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咲坂高校冒険部活動報告書  作者: ホエール
第2章「露往霜来と増えるな顔のシワ」
11/30

第2章 3.

   3.

 『村井』と『加西』が、北九州方面最大規模のダンジョン村、代々木ダンジョン村の有力者たちとの話し合い中に嫌な報告が次々と入る。

曰く、『女子寮』の構成員が動き出したと。


「くそったれ、『女子寮』の連中の方が一枚上手か!」

頭上に見えるのは、鍾乳洞を思わせる洞窟の天井。そんな鍾乳石を思わせる天井に張り付くのはドローン。

『村井』は忌々しいドローンを見る。そして、次に有力者の面々の顔色を。全員頭を抱えているか、真っ青にしているかのどっちか。

彼らにとっても正直、想定外だったのだろう。


「『女子寮』が細かな配慮をしてくれるとは思いません」  「あいつら、普通に眉間を打ち抜くぞ。どうせ死なないからって」

「彼女たちは自分たちの事を『最後のアジール』呼ばわりしている悲劇のヒロイン気取りですから」

『赤井』と『春日の隊長さん』がともに頭を抱えながら、止めるためにこの場を離れると言い出したので同行し、『村井』『加西』『赤井』『春日の隊長さん』の4人組で動く。


「『女子寮』は創設時は本当にちゃんとした女性用DVシェルターですし、今のボス、『寮長』の方針は女の敵は皆殺しなのは一貫しています。

たとえ新手のヤクザ、ギャング、マフィア的な存在と言ってもその一点だけはぶれません。今回の警察の皆さんが追いかけている男は『女子寮』から見れば立派な処刑対象です」

「ぼ、『暴対法』には引っかからないって聞きますけど、村井先輩、組対に連絡します?」  「念のためにやってて!」


Tips:『暴対法』……暴力団の弱体化に貢献した法律。しかし、暴力団は順応し経済犯罪メインとなったのはこの法律から逃れるためとも言える。

おまけに、近年発達したダンジョン内部で起きる出来事等を想定した法律では無い。いたちごっこである。

Tips:『組対』……警察組織内部に作られた部署。組織犯罪対策部門のこと。主に対暴力団を想定しているが半グレ等も扱っている。


あちこちで銃声らしきモノが聞こえ始めた。4人は顔を見合わせ、急ぎ走り出す。




それはテントハウスであった。すなわち、テントを複数建てて、連結できそうなら連結して出来たちょっとした家。

代々木ダンジョン村ではよく見かける物だ。が、今日ばかりは違った。

ガス式の携帯コンロが大きな音を立てて地面を転がり、男と女の言い争う声。


「いったい何事だ! 説明しろ!」  「いや、『寮長』の判断で、内地から悪質なレイパーがこの辺に逃げ込んだとかで、事前に股間の物を切り落とさなきゃって」

「あっ……そうなの。でも切り落としても所詮アバターだよ?」  「だから、目の前でじっくりとじっくりと……わざと切れない包丁でじっくりと、精神的な傷にするとかで」

「怖っ! さすが『寮長』。えぐいこと」  「でもレイパー、それも悪質なんて単語がつく奴は当然じゃない?」

「なんでこんなにの弁護士資格があるのか世の中が意味不明だ」

目の前の女の子、『女子寮』で弁護士資格を持つ女の子は目の前の男性冒険者に銃口を向けながら、状況を説明する。

あちこちから騒乱の音が聞こえ、大声を上げる女と男の声が響き渡る。

どーすんのこれと思いながら、弁護士という名の野蛮人の女に目で『どうやってまとめる気?』と聞くが、肩をすくめるだけ。


「県警がその男を捕まえるために嘱託職員たちを総動員してこっちに来る話になってたんだけど、ウチの『寮長』がそいつらより先に見つけて切り落とすって決断しちゃってさ。

どうせ、大半がただのテントなんだから、重要装備品さえ壊さなきゃ被害額は少ないだろ?」

「いや、仮にも弁護士がその認識ってどーなの」  「あんた達だってどーせ『保険』入ってるでしょ。最後は保険会社が半分以上は払うんじゃ無い?」

「こんな馬鹿げたイベントで保険会社が払ってくれるかなー?」

男が頭を抱えながら、女子寮の弁護士娘はテント村を出て行き、男がホッと一息。すかさず新たな女性冒険者が完全武装でエントリー!



