2話 勉強会
1話読んでいただけたでしょうか?
1日1投稿を目指して投稿を頑張るつもりです。
ここから先、物語の心臓である2人の恋が動き始めます。
進展が少なく飽きてしまうかも知れませんが
続けて読んで頂けたら光栄です。
芝崎を協力することにした俺はこれからどうするか話し合っていた。
実際、協力って言っても何するのかはよく分かんないけど面倒くさい事はしたくないと思っていた。
だから「協力はしてやるが何をするのかはお前が決めろよ。」と言った。
「いいけど、なんで?」
「じゃあ俺が何をするのか決めて、お前が指示通りに動いて、それで香織がおまえのこと好きになったら
香織はおまえの何に惚れたってことになるんだ?」
「確かに、それだと俺というより咲太に惚れたってことになっちゃうな。」
「だろ」これ以上ない完璧な理由をつけて騙せた。
自分が人をだます天才なんじゃないかと思った。
「だけど、まずどうしよう」
「てかおまえ、香織とまともに喋ったことあんのか?」僕の質問は芝崎の痛い所をついたようだった。
「うーん」芝崎が少し固まった。
「それよりおまえじゃなくて修斗って呼んでくれ」
芝崎が話を変えようとしたのは分かったが、
これ以上聞いたらかわいそうなので聞かないことにした。
「はいはい、わかったよ修斗」
「とりあえず、話しかける。これが俺の目標だ。」
修斗が堂々と言った。
「よくもまぁ、堂々と言えるな、お前」
「喋りかけなかったら何も始まらないだろ、
これが最初の1歩だ」確かに修斗の言ってることは間違ってはないがこいつはチキンだ。
「で、どうやって話しかけんだ?」僕が聞いた。
「それにはちゃんと考えがある」
「まずは授業のことで聞きたいことがある的な感じで話しかける。そっから話を伸展させてく、これで完璧だろ」修斗が超どやりながら言ってきた。
「あーそーか、頑張れよ」この感じだと俺は何もしなくても良さそうだったから楽できると思った。
「ちょっちょ待って、咲太もやる事あるぞ」
「な、なに?」
「俺がまず授業のわかんない事を咲太に聞く、それで咲太は分かんないふりして香織に聞く。それで香織が俺と話すことになる。そっからは流れだ。」
「俺を使って話すんだな」
「そうだ」
「それで話しかけた後はノープランってこと?」
「そ、そうとも言える。」修斗を少し焦って言った。
「いつやるんだ?」
「明日だ」
次の日
朝いきなり僕に話しかけてきた修斗はまだあまり暑くないのに汗だっくだくだった。
「やばい、緊張する」
「大丈夫だ、1回喋るだけだから」
「そうだな」フゥー深呼吸をしてから修斗は
「2時間目と3時間目の間に実行しよう。」
「分かった。」確かに2時間目も3時間目も移動教室じゃないからちょうどよかった。
「それじゃ後で」
軽く見ていた感じだと修斗とは1時間目も2時間目もまともに授業受けれてなかった。「さすがに緊張しすぎだ」心のなかでつぶやいた。
修斗は俺にアイコンタクトを取ってからおぼつかない足取りで俺に近ずいてきた。
ついに作戦実行だ。
「咲太、これわかるか?」
「分からない。」
「香織これ分かるか?」ここまでは作戦通りだ。
「あー、分かるよ」
「ほ、ほ、ホントですか?加藤さん」
「う、うん」
「これがこうなるからこうだよ」香織がちゃんと答えてくれた。俺も本当なら答えられるそこまで難しくないものだから香織が答えられない訳がなかった。
こっからは修斗次第だった
「そ、そっかー、ありがとう」
「う、うん」香織も人としゃべるのあまり慣れてないから少し緊張してるようだった。
作戦ではこの後に修斗が香織と話す予定だが、
まっすぐ自分の席に戻って行った。
昼休みに修斗のところに行った。
「おい修斗、香織とまともにしゃべってないだろ」
「しゃべれなかった」
「俺もしゃべりたかったんだよ。でも緊張して喋れなかったよー」修斗は明らかに落ち込んでいた。
俺はひとつため息をついてから
「次はどうするんだ?」
「今日、考えて明日言うよ」
「はいはい、落ち込んで寝込むなよ」少しからかってみた。
「そこまで雑魚キャラじゃないよ」
「冗談が言えるくらい元気ってことだな」
俺はそのまま自分の席に戻った。
放課後、おれはいつも一緒に帰ってる大東大輔を待っていた。大輔は1年の時におなじクラスで今、学校で一番仲がいい。俺と修斗の作戦を知ってる数少ない人だ。
「なあ大輔、昨日言った修斗ってやつの作戦あるだろ」
「うん」
「あれは俺たちの予想通り失敗したぞ」
俺と大輔は昨日この作戦が失敗するって予想していた。
「そりゃそうだろ、今まで緊張して話せなかった人が
きっかけができたくらいでその後に何話すか決めてなかったら無理だろ」大輔の言う通りだ
「だよなー」
「それよりあと2週間でテストだぞ」
「あー確かにそうか」
「おまえ勉強しないで平気なのか?」
