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それでも僕は最低ですか?  作者: 礎彩月
4/9

4話 悩み

3話までお読み頂けたでしょうか?

3話まででプロローグが終わったという形です。

本巻は4話『悩み』です。

どうして香織が悩んでいたのか、それをどう解決したのか。またそこから動き出す様々な物を感じて頂きたく存じます。また、ここから少しずつ恋の歯車がまわり始めます。

「じゃあ、俺は話したから次は香織の番だよ」


「ふぅ」ため息をついてから香織は何に悩んでんのか話し始めた。

「まぁ一言で言えば、テストの点が悪くて、ランキングからも落ちたってこと」


「それだけにしては落ち込みすぎだろ」


「私の両親は勉強にはとことん厳しくてね、こんな点数じゃ結構怒られちゃうんだよね」


「そりゃ確かに大変だなー」


「大変だと思ってないでしょ?」


「まぁ、俺は授業寝てばっかで先生に怒られまくってるから慣れたんだよね」


「笑いながら言うことじゃないよ」どうやら俺の顔は少し笑っていたらしい。

「それにうちの親は先生たちに比べ物にならないくらい恐いんだよ、怒り始めると我を忘れるというかね」


「なるほどな」


「もうどうすればいいかわかんないんだよね」


「そんなことなら最初から相談すればよかったのに」


「だって、友達に悩み聞いてもらうなんてこれが初めてだから、自分から相談するなんてできないよ」

そんな香織の言葉に今までずっと悩みを1人で抱え込んで生きてきたんだと痛感した。


「まぁそっか、じゃあ仕方ないか」

「じゃあ相談したい事あればいつでも俺のとこに来いよ、いつでも相談のってやるから」


「でも、咲太に相談して私の問題が解決できるの?」


「解決できるかは分からない。特に今回の件に関しては五分五分だよ。だけど、… 解決できなくても人に話すだけで悩みって一気に楽になるんだよ」


「話すだけでほんとに楽になるの?」香織は今までの自分を肯定するためのように俺の持ちかけた変化を否定してる。


「きっと楽になるよ、だって今香織はさっきよりも顔が明るくなってるじゃん」


「ってなによ、見ないで。この変態が」香織の顔が赤くなった。


「少しは元気がでたみたいだな」


「はー、そうかもね」「でも、さっき解決できるかは五分五分って言ってたってことは解決出来るかもしれないの?」


「まぁ、そうゆうことだな」


「どうするの?」


「両親は怒りだすと我を忘れるってさっき言ってたよな?」


「確かにそれはそうよ」


「なら怒って我を忘れる前に解決策を提示すればいい」


「解決策って?」


「うちの学校の成績の付け方は相対評価だ、つまり一学期の成績を左右するのは期末と合算した点の順位だ、つまり中間で低かったのに一学期の合算の成績ではいい所にいれば期末にいかに努力したかが伝わる。

それだけで案外親は折れてくれるぞ」


「つまり今怒られて次回のテストへの意欲を下げるよりも今はお咎めなしってことにして次回のテストの意欲をあげる。それなら親も文句は無いかもしれないってこと?」香織の理解は完璧だった。


「まったくその通り」


「やってみる価値はあるかもね」


「頑張れよ」


「ちょっと元気でた気がするよ、ありがとう」


「じゃあ、元気でたならちゃんと弁当食べろよ、

まぁ昼休みあと3分しかないけど」


「えっ、うそー」その後で香織は少し弁当を食べたが、俺は食べれなかった。


お昼食べれなくて1番困ったのは、5時間目の睡眠の質が落ちることだった。俺は社会系の授業以外はだいたい寝てる。そのせいで何回先生に呼び出しくらったかは分からない。だがそれでも寝ていたら先生は諦めたのか怒らなくなった。