「ふざけんな!!」

そんな惨劇とは別の場所にたどり着いた4人組の目に飛び込んできた風景は!


「――――だから、入ってくんじゃねえ! ここは男の世界だ!」  「うるせええ! よりにもよって、そのテント、ハッテン場かよぉ!」

早速目に飛び込んできた光景は4人は一度知らない振りをした。


「ここは診療所です。土足で入るんじゃねえよォ!!」  「悪いけど、患者さんに男性はいる? こっちに来たばかりの男。いたら出して欲しいんだけど」

「いたとしても患者さんの情報を守るのが医療関係者の義務です。こんな土地にまでやってきて、活動している『看護師わたし』や『医師せんせい』を舐めんな!!」

「アバターなんだから、いきり立つほど医療いらないじゃん」  「この、ど素人が……」

『敵にしてはいけない人達(医療関係者)』相手に喧嘩をうる『女子寮』に所属する女性戦闘員にさすがにまずいと思ったのか女子寮所属の弁理士娘が止めに入る。

4人組は思う。早く帰りたいと。たぶんこの騒動の片付け、最悪鎮圧までウチ等がやんないといけなくなるじゃん。


「警察です! いったいこの騒動は何なんですか! 責任者はどちらに!?」

警察手帳を掲げながら『女子寮』の戦闘要員である女性達の輪に割って入る。


「善良な市民の自発的な協力です。警察さんとしても逃亡犯をはやく捕まえたいですよね?」

「馬鹿な事を、どうやって知ったかは知りませんけど、危険な事をしないようにお願いします!」

「ダンジョンでは死にません。全員アバターですし、こんな物を持っていますからね」

そう言って、カトラスを掲げる女子が1人、ライフルを掲げる女子が1人、拳銃が、槍が、無反動砲が、散弾銃が、日本刀が、ゴロゴロと物騒な物が出てくる。


「ダンジョンにダイブする以上、被疑者だって持っていますよ!! つか、絶対護衛の傭兵か何かがいるたちでしょう、このクソ被疑者!」  「村井先輩、声デカいデカい~!」

「なら、なおさら、ぶちのめすわ。そいつどれだけ女性を食い物にしてきたかわかんないんでしょ」  「どうせ、脅迫材料を持ってる! それ探すだけで見つかるでしょ!」

「村井先輩……」  「ちょっとまって」

『村井』が取り出した警察用の携帯電話でどこかと連絡を取り合い、『加西』は『女子寮』の戦闘要員の女性達と被害者の攻防戦をおろおろとみるばかり。

『赤井』が状況を取りなそうと大声を張り上げるが、全く通じず。『春日の隊長さん』は頭を抱えながら無線機を取り出して、警備部隊との連絡を取り合う。

倒れたテントに塗りたくった様な奇妙な文様。誰かが落書きしたのか。それとも、こんな有様の土地だから、治安が悪い町テンプレのスプレーアートの一貫か。


「こっちにも考えがあるぞ! 『女子寮』! 人のPCを勝手に覗きやがって!」  「はっ、スカトロ趣味かよ…………」(引く)

「勝手に見て、勝手に引くんじゃねえっ!! こっちにも考えがあるぞ!」  「さっき聞いたって……って何それ」

ハチャメチャに荒らされた男性冒険者がタブレット端末を片手に大声を上げる。


「はっ! この村の住民は大なり小なり、レーダーだったり動体センサーだったりで自衛する。これはその一種で集音解析ソフトだ。

集音器と直接繋がったこっちのスマホはネットを通じてAIの解析を受ける事になってる! 

