第32話 色々と色事
売人をぶちのめす前に聞いておきたい事がある。
「合言葉は色魔教団の匂いがするんだが、関係あるのか」
「なぜそれを」
「こいつ怪しいぜ」
「そうだな。捕まえて吐かせよう」
麻薬は色魔教団の資金稼ぎだったようだ。
詳しい事は、こいつらをぶちのめして、聞き出せば問題ない。
秘孔魔法・強化点穴、発動。
続いて。
「ふおおっ、秘孔魔法・滅魔点穴」
先手必勝とばかりに奴らの秘孔をお触り魔法と素手で突いてやった。
手が6本あると仕事が早い。
奴らの魔力が抜けていく。
「拘束。なぜだ、なぜ魔法が発動しない」
「どうやら、魔法を無効化されたようだ」
「なら、身体強化」
男達は身体強化を掛けたが、失敗しているのに気がつかないんだろうな。
殴り掛かってきた。
俺は秘孔魔法・強化点穴で強化されているので、素の人間などものともしない。
部屋は男達のうめき声で一杯になった。
モーラに連絡して男達を連行してもらう。
「どうだ、何か分かったか」
俺はモーラ邸の執務室でモーラに話し掛けた。
「幹部の人間が何人か判明いたしました」
「そうか、俺の出る幕はもうないようだ」
「麻薬の常習者を見分けられるのですわね?」
「まあな」
「常習者も根こそぎ逮捕してしまいましょう」
「仕方ない。首実検してやろう」
冒険者ギルドに行き、常習者を見つけ、モーラに伝えた。
常習者に魔法封じの手枷が掛けられる。
「モーラ、魔法封じの手枷がほしい」
「あれは大して役に立ちません事よ」
「欠点があるのか」
「欠点というか、あれは呪物ですわ。逮捕者に応じた物をその場で作らないといけません」
「髪の毛なんかを採取して、作るんだな。じゃ、魔法封じの呪いが必要なのか」
「必要なのは血液と特殊な木と呪いですわ」
「俺に使えないのが、よく分かったよ」
ちぇ、上手くいかないな。
秘孔魔法で石化は再現できたよな。
魔法封じもできるかもな。
枷を掛けられた人の魔力の流れを見る。
魔法を発動させる魔力の流れが滅茶苦茶になっているのが分かる。
そうやるのか。
俺は悪戯心でモーラに魔法封じを掛けた。
魔力の流れが乱れる。
「モーラ、魔法を使ってみてくれ」
「風の鞭、できませんね。何かしました」
「ふふふっ、魔法封じを掛けてみた」
「反撃できないようにして、悪戯するつもりですわね」
「悪戯してもいいかい。そうでないと魔法封じを解いてあげないかも」
「そんな意地悪を。人目のある所はいやですわ」
「そういう場所の方がスリルがあるんだ」
お触り魔法で色々と色事。
「あっ。ひうっ。我慢の限界ですわ。ちょっとそこのあなた。わたくしに解呪を掛けて下さる」
モーラの部下の男性が寄って来た。
「はいただいま。解呪」
「ふふふっ、よくもわたくしに魔法封じを掛けてくれましたわね」
「あれっ、魔力感知が切れた。ちょっと待て、ほんの悪戯心だったんだよ」
「風の鞭ですわ」
「魔力感知。くそっ、発動しない。呪いを返された」
びしばしと風の鞭で叩かれた。
「痛っ、あばばばば。ちょっと待って。ちょっと」
「問答無用。風の鞭」
「うごっ、ががががぁ」
「止めの風の槌ですわ」
「うがぁ」
ちくしょう、反撃できない。
俺は気絶した。
起きたらモーラ邸の俺の部屋にいて、ベッドの上だった。
寝てる間に、回復魔法を掛けられ、解呪されていたようだ。
元に戻っているのを確かめ、ほっと一息。
魔法封じは駄目だな。
返されると大打撃だ。
呪いは危険なのが沢山ある。
使用には細心の注意を払わないと。
石化に呪い返しがないのがありがたい。
魔法封じするなら、喉を麻痺させて詠唱できなくする方が、手っ取り早い。
秘孔魔法の呪いでも返しが発生するんだな。
呪いを再現したのだから当たり前か。
効果だけ欲しいが、無理なようだ。
それより、色魔教団だ。
俺が倒したボスは支部のボスだったらしい。
麻薬の方は全国規模で規模が大きい。
学園にテロを仕掛けるのとは桁が違う。
一介の学生が気にする事でもないか。
だが、学園とルドウィンに手が伸びて来た時は容赦はしない。
アイナとモーラの居場所は守る。
自分ではなく、アイナとモーラの胸に誓った。




