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それでも僕は最低ですか?  作者: 礎彩月
9/9

9話

8話までお読みいただけたでしょうか?

読んでいただけら是非コメントや評価をお願い致します。


さて、今回は9話『花火』です。

前回、香織はくるみに言われたことで気持ちが重くなっています。これから花火が打ち上がります。

花火を見る時には香織はいつもの香織に戻れるでしょうか?

花火が始まるまであと10分ほどになった。

香織はさっきくるみに言われたことを気にしているのか喋る気配がない。


「俺、トイレ行ってくる」


「咲太なに馬鹿なこと言ってんだ。もう花火始まるぞ」


「花火やってる間もずっと我慢できるほど俺は強くないから」


「あ、そう。迷うなよ」


「トイレの場所ぐらい分かるよ」


「トイレした後の話だよ」


「大丈夫だよ、ここにはこんなに浴衣のよく似合った美女がいるんだからすぐにわかるよ」


「そういうのは会った時に言うんだよ」ようやく香織がようやく重かった口を開いた。


「そういうものか?」


「普通はそうだと思うよ、修斗だって会った時に言ってきたんだもん」


「そうか」

「まぁいいや」そう言ってその場を離れた。

そうして香織達から少し離れたところで修斗の携帯にメッセージを送った。


「2人でドラマチックな花火を楽しんで」

「始まって10分ぐらいしたら戻るからな」俺がトイレに行くと言ってそこを離れたのは香織と修斗を二人きりにするためっていうのが1番の理由だ。


すぐに返信がきた。

「おまえ、はめたな?」


「うれしくないの?」


「それはうれしいけど」


「じゃあいいじゃん、あとで」


「じゃああとで、ありがとな」修斗も言いたいことはいくつかあっただろうがそれは心に止めといてくれた。そこでメッセージは終わった。そしてまた歩き始めた。だが、向かったのはトイレじゃなくてくるみの所だ。さっきたまたまどこにいるか見えたから場所は分かってる。


そしてくるみの所に着くと驚いた。あんな事言ってたくるみは男子6人と一緒に来てる。さっきは1人でいたのに。


「おまえも男たぶらかしてるのかよ」くるみに言った。くるみはこの声で俺に気づいて振り向いた。


「私はいいんだよ」


「さっき学校の人に知られたら何とかっていってだろ」


「私は学校でもこうゆう感じだから知られたって問題ないもん」


「なるほどな」


「それで何しに来たの?」


「天下のくるみ様がどうして香織にあんな事言ったのか気になったから」修斗と香織を2人にするためとは言えないからこう言っといた。だが、どうしてくるみがあんな事を言ったのか気になってここに来たのも本当だ。


「そんなことのために来たの?」


「まぁそんなとこかな」


「理由なんてないわよただ、からかいたかったから」


「にしてはきつかった気がするよ」


「ほんとだって」そう言った時にパーンと花火が上がった。最初に1番大きくてピンク色の花火が上がると、そこからは一気にたくさんの花火があがりだした。青い花火、空中で分解する花火、丸くならない花火、たくさんの花火があがっていた。


「まぁそういうことでいいや、じゃあ楽しんでね」

そう言ってくるみのところから離れ、トイレに言った。トイレに行ったと言っているから今トイレに行かないであとで本当にトイレしたくなったら困るので行っておくことにした。トイレに行って戻ったらちょうど花火が始まってから10分ぐらいになってるだろう。




トイレを済ませ香織と修斗の所に戻った。

「おまたせ」


「トイレにしては長くなかった?」香織が花火を見みながら聞いてきた。まぁたしかにトイレにしては長すぎるから疑問に思っても不思議ではない。


「トイレに大行列ができてたんだよ」適当に誤魔化した


「あ、そう」


この話を詳しく聞かれると困るので早めに話題を変えた。

「香織は花火よく見に行くの?」


「行かないよ」


「修斗は?」


「俺もあんまり行かないかな」

「咲太は?」


「あんまり行かないけど、去年は新横浜のやつ行ったよ」


「そうなんだ、私はいつも家の窓からかな」香織の家はマンションだと前に言っていた。マンションからなら花火はそれなりに見えるだろう。


「俺なんか、家にいたら見もしないかな」修斗はナルシストだから花火とかよく見てそうなのに意外だった。


「家で見る花火とこうやって見に来る花火って何が違うと思う?」香織が突然聞いてきた。今までは花火を観ながら話していたがこの言葉を聞いて、俺も修斗も同時に香織を見た。


「なんだろ、わかんない」

「俺もわからん」俺も修斗も分からなかった。


「私は大きさだと思う。もちろん家からとここからじゃここからの方が圧倒的に近いから大きく見えるっていうのもあるけど、それよりもみんなで浴衣着て、出店回ったり、花火綺麗だねって言ったりしながらだと後で思い返した時に心に残ってる思い出の大きさがぜんぜん違うと思うの」


「たしかにそうだね」修斗が優しいく包み込むような声で言った。


「まぁたしかに家から見る花火の方が大きいかもね」

もちろん今日みたいにみんなで観に行く方が圧倒的にいいものだと思っているし、香織の話も理解出来ていた。だが少し冗談を入れておいた。


「咲太は家で花火を見てる時は望遠鏡を使ってんのかな?」香織のその言葉にみんなが笑った。

俺も修斗も香織のさっきまであったあの重い悲しい気持ちは花火と一緒に空に飛んでいったのだと思った。


「香織は花火行くの、そんなに楽しみにしてたの?」


「だってちっちゃい頃に家族で1回行ったきりだから」


「まぁそうなら仕方ないか」


「なによ、仕方ないって」


「花火見て楽しんでる香織が保育園の子みたいだったから」


「勝手に保育士にならないでもらえる」


「すいません」


香織と2人だけのやり取りをしていると修斗が突然笑いだした。

「2人って本当に息ピッタリだよな」


「まったく」俺と香織の声がハモった。


「ほら」どうやら修斗はツボったらしくかなり笑っている。修斗があまりに笑っているので、それにつられて俺も香織も笑いだしてしまった。




あっという間に時間はすぎていき花火は終わった。

さっきまでは多くの人が見ていた空は誰にも見られることなく、少しの煙が舞っているだけだ。


「さぁ、帰るか」


「そうだな」俺たちは駅に向かって歩き始めた。


「早くしないと電車混みそうだね」


「じゃあダッシュするか」修斗の言った意見を俺たちが受け入れる訳もなくただ無視していた。


「おい、おい無視はないよー」修斗は呆れていながら少し悲しそうな声だった。


「こんなに人が多いところで走ったらどうなるか考えろ、それに浴衣じゃ走れないだろ」修斗はそれを聞いて改まったらしい。


「でも、走るのも楽しそう」花火のあとで浮かれているのか香織がまさかの発言をした。


「じゃあ走って家まで帰るか?」修斗が香織の言葉に乗った。


「走るならお一人でどうぞ」さっきとは違ってからからで冷めきった声で香織は修斗に言った。


「香織〜、俺をいじめないで」修斗はいつから俺たちの中でいじられキャラになったのだろう。


「まぁゆっくり帰りますか」そうは言ったものの結局帰りの電車は満員電車で押しつぶされながら帰った。到底ゆっくりとは言えなくて、押しつぶされるのに忙しかった。


友達と一緒に口笛のような音と爆発音と共によく晴れた夜空を覆い尽くす星の花を見にいって、たわいもない話をする。そんな普通なことを俺は俺として経験しているのだろうか

(面白い)(先が気になる)と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。


感想も心よりお待ちしております。


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