つまり、どういうことかって言うとおまえ等、『女子寮』から流れてきた生活音の類いも集音しちまっているし、

解析もしちゃうぼったくりポンコツAIサービスに怒り心頭な俺の憂さ晴らしの時だ!! 解析結果を大音量で流してや――――」

――男が空中に投げ出されている。胸に開いた大穴が男に何があったのかを示している。

つい、体が動く。警察官の本能か。それとも……警察官を目指した始まりか。『加西』の目に投げ出された男が、階段から突き落とされた肉親の姿と――――


――警棒代わりの支給品、スタンバトンと同じように支給品のスタン刺股を一瞬で引き延ばし、その先端で男性の体を引っかける。

刺股の塚を地面に勢いよくぶつける。同時に伸縮性の刺股を縮める。一瞬の動き。胸に大穴が開いた男性が加西の胸元に落ちてくる。投げ出されるよりはゆっくりと。


「だ、大丈夫ですか!?」  「おっ、おう……えっと、どなたです?」

とても元気そうな男性の表情があった。


Tips:『大穴』……脳や心臓に当たる部位でも無い限り、即死はしない。逆に言えば、どれだけ悲惨な状態であっても意識さえ失っていなければ、戦闘続行が可能である。 アバターのメリットであると言う人がいる。


「へ?」  「加西。おろしてやんな。別にあんたの胸を枕にする必要無いんだから」


Tips:『加西』……県警捜査1課の新人。典型的なゆるふわガールに見える系女子。なお、見える系であることに注意。




「『女子寮』の皆様に通告いたします。これより、警告に従わない場合、公務執行妨害と見なさせていただきます。騒乱罪の嫌疑も皆様にはかかっております。どうか、ご協力お願いします!」

村井の大声。県警のお偉いさんの1人が決断をした。自分の責任になる事を覚悟の上で、『女子寮』を鎮圧することも仕方ないと。


「もう一度通告いたします。警告に従い、その場にて待機してください! 出なければ、公務執行妨害と見なさせていただきます! 

騒乱罪の嫌疑も皆様にはかかっております。如何に『ディープ・フロンティアスペースレベル1』といえど、ここは日本国領土として管制されている土地です!」

返答は銃声で返された。


「悪いけど、警察には嫌な思い出しか無いの。『寮長』がどうしてもって時は撃って良いって言ってたから、撃たせてもらうよ」

紫の髪色をしたポニーテールの女性がただ、一言だけ言って、ライフルの銃口をこちらに向けていた。


「『加西』ィ!」  「は、はい! 『村井先輩』!」

「「公務執行妨害で、逮捕させていただきます!」」

『村井』は日本刀を引き抜き、『加西』はスタン刺股をアタックモードにする。警告表示で刺股の先端が赤く光り、青白い火花が飛び散るとともに、突起が複数飛び出す。

江戸時代の人間を傷つける事さえ、厭わない本物の刺股だ。


「どうせ、何やっても死なないんだし、後日、あんたらが探してるクソ野郎は、警察署の前で捨ててやるから安心して、サンドバックやってろ! 税金泥棒!!」

紫ポニーテールは『ロシア製:5.45ミリアサルトライフル』の引き金を引く。『村井』はそれに対して、一見すると折りたたみ傘に見える盾を開く。

ライフル弾の直撃にだって、2~3発程度なら耐える性能がある!

だが、所詮は2~3発。フルオートを耐えきる程では無い。けれど、次の瞬間銃撃者は、横殴りの雷撃と衝撃に体をくの字に曲げて吹き飛ばされる。


(盾はおとりか――!)

