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第28話 百合の花園

「ヒロ、トニアという女の子に変な事を吹き込んだでしょう」


 アイナにそう言われた。

 そう言えば気持ちよくなりたいと言って来た女の子が居たんで、そよ風と振動刃の組み合わせを教えてやった。


「トニアがどうしたんだ」

「エロ魔法を布教してるのよ」

「布教しているのか。俺には関係ない」

「百合の花園という秘密クラブを作っているらしいわ」

「ほう素晴らしいではないか」


 百合も見てる分には良い。


「やめさせて。風紀を乱す大本があなたなんて知れたら、悪評がさらに酷くなるわ」

「話を聞いてくる」


 誰にも迷惑を掛けてないんだったら良いんじゃないのか。

 トニアの部屋の前に立ちノックする。


「はーい、あっ師匠。エロ魔法の研鑽は進んでます」

「百合の花園っていうのを作ったんだってな」

「ええ、不味いですか」


「俺としては不味くないけど、噂になっているぞ」

「なら口出しは無用です」


 こういう時はイメージ戦略だな。


「密やかにやるのが間違いなんだ。あけっぴろげにやれよ」

「そんな事をしたら不味くないですか」

「魔法でストレス発散をキャッチコピーにして、振動刃でモンスターを狩りまくれ」


「じゃ、エッチな事は禁止ですか」

「それは訓練と称してやれ。振動刃の自主練だ。文句を言って来たら、体で覚えるのが上達が早いとかなんとか理屈をこねるといい」

「やってみます」


 狂ったように自主練に臨む女生徒達の姿が脳裏に浮かぶ。

 良きかな、良きかな。


 俺も訓練しないとな。

 週末、アイナとルドウィン領に飛んだ。

 モンスターを狩る為だ。

 目的は4つの手の扱いに慣れる事。


 今、ルドウィン領は安心安全と言われて商人の行き来が盛んになっている。

 問題は狼系のモンスターの出没だ。


 これを狩る事にした。


「おびき寄せる為の匂い玉は持ったか」

「ええ、ストレージに入れてあるわ」

「よし、出発だ」


 匂い玉を森で出す。

 ほどなくして遠吠えが聞こえてきた。


「来るぞ。近づいている」

「分かったわ」


 俺はそよ風の手を4つ展開して待ち受けた。

 赤毛の狼のモンスターが姿を現す。

 レッドウルフだな。

 大型犬ほどの大きさがあるので、迫力がある。


 お触り魔法を接近させる。

 秘孔魔法・金縛り拳を打ち込んだ。


「キャイン」

「止めを頼む」


「分かったわ。氷の槌(アイスハンマー)


 レッドウルフがミンチになる。

 これが合図になってレッドウルフの群れが俺達を取り囲んだ。


 秘孔魔法・金縛り拳。

 次々にレッドウルフが麻痺していく。

 群れの大半を始末した時に牛ほどのサイズのレッドウルフが現れた。


 俺はお触り魔法を走らせる。


「秘孔魔法・金縛り拳。くそっ何で当たらない」

氷の槌(アイスハンマー)、こっちも駄目」


 ボスレッドウルフはお触り魔法を避けた。

 アイナのアイスハンマーも避けられた。

 アイナのは大技だから、これは仕方ない。


「危ない」


 俺はボスレッドウルフに足を噛みつかれた。

 秘孔魔法を打ち込もうとしたが、ボスレッドウルフは即座に離れた。

 ちっ、勘のいい奴め。


 慌てて回復・ポーションを飲む。

 血が止まったが、痛みは引かない。


 仕方ない切り札を切るか。


思考加速(オウトアクセル)


 今度こそ。


「秘孔魔法・金縛り拳。くそっこれでも駄目か」

氷の槍(アイススピア)


 アイナの魔法で地面から氷の槍が生えた。

 アイナはこれで陣地を作るつもりらしい。

 防御に心配が要らないのであれば攻撃に専念できる。


 ボスレッドウルフとの攻防は30分にも及んだ。

 疲れが見えたボスレッドウルフに、秘孔魔法・金縛り拳を打ち込んで勝負はついた。

 うん、修行が不足しているのは分かる。

 でも魔法はもう覚えられない。

 ボスレッドウルフが特別早かったというのは分かる。

 分かるが、どうにかしないと。


 それから週末が来るたびにルドウィン領で狼系のモンスターを狩った。

 4つの手を操るのには慣れたが、ボスクラスは苦戦する。

 根本的に何か考えないといけないな。

 やっぱりエッチな修行じゃないと身が入らん。

 好きこそ物の上手なれだ。


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