最終章 5.
5.
『 間に合ったか』 『 大尉……すまない』
『大尉(上尉)』、それはこの部隊の指揮官であり、4人組に因縁のある男だった。
尤も4人からしたら
「あーなんかすごそうなのが来た」 「This is インファイトフレーム。というか、全然国籍ハイドしてない」
「民生品も最近は流通してますです。でもベースは必要ですから」 「こういうの見ちゃうと自衛隊のRCCライフルが欲しくなってくる」
「「「『部長』? RCCライフルいくらかかるかわかってますか?」」」
なんか冒険部4人組にとって、『大尉』は特別記憶に引っかかる男ではなかったらしい。まぁ、インファイトフレームという人型ロボット兵器もどきを使用しているので
肝心の『大尉』の顔形とかよくわかんないし。
ただし、そんな様子が配信にリアルタイムに映っているということを彼らはちゃんと意識するべきだった。
【特命野郎Bチーム!】
えっと、お知り合い?
【地対艦ミサイルを撃ちたいさん】
待て待て待て、中華の黒山の最新機種じゃねえか!! えっ、見たことない機構がついてるんだけど!? D型の新機種か?
【「ベンさんがいく」好き@推しキャラはCちゃん】
えっ、何、どういうこと? AI捏造ってどっからどこまで??
「えーと、翻訳アプリ起動して……これって日常会話は問題ない奴だよね?」 「翻訳レベルは3なので、問題ないと……思いますが、正直無料アプリだから実際はレベル2くらいだと思うです」
何やら冒険部4人組は、やってきたインファイトフレームより、目の前のスマホをポチポチといじることを優先している。
『 舐められてるな』 「【別に舐めてないよ】、うん! ちゃんとアプリは機能してるね!」
会話は、
『 いや、舐めている。この兵器を見てもお前らは逃げるそぶり一つ見せない。舐め切っている』
「そう思うなら、どうするの?」
銃声と共に打ち切られた。
51口径と俗称で謡われるタイプの12.7ミリの銃声だった。重機関銃を接続して2連装にした12.7ミリが火を噴く。
「 そ れ ほ し い !! 」
なんかそんなことを大声で主張しながら、『部長』はいつの間にか銃口の矛先にいなかった。
すぐ目の前にいる。
二連装重機関銃が再び火を噴く。そして、熱量が周囲に飛び散る。
Tips:『スキル:HEATブースター』……HEAT効果を増強させる。HEAT効果の無い弾丸の類いでも強制的にその効果を持たせるが、極めてエネルギーの無駄でもある。消費MP5
『部長』が使用する。
今回、『部長』は、『空気』に適応させ、後は薙刀で12.7ミリの銃弾を焼き払った。空気がメタルジェット現象を起こして……いや、空気がメタルジェットとか何してんだこいつ。
『 50口径を防いだ程度でぇぇえええ!!』
巨大な斧が振り下ろされ、3発のシェルショットが炸裂、ガス圧が斧の破壊力を増幅させる。
大地に大きなひび割れ、再び振り上げて落とす。続いて第2陣となる3発のシェルショットが炸裂し、新たな破壊を生み出す。
「そいつは、知ってる。3回目はマグチェンジしなきゃ出来ない」
『部長』がそんなことを言いながら、斧を持つ鋼鉄の腕に立つ。その両手には7.62ミリライフルのダブルバレル。
引き金を引いたのは、双方。
7.62ミリが同時に2発飛んでくるが、インファイトフレームはそれに耐えうる存在だ。だから、『部長』の銃撃は見る人が見たらただの無駄遣いでしかない。
でもそれでよかった。2連装重機関銃の銃口から飛び出した12.7ミリは明後日の方向へ飛んでいく。部長のライフルの方が一瞬早かったから、7.62ミリが当たってぶれた。
Tips:『収納箱』……『部長』が使用するスキル。いわゆるアイテムボックスに相当するが、その容量は家庭用冷蔵庫程度。銃火器で大部分が埋まっている。
布だった。防弾繊維の布が広がって、インファイトフレームのカメラがすべて使い物にならなくなる。目の前が見えなくなる。
『赤髪』を無力化したときの技だ。わかっていれば対処法はたやすい。排熱機構を動かして、逆に空気を噴射する。全身から吹き出る風が布を弾き飛ばして
『 どこにいった?』
4人組の姿が見えない。
【特命野郎Bチーム!】
インフレスーツとやり合うとかまともじゃねーわ
【地対艦ミサイルを撃ちたいさん】
いや、そもそもなんでPRCの最新兵器らしきものが当たり前に出てくんだよ
【「ベンさんがいく」好き@推しキャラはCちゃん】
あの……これAI捏造って本当ですか? すごくマジに見える
【Ko-no-za-ma】
赤い髪の人、なんか雑にやられてたけど、絶対強い人だよな?
スマホ片手にカメラドローンを操り、押し寄せてくるモンスターの群れを確認してた『オキタ』は考える。
(これ、順番を間違えると破綻するな)
ある個所のモンスターを一時的に駆除したとする。が、別の個所のモンスターがあふれて結局もとに戻る。
まだ機能している防衛設備を守るか、それに任せて別の個所で活動するか。
ただ、一つだけ言えるのは
「インフレスーツ相手は弾が無駄遣いよね」 「やっと気づきましたか!? 『部長』! いや、あなたは誰です!?」
「『いちちゃん』!? 私は私だからね!」
4人組はインファイトフレームから200メートルほど離れた岩陰にいた。
仕切り直しだ。何故か。
「うーんすぐにバトったから、弾薬の補充が十分に行えなかった」 「インフレスーツが出てくるとは思ってませんでしたよね」
後ろから襲ってくるゴブリンを見ることなく『関西』が日本刀で斬首している。
押し寄せてくるモンスター事態は健在だ。
仕切り直しにしても邪魔が入るし、こんなことをしていればそのうちインフレスーツ――インファイトフレームのこと――の大陸傭兵隊長さん(大尉のこと)に気づかれる。
ロケット弾が隠れている岩陰に撃ち込まれた。
「とにかく、インフレスーツは後回し! まずは補給」 「「「了解」」」
Tips:『補給』……補給すること。ただし、どこぞのバカ4人組がその場の勢いで行動する場合『鹵獲』と書いて『ほきゅう』と読む。