――紫ポニーテール、ライフルを捨てて、代わりにナックルガードで自分を横凪に殴ってきた刺股をつかみ取る。


「うそっ!?」

激しい青白いスパーク。HPがごりごりと削りとられていく。だが、仮にも江戸時代の物理攻撃力の強い刺股の『現代化刀剣類』。

それをつかみとられるとは思わなかった加西の声。

紫ポニーテールが勝ったと思った瞬間だ。加西が、遠慮無く刺股を手放して『ドイツ製:9ミリ短機関銃』の引き金を引いた。

9ミリパラペラム拳銃弾は決して悪い銃弾では無い。傑作拳銃弾だ。けれど、所詮は拳銃弾。

ましてや、今時の軍用ボディーアーマーは2~3発程度なら12.7ミリに耐える化け物素材が使われるようになってる。

つまり、紫ポニーテールのHPを即座に全損させるには足りない。けれど、撃たれ続けている状態で即座に反撃が出来る訳でも無い。

故に、背後から日本刀の一付きに対応出来る程化け物ではない。


「1名確保! 確保! 紫色のポニーテールの女性。そちらで対応されたし」

そして、村井は遠慮無く、その拳銃で紫ポニーテールの額を吹っ飛ばした。かくして、出来上がるのは1人の死体。

が、すぐさま光の砂となって立ち上り始める。ここから一番近くのダイビングスポットでリ・スポーンするからだ。

この辺で一番近くの場所は、日本側の合法スポット。すなわち警察がちゃんと管理出来ている数少ない場所。

いつの間にか、インカムを身につけている村井を見て、慌てて加西もインカムを装着する。

村井の拳銃はそのまま新たに突撃してきたカトラスを振り回す『女子寮』戦闘員に向けて発砲。そして、空き缶のような何かを投げつける。


「マスドロぉ!!」

『女子寮』戦闘員は拳銃の銃弾から逃れるべく一度わきによけて、目の前に空き缶のような何かが落ちる。

直後、彼女の意識は途切れた。

警察のドローンによる『閃光音響手榴弾(スタングレネード)』と通常の破砕手榴弾と催涙ガス弾のワンセットが投下されたのだ。


『――だから、マスドロって呼ばないでくださいよ!!』  「「うっさ」」

加西が慌てて、インカムをして真っ先に飛び込んできた若い男性の大声。


『――ドローンマスターです』  『 マスドロ! こっちだ、急げ爆撃!!』

『――だから、ドローンマスターですよ! せめてDM!!』

再び聞こえてくる爆撃の轟音。嘱託職員歴が長くすっかり警察になじんだDMくんにようやく現場に到着したらしい警察職員の皆々様が次々と爆撃を要請してくる。

ドローンマスターと自分のコールサインを設定した好青年はすっかり、いじられキャラとして定着し、『マスドロ』という愛称? で慕われるようになっているが本人は不満。

村井は空き缶のような何かを回収する。マスドロが配下のドローンを使って爆撃するときに素早く爆撃対象を選別するマーカーだ。


『 マスドロォ!!』  『――DMっ!!』

マスドロくんの無駄なあがきの直後に再び爆音。警察が本気でこの『代々木ダンジョン村:西部地区』で暴れ回る『女子寮』の戦闘部隊の制圧に乗り出し始めている。


Tips:『マスドロくん』……ドローンマスターを名乗ってる警察の嘱託職員だが、みんなそう呼ばずマスドロと呼んでいる。

ドロボーみたいに聞こえるし、何なら一部の連中が勝手に下ネタを連想している可哀そうな人。


「村井先輩。私よくわかっていないんですけど、ダンジョン内部で『騒乱罪』って、適応できるんですか?」  「正直微妙よ。公務執行妨害で逮捕して、その容疑があるくらいで送検で終わりでしょうね」

とっくに改正銃刀法のおかげで、ダンジョンでは物騒な物を持つのが当たり前になっている。

それに対応するように『通常の現実世界(レベル0)』では、テロ警戒ドローンが飛び回り、 重火器に取り付けられたIDを監視する量子A.I.『ダモクレス』により、現実での銃犯罪の発生をある程度防げている。

