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第31話 頭隠して尻隠さず

 しばらくして、国から怪力ポーションを麻薬認定する通知が届いた。

 届いたのだが、怪力ポーションの副作用と思われる魔傷を持った患者が、相変わらずやって来る。

 一度、楽を覚えてしまうと人間はなかなか元に戻れないらしい。

 普通のパンチやキックが必殺となるから、重宝するのも仕方ないのかもな。


「あんた、麻薬やっているだろ」

「何故それを知っているのよ」

「見りゃ分かる」


「なによ、告げ口する気。あんただって怪しいマッサージ店なんか開いちゃって。こうしてやる」


 マッサージ客の女生徒は俺の仮面に手を掛けると剥いだ。


「あんた、ゴキブリローパーだったの」

「言っとくが俺は女生徒には触ってない」

「どうだか。被害者会の会長を呼んで来るから待ってなさい」


 めんどくさい事になった。

 魔法では触っているんだよな。

 前の判決では許可なく触ると去勢だったっけ。

 治療の許可は取っているが、実にめんどくさい。


「訴えがあったので来ました。話はここに来る途中に聞きました」

「俺は女生徒には触ってない」

「そうでしょうね。マッサージとは言え、男性に触らせるとは思えません」

「この男、やましいから、仮面を被っていたのよ」


「このマッサージ店は良く効くと評判です。秘訣はなんですか」

「それは言えないな。企業秘密だ」


「仕方ありません。一つずつ方をつけましょう。まず麻薬を使ったあなた、学園に報告します」

「なによ、ゴキブリローパーの味方をするわけ」

「いいえ、王国の法に従っているだけです」

「そんな」


 女生徒は崩れ落ちた。

 停学は決定だな。

 自業自得だから仕方ない。


「ではヒロ、あなたは本当に触ってないのですか」

「触ったよ。魔法でな。でもエッチな事はしてない。信じてくれ。治療に必要だったんだ」

「それは認めます。知っていますか。麻薬の副作用で廃人になった方は学園に一人も居ません。あなたのマッサージがもたらした効果の様です」

「そうだったんだ」


「あなたの罪を四割ほど許します。魔法で触られても邪な気持ちで触られれば気づきます。訴えがないので無罪なのでしょう。今後は仮面をとって営業しなさい」

「そうするよ」


 秘孔魔法・強化点穴は怪力ポーションに性能で勝てるが、手軽さで勝てない。

 値段が安いので休みの前は大人気になるけど。


 魔傷を治す何かが作れれば良いんだが、生産職って訳ではないしな。

 方法は皆目見当がつかない。

 俺が考える事でもないような気がする。

 国の方でも何か考えているだろう。


 モーラが駆け込んできた。


「大変ですわ。ルドウィン領に麻薬の密売人が入って来たという報せを、たったいま受け取りました」

「何とかして欲しいんだろう」

「はい、お願い致します」


 可愛いパートナーの頼みだ。

 貸しでもないのに取り立ててしまったのがあった事だし、解決してやろう。

 売人程度なら軽く捻れるはずだ。


 週末、ルドウィン領に飛ぶ。

 さてと、どこから手を付けよう。

 顧客は冒険者が多いからギルドかな。


 でも法律違反の情報を漏らしてくれるとは限らない。

 俺はギルドで魔力感知の目を凝らして魔傷の酷い冒険者を探した。

 居た。

 女冒険者だ。

 俺は隠蔽魔法を使って尾行を始めた。


 女は歓楽街に入っていった。

 娼婦が際どい恰好をして男を誘っている。

 女には縁のない世界だな。

 百合趣味とかなら、ありえるかもだけど。


 俺は女冒険者を見失わない様に細心の注意を払った。

 女冒険者は連れ込み宿に一人で入っていった。


 廊下には女の嬌声が部屋から漏れている。

 女冒険者はある部屋の前に立ってノックした。


「交合は神の祝福」


 女冒険者が合言葉みたいな物を言う。


「入れ」


 ここまで分かればもう良いだろう。

 俺は出直す事にした。


 時間を少し潰して、問題の部屋の前に立つ。

 思考加速やお触り魔法などをあらかじめ発動して、ノック。


「交合は神の祝福」

「入れ」


 ドアを開けて中に入ると屈強な男達が俺を睨んでいた。


「初めて見る顔だな。どこでここの事を聞いた?」

「冒険者ギルドでだ」

「ほう、見たところ学生の様だが」

「それより怪力ポーション、あるんだろ」

「銀貨5枚だ」


 ふっ、証拠は押さえた。

 後はこいつらをぶちのめすだけだ。


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