼よ」
キスしてきたので、舌を入れ胸を揉みしだく。
「もう、いけない手ね」
手をつねられた。
アイナを部屋に招き入れ、神経に快感を与える。
ビクンと硬直して崩れ落ちた。
「おっと」
慌てて抱きとめる。
アイナをベッドに寝かし、生水魔法の訓練に入る。
「生水」
コップに水が入る。
俺の推測が正しければ、こういう使い方も出来るはずだ。
「生水」
コップに水が溜まる。
飲むとほのかに甘い。
やっぱりだ。
生水は水蒸気から水を集めているんじゃなくて、空気中の元素から水を作っている。
という事は、窒素化合物も作れたりするのか。
窒素化合物で有名なのはアンモニアだな。
「生水」
この小便臭い匂いはアンモニアだ。
「生水」
炭素からダイヤモンドを合成しようとしたが駄目みたいだ。
液体に限るのだろう。
そうなると、石鹸水とでんぷんローションだな。
石鹸とでんぷんローションは俺の家計に優しい。
マッサージ屋で使っているからな。
まだ特訓したてだから純度が低い。
砂糖水なら激甘の奴が作れるようにならないと。
全裸のアイナにでんぷんローションを塗りまくるんだ。
アイナを見ながらその姿を想像して、でんぷん入りの水を作る。
寝顔を見ていると特訓にも身が入る。
魔力ならいくらでもあるんだ。
トロっとするまで生水を唱えるぞ。