翌日に香織と話すと昨日のことがどうなったか教えてくれた。

「昨日、帰ってから親にテストのこと話したら、

一学期の中間と期末の合算で5位に入ってればいいって言われた」


「よかったじゃん」


「まぁ良かったは良かったんだけど」香織は少し声を濁して言った。


「なんかダメなことでもあるの?」


「だって、合算で5位って結構大変だよ?」


「そうか?香織ならいけんじゃないか?」


「軽く言わないでよ、今11位なんだよ、今回ランキングに入った人たちが次回のテストで手を抜くとは思えないし」


「まぁ、確かにそうだな、手を抜くとしたら俺くらいだもんな」


「はっ?手抜くの?」


「香織がほんとにやばいなら」


「それはダメ、私のために手を抜くなんて、しかも咲太の場合はテスト前に勉強してないんだから手を抜くってわざと間違えるってことでしょ?」


「まぁそうだな。」


「そんなの絶対ダメだからね」ちょっと怒ってる感じだった。


「そんなに怒るなって」笑いながら言った。


「だって、それで咲太が1位じゃなくなったら私が…

悲しくなるし」香織は顔を赤くして、小さな声でつぶやいた。


「なんで俺が1位から落ちて香織が悲しむのかは分からないけど、手は抜かないから安心しろ」


「じゃ、じゃあその代わりテスト前、私に勉強教えてよ」


「本気か?」


「嘘つくと思う?」


「だな、だけど俺の生徒はもう1人いるぞ」


「それって前一緒に勉強会した2人?」


「というより大輔だ、修斗は違うよ」だけど香織と勉強するって言ったら修斗来そうだなと心のなかでつぶやいた。


「そうなのね」


「うん、まぁ期末はまだまだだけどね」


「だね、それよりも体育祭だね」


「そうだな」


「咲太は去年7組だから、優勝したでしょ?」


「したよ。去年のクラスは運動部ばっかで無双してた。俺はほぼ何もしてないけど」


「確かに無双しすぎてたね。全競技1位での優勝って

あれが初めてなんでしょ?」


「そうだったみたいだね」前も言ったがうちの学校は人が多い。そのため100メートル走などの個人種目はない。あるのはリレーやムカデなどのクラス対抗競技あとオマケで部活対抗リレーがある。去年はそうゆう競技全部1位をとっての優勝だった。つまりパーフェクト優勝。


香織と話しているとチャイムがなった。そこで話は終わり授業が始まった。おれにとってはチャイムは睡眠開始の合図だ。



その日の授業も着々と進み昼休みになった。

そこで修斗が俺のとこに来た。

「ちょっといいか?」

俺は頷き誰もいないとこに行った。

「俺、体育祭の後に加藤さんにこ、こ、告白しようと思うんだ」すごいたどたどしかった。


「今ですらそんなんになってんのにちゃんと出来んのか?」


「それは覚悟を決めてちゃんとやるよ」


「で、どうしてそれを俺に言うんだ?」


「だって一応協力してもらってるわけだからこれくらいは言わないと」


「じゃあ今回は協力しなくていいってことだな?」


「最後くらい1人で何とかしてみるよ」


「そうか、頑張れよ」とは言ったものの成功するとは全く思ってない。成功ってのは香織と付き合えるって事じゃなくて、告白をすることができるかできないがだ。



体育祭まではあと1週間となった。

クラスでは体育祭の準備が着々と進んでいた。


今年の2年生の競技はリレー、綱引き、それから男子は騎馬戦、女子は大玉転がしだ。少ないようにも見えるが、全競技2回ずつぐらいやるから結構多く感じる。


ちなみに俺は今は辞めてしまったが中学生まではずっとサッカーをやっていたから運動は多少はできる方だ。とはいえ今もなお現役の運動部には歯が立たないが。


話を戻すと、体育祭の練習は意外とスムーズに行った。練習中にクラスが分裂することもよくあるがうちのクラスはなかった。


体育祭が近づけば近づくほど修斗は緊張が強くなってるようだった。「最後くらい一人でやるよ」と言っていたが毎日俺の所に来て、なんて言えばいいか、どうすれば緊張しないかなど色々聞いてきた。結局協力しないどころか俺におんぶにだっこだ。だがこのまま行ったら香織は告白されてもそれを告白だって認識出来るかも分からない。


だが日は刻刻と進んで行き、ついに体育祭当日がやってきた。


(面白い)(先が気になる)と思って頂けましたら、『評価(下にスクロールすると評価するボタン(☆☆☆☆☆)があります)』を是非宜しくお願い致します。


感想も心よりお待ちしております。


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