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The air getting thin.

二升五合です。実はアルファポリスでも読めます。

3年前世界各地を襲った未曾有の災害により人類は滅びかけました。その6つの災害は終末の開花(ラグナロク)と言われ、今もなお各地にその悲惨さを残しています。

その災害を記憶に新しい災害をここに記しておきます。


ヨーロッパを焦土に変えた熱波


アメリカの国土の70%を更地に変えたハリケーン


オセアニアを干からびさせた旱魃


アジアを何ヶ月も覆い、あらゆる都市を水没させた長雨。


南アメリカの地を抉り、数多のクレーターを作った雷撃


アフリカを───データは削除されました。


 私達は『HRI』人類復興機関。この災害で多くを失ってしまった人々が在りし日々を手にするために支援を行う復興団体です。


「ん、またデータの更新か?確かアフリカは地震でまだ確認しきれていない被害があるからよくこうなるんだよな。もう三年にもなるのにアフリカだけ情報規制だもんな。頑張れよっと」


俺はそのままHRIのホームページの募金枠を流し見してスマホを閉じた。


「おお、あそこまで復旧したか」


 俺は高々とそびえ立つ建造物を見上げた。災害で倒壊した東京スペースツリー。

 まだ世間から認めて貰えなかったHRI は食料以外の支援として、シンボルの再建を行った。政府との共同策で信頼を得て、雇用を生み出すことでその信頼を確固たるものにする算段だろう。

 …まあ、ネットの受け売りなんだが。


にしてもHRI の浸透具合はかなりすごい。今、世界で行われているあらゆる生産活動は彼らの援助によって成り立っているぐらいだ。

 だが、彼らは報酬を必要としない。募金も手数料を介せずすべて無償。一体どこにそんな資金源があるのだろう。

 もしや!HRIこそこの地獄の元凶で一度救ったあと逆らえない人類をどうにかする気何じゃないか!?

 ネットの受け売りなんだが、、、


ブ~!ブ~!スマホがなる。ネットニュースだ。


【植物病感染者3000人超】


 災害から徐々に今までの生活を取り戻し始めた今、復興の邪魔をしてるのがこの原因不明の奇病だ。


─『植物硬化病』致死率は100%、一度発症すると体の内部から枯れた木のように変化し、全身が木のようなものに変化して死にいたる。感染源は不明、そのため初期の段階で隔離が必要とされる。


 今判明している初期症状は、高熱,咳。ここまでは普通の風邪のようだが最も特徴的な症状は<芽>が出ること、感染者はその皮膚のどこかに双葉の芽が出てくる。

 基本自己申告でしか判明しないため、隔離される現状感染者は減ることはない。


 「治療法も対処法もない、毎日病気にならないようにビクビクするのもつかれるんだよな」


─ドンッ!背中に誰かがぶつかった。


「す、すいません…」


「いえ、大丈夫ですよ」


 ぶつかったのは、自分より小さい女の子だった。その少女は謝るとフラフラと先に進んでいった。


「あの!君、平気か?!」


少女は振り向くことなく歩き、倒れた。


「え?ちょ、大丈夫!?」


俺は急いで少女に駆け寄る。そこで俺はとんでもないものに気付いてしまった。

少女の腕に絡みついている蔦のことだ。さっきのニュース、植物硬化病。感染経路不明、もしこのまま関われば感染するかもしれない…


「すいません!浅草で植物病かもしれない人が倒れて…はいトンネル前です!」


感染なんて知るか、目の前で苦しんでいる人がいるのに無視なんてできるかよ。


「おいしっかりしろよ!今救急車呼んだから!」


「…ゥ」


少女はブツブツとなにか言っているみたいだ。

何を言っているのかわからず聞き取ろうと、顔を近づけた。


「ニンゲン、ノホドコシナンテ…ウケルカ」


え?


「早くソイツから離れなさい!」


謎の声に思わず体が仰け反る。瞬間、風切り音がして鼻頭が熱くなった。


斬られた?


ソイツと呼ばれた少女を見ると、腕が青緑色に変色していた。


「それは…蔦?おいどうしたんだよ!なんで俺の鼻から血が出てるんだよ!」


「叫ぶ前に早く退けなさい!」


その声が聞こえると俺の体は後ろに投げ飛ばされた。


「いてて…ってあのマーク、HRI職員?」


俺と少女の間に割って入ったのは、緑髪で作業服を着た女性だ。


「マタオマエタチカ!カラダもテニハイラナイシサンザンダ!」


「刈り残しってあんたのことね。部下のミスは上司の責任だもの、ちゃんと処理するからあんたの悩みの無くなるね。良かった良かった」


「ナメるなよニンゲンごときがアアア!!!」


「危ない!」


少女だったモノの蔦が凄まじい速度で職員に迫る。職員は反応できてないのか微動だにしない。


このままだとあたる!


そう思い体が動いてしまった。


「「え?」」


俺が職員の人に覆いかぶさった瞬間、なにかの方から凄まじい破壊音がした。

振り返ると、なにかの体は地面から出てきた竹?のようなものに貫かれていた。


「そろそろ退けてくれるかしら?」


「あ、すいません!」


「身分証ある?」


「あ、学生証が」


「高校生2年、神木蓮(かみきれん)ね。君どこまで見た?」


職員の人は、なにか棒状のものを取り出し、聞いてきた。


「え、いや何も…」


棒状のものが胸につけられる。


「女の子が変なのに変わって、竹が出たところまでです!あの子は死んでしまったのですか?」


「…あの子はすでに意識がなかった。死んでいたわ」


「…」


そうか、今俺は人生で初めて人が死んだところを見たのか。


「ところで貴方はどうして私に覆いかぶさったの?」


「攻撃されそうだったので」


「それで私を守ろうと、ね」


頷く。


「じゃあこれ見て」


そう言い彼女は棒状のものを見せてくる。


「なんですか?それ…」


「スタンガン」


「え’’」


──

紫苑(しおん)さん、その人は?」


青髪ロングの女が緑髪の人に聞く。


「あー見られた」


そう返事をされると青髪の玲衣はため息をつく。


「報告は頼みましたよ」


「了解ー。頭堅いなー玲衣(れい)ちゃんは」


「浅草のプラント、1体倒しました。」


 緑髪の紫苑はその上司であろう丁寧に整えた白い髭を持つ男に報告をしていた。


「そうか、あの高校生はどうだった」


「芽がありました。ですが症状はなし、おそらく始祖返りの適合者でしょう。」


「思わぬところで戦力が手に入ったな」


 白髭は不敵に笑みを浮かべた、またそれは紫苑も同様である。


「ええ、神を討つ準備は整いつつあります」


「我々人類が無事生存できる明日を手に入れるには神を倒さねばならん。今こそ在りし日を、この手に。」


 




在りし日の情報

実はアルファポリスの方が更新早い。

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