「俺がテスト前に勉強してる姿見たことあるか?」
「確かにな、むしろやばいのは俺だよ」
こう言うのも何だが大輔はそこまで頭が良くない。
軽音部で洋楽が好きだから英語はよく出来るが後は平均点より少し低いくらいだ。
「今回も勉強教えてくれるよね?」俺はテストの度に勉強を教えてやってる。
「うん、もちろん」面倒くさいことだが、大輔が留年したら俺が困るからちゃんと勉強を教えている。
翌日の朝
いきなり俺に話しかけてきたきた修斗は
「次の作戦を思いついたんだよ」昨日の落ち込み方からは想像も出来ないくらい明るい声だった。
「朝からうるさいぞ」
「ご、ごめん」
「で、作戦って何するんだ?」
「えーと、後2週間でテストだろ?」
「だな」
「だから、勉強会を開いてそこに加藤さんを呼ぶんだよ」自信たっぷりのようだった
「おー、いいんじゃないか?」
「だろー」誰でも思いつきそうな事だが修斗は結構ドヤッてた。
「で、誰が香織を誘うんだ?」僕は少しからかう様に
修斗に聞いた
「え、えっとー、それは」明らかに動揺している。
「おれか?」
「お、お願いします。」修斗の声のテンションが明らかに下がった。
「じゃあテスト後に提出の俺の問題集やってくれ」
「夏休みの宿題やればいいって言ってだろ」
「どうせ俺も勉強会に俺も行かないとダメなんだろ?」
「は、はい」
「協力する分は夏休みの宿題でいいが、勉強会への出席料は別だ。」
「わかったよ」
「じゃあ決まりだな」
「あともう1人連れてきてもいいか?」俺は大輔を連れてくるつもりだった。
「まぁいいけど、男か女か?」
「男だよ、大東大輔だ」
「だれだ大東何とかって?」
「大東大輔、去年の俺のクラスメートでいつも一緒に帰ってるやつ」
「そっかーまぁいいよ」
「じゃあ、場所と日にちは?」
「明後日の放課後でいいと思うけど、場所はどうしよっか?」さすがにいくらノープランの修斗だからってそのくらい考えてると思ってた俺が馬鹿だった。
「別に教室でいいんじゃないか?」
「テスト前の放課後の教室なんて誰もいないだろ」
「そうだな、じゃあ明後日の放課後に教室ってことで
加藤さんを誘っておいてください。」
「りょーかい、それじゃ、おれの問題集よろしく」
その日の休み時間に俺は香織を誘った。
「香織、明後日の放課後に修斗達と勉強会するんだけど香織もどう?」
「え、いいの?」
「うん、もちろん」
「香織は頭もいいし、一緒にやったら楽しいと思うよ」
「うん、それじゃ」
「よし、じゃあ決まりだな」あまり躊躇しなかったことには違和感を覚えたが香織のことを上手く誘えた。ここまでは作戦通りだった。
2日後
勉強会当日、修斗は相変わらず緊張している。
そして勉強会の時間になった。
大輔には事情を説明して来てもらった。
勉強会はほぼ問題なく進んでった。
問題があるとしたら香織の近くにいるせいか修斗が一切勉強に集中できてないことぐらいだ。
「大輔、飲み物買いに行かない?」俺がきりだした。
「おう、いいよ」
「じゃあちょっと行ってくるわ」
まぁもちろんこれは俺と大輔の作戦だ。
修斗と香織を2人きりにして、それを観察する。
客観的に見れば香織になかなか声がかけれない修斗は
少し滑稽だ。好きな人に声かけるのは緊張するが、修斗はちょっと異常だ。
修斗と香織が2人きりになったところで、修斗は話しかけるべきだ。だが、2人を照らす太陽は雲に隠れていた。修斗がなかなか話せずに10分程がたち、そろそろ俺たちも戻らないといけない時間になってきた。
「咲太たちまだかな?」なんと香織が先に話しだした。
「う、うん、そろそろだと思うよ。」相変わらず修斗の声は少し震えて、少し高い。
「芝崎君、最近咲太と仲良いよね?」
「あ、まぁ、最近よく話すようになったんだよ。」
「ふーん、そうなんだ」
「加藤さんも咲太とよく話してるよね?」徐々に話すのにも慣れてきたようだった。
「う、うん、まぁ」
「というより、咲太しか話せる人いないから。この勉強会に誘ってくれたのも、私が咲太以外の人とも話せるようにするために誘ってくれたと思うの」香織を誘った時の違和感はこれだったんだと分かった。「香織ごめん」心のなかでつぶやいた。
「そうなんだ」
「うん、だから芝崎君にも私から話しかけたの」修斗の絶好のチャンスだ。しかし、修斗の反応が遅いせいで「それより、咲太たち遅すぎない?」
修斗が何か言おうとしていた時に香織が言った。
修斗の言葉を遮るような言葉に修斗は反応できていない。
「は、は、はい、たしかに」すごいカタコトだった。
「そろそろ戻らないとやばいな」
「だな」俺と大輔は教室に入った。
俺らが教室に入ると雲に隠れていた太陽が顔を見せた
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