表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/21

【加々美柊馬】( 1 )

※ 8月18日12時30分ごろ ※




 次に、あかねと琥珀がやってたのは、加々美柊馬のマンションだ。

 彼が今日、在宅勤務で自宅にいる事は、事前に調査済み。

 アポイントメント無しの突然の訪問。会って貰えない可能性もあったが、意外。

 すんなりと家に入れて貰えた。玄関先ではあるけれど。

 それでも、空調のおかげで涼やかだ。外は変わらず曇りだが蒸し暑い。


「で、探偵助手さんが何の用?」


 加々美は、飄々とした様子で、訪問の意図を問う。


「三井那可子さんとの関係について聞かせてください」


「あかねさん………。もう少し、言い方考えてください………」


 直球勝負のあかねの隣で、琥珀が頭を抱えているが、無視。

 そんな様子を見た加々美は思わず苦笑。


「じゃじゃ馬な相棒で苦労してんな、イケメン君よ」


「あはは……。これも仕事ですので………」


 笑う加々美と困った顔の琥珀を見て、あかねはイラつく。

 誰がじゃじゃ馬だと、ツッコミたいが、それよりも重要なのは事件の事だ。


「そんな話はいいですから、質問に答えてください」


 そんなあかねのあかねの様子に、頭を抱える琥珀と、肩を竦める柊馬。


「それ話したら、あの社長に報告すんの? 那可子の婚約者の佐藤って坊ちゃんにさ。それだと困るんだよね。慰謝料請求されたらたまんねぇし」


 婚約者のいる女性と、不貞行為を行ったにも関わらず、開き直る加々美の態度に、あかねはカチンときた。


「はぁ? 何その言いぐ……」

 と、言いかけたあかねの口を、琥珀が手で塞ぐ。


「はい、あかねさんはステイしてくださいねー」


 優しい言い方だが、言葉は酷い。あかねは、口を塞ぐ手を振り払った。


「ステイって、私は犬じゃない!」


 そう琥珀に食ってかかると、横から加々美が口を挟む。


「じゃじゃ馬だしな」


「ああ、なるほどです」


 加々美と琥珀のやり取りに、ますます腹が立ってくる。


「じゃじゃ馬って……! 琥珀くんも納得すんな!!」


 怒りの声をあげるあかねの肩を、ポンポンと軽く叩く琥珀。


 「ともかく、落ち着いくださいね」


 と、笑顔を向けてくる。のだが、優しげな声に少し強めの圧力を感じた。

 さすがのあかねも、怒りの鉾を納めるしかない。

 そして、あかねを抑えた琥珀は、加々美に向き直った。


「依頼者は、佐藤さんではありません。今、話された内容が、僕たちの口から佐藤さんに渡ることはありませんのでご安心を。守秘義務がありますから」


 琥珀の言葉に嘘はない。この仕事に慣れているからこその言い回しでもある。そこが、経験の差というものだ。悔しい話なのだが。


「佐藤って坊ちゃんから依頼された事ある?って聞いても、答えてくんないよね」


「守秘義務がありますから」


 食い下がる加々美を、琥珀は笑顔で躱す。

 加々美はつまらなそうな顔をしたが、「ふーん。まー、いっか」と諦めた様子だ。腹を立ててはいないようで、あかね達の質問に答えてくれた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