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追放された荷運び係のところに、竜人がやってきた  作者: 山吹弓美


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37.結界石を設置した

 結界石の配置を、村人さんたちのお手伝いを得て進めていく。

 村の出入り口である道と、大きな川の両脇にひとつずつ。あとは村境に、大体等間隔に設置する。

 石の下半分を、地面に埋め込むように置いていくのが基本だ……この村ではこれまで設置されてなかったわけで、そこらへんの基本から説明することになった。


「時々冒険者さんから置いといたほうが良いよ、とは言われてたんだけどさ」


 村長さんがお手伝いによこしてくれたうちの一人、デュエルさん。うちの母親くらい、四十代半ばの茶色い髪をひとまとめにした恰幅のいいおばちゃんで、村長さんもお世話になった人だとか。

 んでまあ、以前から置いとけという忠告はもらってたわけだ。ただ、これまでほとんど被害がなかったからスルーされてたわけね。なるほど。


「今後は、魔術師さんが来たときに確認をお願いしてください。魔力が減ってきてたら、結界の効果が薄れますんで」


「分かったよ。定期的に来てもらうように頼んだほうがいいんだろうね、こういうの」


「まあ、そうですね。村の人に魔術師さんとか聖女さん、神官さんがいるといいんですが」


「あ、神官さんなら週一で隣村から回ってくるからそっちがいいか。わかった、村長さんに言っとくね」


「そういうことなら、お願いします」


 おー、それなら大丈夫だ。

 魔術師、聖女、神官。いずれも、魔力が絡んでくる職業の人たちである。冒険者として登録されている以外に、村や町に定住している人たちも多い。そういう人は結界の点検とか、怪我の治療とかこう、いろいろやることあるんだよね。

 魔力が絡む職業といえば魔法剣士もそうなんだけど、レアだし大体は冒険者やってるからな。

 ……『太陽の剣』には魔術師のガロアと聖女のラーニャ、二人もいたんだよなあ。ちゃんとやってれば、普通に名前が上がっていくはずだったんだけどどうしてああなった。


「てか、お二人さんだけでどうやってゴブリン片付けるんだい?」


 お手伝いに呼ばれたもう一人、デュエルさんの旦那さんであるザックさんにそう尋ねられた。こちらは赤髪短髪のゴリマッチョ系なんだけど、細い目が可愛らしいというか。

 最もこういうタイプって、怒らせると絶対怖い。ザックさんが怖くなくても、デュエルさんが怖い可能性もあるけど。


「意外と、やり方あるんですよね。もちろん、後から応援も来てくれる手筈になってますが」


「ああ、やっぱり援軍来るんだ」


「はい。ひとまず結界石を配置して、被害を減らすのが最優先だということで俺たちが先に来ました。と、こんな感じで埋めます」


 ザックさんが掘ってくれた穴に結界石を設置、周りを土で固めて終了。これを三十回やって、村全体を結界石で囲むことで魔物避けの結界を展開して第一段階が完了する。


「ほー。これ、掘り起こしたりする馬鹿いねえか?」


「魔力が溜まっている間は大丈夫です。移動させるときは魔術師とかに魔力を抜いてもらってから、ですね」


「なるほど。そういうのも、神官さんとかに見てもらうわけか。魔力足りなくなったら引っこ抜かれるかも、だし」


「そうそう、そういうことです」


 ザックさんがさくっと理解してくれたので、ほっとした。いや、俺なんか故郷が竜の森のすぐそばだったから結界石なんて基本中の基本だったわけだけど。……だから、改めて説明するのは微妙に面倒だったなって思う。

 そうそう、結界石関係以外に安心してもらう材料があるんだよな。ここらへんはきっちり説明しとくか。


「ああ。俺は荷運び屋だけど、リュントは魔法剣士なんです。こないだ、ドラゴンをしとめたんですよ」


「あの嬢ちゃん、そんなに強いのか! すげえなあ」


「あらま。そういえば、そんな話は聞いたわねえ。そうなの、あのお嬢ちゃんがねえ」


 ま、暴走したドラゴンが討伐されたなんて特に田舎じゃビッグニュースではあるわな。革とか爪とか角とか牙とか、武器や道具に使われる希少な原材料が手に入ったんで商人さんはどうにか手に入れたい、なんて話もするみたいだし。

 で、当のリュントは……別の結界石の点検をしていた。表向き魔法剣士ということで、結界に使われる魔力の確認とかできるらしい。これはドラゴンでも、本当の魔法剣士でも可能なんだろうな。


「嬢ちゃん、兄ちゃんの嫁さんか?」


「よめっ」


「そうねえ、可愛い子だもんねえ」


 っと、いきなりそんな事言わないでください夫婦揃って。思わず吹き出しただろうが。

 というかそうか、外見上リュントは俺と似たりよったりの年齢に見えるわけだから、そう思われてもおかしくないと。確かに美人さんだしな。

 ただ、俺としてはほら、三年前の手のひらに乗る小さなドラゴンの印象がどうしても抜けないわけで。


「……どっちかというと娘、とか妹、ですかね……ちょっと育ちが育ちなんで、思考がずれてるところがありまして」


 なので、そういう答えになるんだけどまあ、人様がどう感じるかは俺の思惑の外にあるので仕方ないっつーか。


「ほー。そうかいそうかい」


「ま、そのうちどういう仲になるかは楽しみだねえ」


 だーかーらー!

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