だが、それでも治安の悪化は叫ばれている。


「刑事さん! ちょっとこっちきて!!」

唐突に声をかけられた。看板を持った男たちだ。男以外にも2人ほど混じっているが、何しろ、アバターだ。『見た目通り』とは限らない。

看板には『横暴反対』を書いてある。彼らは口々に『女子寮』と言うトラブルメーカーへの苦情を訴える。

例えば『女性といちゃいちゃしているだけで、怪しまないでください』、『ナンパを邪魔すんな』『シャワーを浴びる男が増えて困る』『私の男に色目使うな』。


Tips:『変な物』……その場の空気に当てられて妙に盛り上がっているだけ。


「とにかく、『女子寮』の連中はマジでめんどくさいんだよ。これを機に全力でやってくれ!」  「あの、いえ、その……」

「わかってる。あの連中が可哀想な人達をマジで助けているのもわかっている。が、それはそれこれはこれなんだよ!」

「あーその……」

村井の焦り、当然ベテラン女性刑事が焦るのだから、新任加西も焦る。どう対応して良いのだろう?


「皆さんのお気持ちは大変よくわかりました。それで――――」

――直後、全員のスマホより警報。鍾乳石のような何かが落下してきた。

何もわかっていない『加西』だけが反応が送れ、『村井』が『加西』をひっ捕まえてよける。

落下してきた、鍾乳石は当然に粉々に砕かれ、破片が飛び散り――――そして、逆再生の様に一つの鍾乳石に巻き戻って重力に逆らい天井へと。

最後に残るのは、真っ黒で子供の要望をした『何か』。子供のような何かが笑い、さらに何かに変貌しようとして――


――遠慮無く、鈍器を「それ」に振り下ろす『赤井』と『春日の隊長さん』の2人組。刹那に回避する黒い何か。

だが、『横暴反対』と書かれた看板を投げ出した男がメイスを横凪に一閃。

黒い何かはバラバラに壊れる。だが、それで終わりでは無い。今度は黒い何かは白い何かに瞬間的に変化し、白い何かの破片一つ一つが膨らみ始めた。


「む、『村井先輩』!」  「『加西』、下がってろ!」

モンスターの出現。それも2連続。撃破したはずの何かからの派生。これだから、『物理法則のモンスター化』という奴は厄介だ。

日本刀を引き抜き、村井は目の前の白い「何か」を見据える。炭酸飲料の様に細かい泡をはき出しながら、質量保存則を無視するかのように肥大化していく。

が、次の瞬間、白い何かたちが銃撃された訳でも無いのに弾痕で穴だらけに変貌する。『村井』は攻撃者を見る。

『赤井』がピッケル片手に何かしらの遠距離攻撃手段を駆使していた。




「『村井先輩』。ダンジョンって怖い場所なんですね」

遠い目をした、『加西』の一言に、疲れ果てたご一同は何も言い返さない。何しろ、倒しても倒しても次のモンスターが出現するフラグになりやがったからだ。


「け、刑事さん、き、緊急避難って、こと、で、ええっすよね??」

モンスター討伐に協力してくれた1人。その男が使用した重火器はいわゆる『合法重火器』なんかじゃなく、恐らくダンジョン内部で手に入れた『非合法重火器』。


「そ、それを……『通常の現実世界(レベル0)』に、も、持ち出したら、速攻逮捕するわ」  「うっす……」

疲れ果てた目で違法銃器を一瞥した村井先輩の対応に加西は一瞬、問題行動では? と思ったが、疲れ果てたし、ダンジョンという場所の異常さに見なかったことにした。

また、どこかで、マスドロが爆撃している音を背景に一同は倒れ伏した状態で、しばしの休憩と勝手に目を閉じるのであった。


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