幼女と出会い
雪がしんしんと降り積もる中、私はいつものようにバイトを終え、帰路についていた。
「うー…寒い…」
冬の寒さが身に染みる。今日はクリスマスだ。雪が降り、いわゆるホワイトクリスマスというやつである。世のリア充どもにとっては嬉しいサプライズかもしれないが、お生憎さま、非リア歴=年齢の私にとっては寒いし歩きづらいだけで、いい事なんて1つもない。
今日は寒いし、疲れた…さっさと風呂に入って、布団にくるまって寝よう…そう思いつつ、公園を横切ろうとしたときである。
「ん?女の子…?こんな時間に…?」
今の時刻は午前2時。小さな少女が1人で公園に居ていい時間ではない。何かあったのかもしれないと、近寄ってみると、
「拾って下さい…?は、何これ…」
その少女はまるで捨て猫のようにダンボールの中に入れられ、ボロボロのTシャツを着て、薄いブランケットを羽織り、薄汚れている。ぶるぶると震え、こちらを怯えた表情で見ている。ダンボールに貼られた紙には拾って下さいと、書かれていた。とても小さな少女にやっていい事ではない。フツフツと怒りが湧いてくる。さらに、気が動転していて分からなかったが、まるで猫の耳としっぽのようなものがつけられている。この子の親がやったのだろうか、親として以前に、人間として有り得ない。
とにかく、この子を保護しなければ。
「ねえ、君、とりあえず、うちに来ない?女の子が1人で居るのは危ないと思うんだ。あ、危ないことをしようってことじゃないんだ。そのー…君を保護したくて」
少女は悩む素振りを見せつつ、付いていっても今までのような酷い状況にはならないだろうと判断したのか、こくりと頷いた。
「よしゃ!じゃあとりあえず手繋ぐ?」
すると、少女は怯えた表情を歪めた。
「あー違うよ!やましいことをしようとしてるんじゃないよ!ただ、いつの間にかはぐれたりしないかなって…えへへ…ごめんね、お姉さん心配性なんだ」
そういうと、納得してくれたのか、少女はおずおずと手を差し出し、手を繋いだ。