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第一章・第2話 ——名と絆、そして最初の仲間——

「……えっと」


目の前に立つ“狐耳の少女”を前に、主人公はしばらく言葉を失っていた。


ついさっきまで白い狐だった存在が、今は人の姿で話しかけてきている。

現実感が追いつかないのも無理はない。


「その……本当に、あの狐……なんだよな?」


「はい」


少女はこくりと頷いた。


「わたしは妖狐です。傷ついていたところを、あなたに助けていただきました」


丁寧で、どこか品のある口調。

ただの動物ではないどころか、むしろ人よりも落ち着いて見える。


「……そうか」


頭を掻きながら、なんとか状況を受け入れる。


(幻獣って、こういうのも含むのか……)


だが、ひとつ気になることがあった。


「そういえば、お前……名前は?」


少女は少しだけ困ったように目を伏せる。


「……ありません」


「ないのか?」


「はい。わたしたち妖狐は、基本的に“名を持たない存在”です。ですが――」


少しだけこちらを見つめて、言葉を続ける。


「契約した相手から名を授かることで、より強い力を得ることができます」


「契約……」


つまり、名付けは単なる呼び名ではない。

“絆”そのものというわけだ。


「……分かった」


主人公は少し考え、そして口を開く。


「じゃあ、お前の名前は――“シロ”だ」


「……シロ」


少女――妖狐は、その名を小さく繰り返す。


すると次の瞬間。


ふわり、と彼女の体が光に包まれた。


――《個体:妖狐(幼体)に名称を付与》

――《名称:シロ》

――《契約レベルが上昇しました》


「……!」


光が収まると、シロはゆっくりと目を開く。


その瞳は、先ほどよりもわずかに輝きを増していた。


「……不思議です」


自分の胸に手を当てながら、シロは呟く。


「力が……満ちてくるような感覚がします」


「やっぱり、強くなるのか?」


「はい。名をいただいたことで、わたしの霊力は安定し、いくつかの力が使えるようになりました」


「例えば?」


シロは少しだけ考え、そして手をかざす。


すると――


ぽう、と淡い光が灯った。


その光はやがて形を変え、小さな狐の幻影となって宙を舞う。


「幻術……それと、簡単な治癒も可能です」


「おお……すげぇな」


さらにシロは地面に手を触れる。


すると周囲の草がわずかに揺れ、活力を得たかのように青々と輝いた。


「土地の気を整えることもできます。この場所は、わたしにとっても心地よいです」


「なるほど……牧場向きってことか」


思わず頷く。


まさに“相棒”と呼ぶにふさわしい存在だ。


――そのときだった。


「……ん?」


遠くの茂みから、何かが動く気配。


「シロ、あれ――」


「はい。何か、来ます」


二人が警戒する中、草むらをかき分けて現れたのは――


「……スライム?」


ぷるん、とした半透明の体。

だが、普通のそれとは少し違う。


体の中に、ほんのりと光る粒子が浮かんでいる。


「ただの魔物……ではありません」


シロが静かに言う。


「感じます。あれも“幻獣”です」


「マジか」


スライムは警戒する様子もなく、ゆっくりとこちらに近づいてくる。


そして――


ぴと。


主人公の足にくっついた。


「うわっ!?」


冷たいような、でもどこか心地よい感触。


「……懐いてますね」


「いや、これ懐いてるのか?」


戸惑う主人公をよそに、スライムは楽しそうにぷるぷると震える。


そのとき、再びあの声。


――《新規個体を確認》

――《幻獣:ルミナススライム》

――《牧場への受け入れが可能です》


「……またか」


思わず苦笑する。


だが、答えはもう決まっていた。


「いいよ。来たいなら、ここにいろ」


そう言って、そっと手を差し出す。


スライムはぴょん、と跳ねてその手の上に乗った。


――《受け入れ完了》

――《管理個体に登録されました》


「これで……二匹目、か」


「はい」


シロが微笑む。


「賑やかになりますね」


小さな牧場。

まだ始まったばかりの拠点。


そこに集い始めた、幻獣たち。


「……悪くないな」


主人公は空を見上げ、ふっと笑った。


こうして――


異世界農場は、少しずつ“形”を持ち始める。


最初の仲間と、最初の家畜(幻獣)。


そして――


これから増えていく、かけがえのない絆と日々。


そのすべてが、この場所から始まるのだった。


---



## ■幻獣プロフィール


**名前**:ルミィ

**種族**:ルミナススライム(光属性幻獣)

**外見年齢**:なし(幼体)


---


### ■外見


半透明のゼリー状の体を持つ小型スライム。

体内には淡く光る粒子が浮かんでおり、感情によって光り方が変化する。

通常は手のひらサイズだが、多少の伸縮が可能。


---


### ■性格


とても人懐っこく、好奇心旺盛。

ミノルや仲間たちのそばにいるのが大好きで、よくぴょこぴょことついて回る。


言葉は話せないが、

「ぷるん」「ぷる?」といった鳴き声や光の強弱で感情表現を行う。


意外と賢く、空気を読むタイプ。

危険を察知する能力にも優れている。


---


### ■能力


**・光感知サーチライト**

周囲の魔力や生命反応を感知し、危険や対象の位置を察知する。

遠距離の気配にも敏感で、索敵役として非常に優秀。


**・光操作ルミナスコントロール**

体内の光を放出し、閃光・照明・簡易的な幻影の補助などが可能。

戦闘時には目くらましとしても使える。


**・分解吸収バイオリサイクル**

雑草や有機物を取り込み、分解・浄化する能力。

土壌を豊かにし、農場の環境改善に貢献する。


**・補助回復ライトヒール**

微弱ながら、対象の体力回復や傷の治癒を補助する光を発する。

シロの治癒能力のサポート役としても優秀。


---


### ■特徴


* 名付けにより、光の強度と知性が向上

* 体の大きさや形をある程度変化させられる

* 攻撃力は低いが、支援能力に特化した万能型幻獣

* 感情が分かりやすく、癒やし担当としても人気


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### ■ミノルとの関係


最初に牧場に訪れた“第二の仲間”。

自らミノルに近づき、自然と契約に至った存在。


危険察知や環境整備などで常にミノルを支え、

小さな体ながら“縁の下の力持ち”的ポジション。


---


### ■備考


一見するとただのスライムだが、

“光属性の幻獣”という点で非常に珍しい存在。


今後の成長によっては、

より高度な光魔法や分裂能力などを獲得する可能性もある。


---


ルミィはこの作品の「癒し+サポート+有能センサー」という

かなり重要なポジションのキャラです。


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