第一話「空を行くもの」
はじめまして英U-1(はなぶさゆういち)と申します。
小説初挑戦の作品になります。
皆様に楽しんで頂けますと幸いです
どうぞよろしくお願いいたします。
旧約聖書創世記第1章6節及び7節
神はまた言われた、「水の間におおぞらがあって、水と水とを分けよ」。
そのようになった。神はおおぞらを造って、おおぞらの下の水とおおぞらの上の水とを分けられた。
大怪鳥はアムやイーヴァの祖父の祖父のさらに祖父
おそらく神世の昔から空を支配している正体不明の鳥だ
先祖代々の口伝にも登場し神殿のある洞窟の壁にも描かれ
どのいずれかにも記載されて曰く
「大きくて恐ろしい鳴き声を上げるとても大きな鳥で時折東の空からやってきては
村の上空をゆっくりと2.3度旋回すると西の空へと去っていく」とある
どの時代の誰もが大怪鳥が羽を休めた姿を見たことがなく
食事をしているところもましてや大怪鳥のツガイを見たものも卵を温めているのを見たことがない。
幼いアムとイーヴァに村長は「おそらく渡り鳥の類だろう」と教えてくれたが
アムには全長600メートル全幅500メートル級の鳥など森や海に類を見なかったため
アムの好奇心をくすぐって仕方がなかった。
大怪鳥の鳴き声を聞くと大怪鳥がよく見える裏山へ上り村の上空を旋回する大怪鳥を観察するのが
アムの楽しみであった。
大急ぎで山道を上るのに付き合わされるイーヴァにとってはたまったものではない
人が上りやすいよう道を整備している山とは言え日の落ちかけた薄暗がりの山頂に向けて
松明の明かりを頼りにしなければならないのだ
自分の庭のようになれた道でも下手をすればケガをしかねないし
単純に大怪鳥の鳴き声だってまるで地獄からの轟音のごとく大きくて耳が痛くなるほどだ。
裏山の山頂付近の広場に出ると大怪鳥は村の上空から飛び去るところだった
その巨大な体躯のためか翼は雲をひいている
大怪鳥はその巨大な体を上空に持ち上げるためかとても強い強風を生み出した。
大量の木の葉が舞い上がりアムとイーヴァのほほをかすめていく
「あいかわらず大きいね」
アムはため息とともに恋するようなまなざしを
大怪鳥へ向けた。
イーヴァはアムをそんなアムを見つめる
誰もその生態をしらず
誰も捕まえたことが無い大怪鳥は
アムを虜にしていた
未知への挑戦
村の誰もが勝利を手にしていないその獲物を
アムは狙っているのだ
イーヴァはアムの内心がよくわかっているので
西の空へと消えていった大怪鳥を改めて思った
気の毒にと
如何でしたでしょうか?
宜しければ感想や評価など頂けると嬉しいです。
描きためておらず空いた時間に少しづつ書いています。
また更新できましたらなにとぞよろしくお願いいたします。