おれとお母ちゃんのお話し会
下ネタです。
苦手な方、食事中の方はプラバしてください。
「よし、じゃあお母ちゃんがお話してやろう」
ある夜、ねられなくて遊んでるおれたちに、お母ちゃんがマジメな顔で話し出した。
「むかしむかし、あるところに、マキマキウ○チちゃんがいました。
それはそれは見事なマキマキぶりで、そしてちょっとクサかったので、みんなにきらわれておりました」
「じゃあ、レムちゃんに変身させよう!」
「うむ…… レムちゃんに変身したマキマキウ○チちゃんは、 『これでもう、みんなからイヤがられないわ』 と思ったのですが、やっぱりマキマキでやっぱりちょっとクサかったので、やっぱりみんなから、『やだークサいー! あっちいって!』 と言われました」
「じゃあ次は、鬼○の炭○郎に変身させよう!」
「うむ…… マキマキウ○チちゃんはそこで、張り切って水○斬りをしましたら、ちょっと飛び散ってしまい、みんながおこりました」
「うわぁぁぁ!」
お母ちゃん…… なんで、マキマキウ○チちゃんを、そんなかわいそうな目にあわせるんだ!
「マキマキウ○チちゃんは落ち込んで、『もうここで大人しくしてよう』 と砂場の中にもぐりました。
ところが、遊びに来ていた子どもに 『うわぁんキタナイ!』 とポイされてしまいます」
「もうこうなったら……」
まぁまてまて、とお母ちゃん。
「それで、パッと見ると、ソフトクリーム屋台がありました。
そこでは、マキマキウ○チちゃんと同じ形のソフトクリームがたくさん売られていて、みんな、喜んで買っていきます。
そこで、マキマキウ○チちゃんは 『わたしもソフトクリームになれば、みんなからよろこんでもらえるわ!』 と考えて、コーンの上に座りました。
そうして、見た目は立派なソフトクリームになったのですが、やはりちょっとクサかったので、『わぁ、なんだこれ!』 と、道路にベチョされてしまいました。
マキマキウ○チちゃんは泣きました。
『わたしはどんなにがんばっても、 マキマキウ○チでしかないんだ。どうしたって、みんなからきらわれちゃうんだ……』」
ううう、マキマキウ○チちゃん、めっちゃかわいそう!
「そこへ、農家の人が通りかかって 『これは立派なマキマキウ○チだ。良いひりょうになりそうだ』 と、マキマキウ○チちゃんを連れて帰り、たいひに混ぜてはっこうさせました。
生まれ変わったマキマキウ○チちゃん、やっぱりちょっとクサいけど、これは良いひりょうのにおい。
畑にまかれて、おいしい野菜になり、みんなに喜ばれましたとさ。
めでたしめでたし」
うーーーん。
まぁ良かったけど、なんかスッキリしないぞ!
「お母ちゃん、それが1stエンドとして、今度はハッピーエンドだ!
おれが、マキマキウ○チちゃんにクサくない人間になれるボタンをあげる!」
そうかならば…… 、と、お母ちゃん。
「道路にベチョされたマキマキウ○チちゃんをかわいそうに思ったヒロくん神様が、人間になれるボタンをあげました。
マキマキウ○チちゃんがそれを押すと、モヤモヤした煙がうわぁっと出て、マキマキウ○チちゃんは気を失ってしまいました。
気づいたときには、かわいい人間の女の子になっていましたが、なんと、服がなくてはだか……」
「カッコいい服あげる!」
「ヒロくん神様が、カッコいい服をくれました。しかし、仕事も家もないので引きニートにすらなれません。どうしましょう」
「すごい家と1千億円あげる! あと、パソコンとやさしい友達もたくさんあげる!」
大盤振る舞いやな、とお母ちゃん。
おれ、神様だから大丈夫なんだ。
「それでね、マキマキウ○チちゃんは友達と、ごうか客船に乗ってハワイに行って楽しくくらすの」
「なるほどー、めでたしめでたし」
「まだやで! なんと、空から巨大隕石が降ってきて、地球がこわれそうです! どうする?」
「1千億円の残りの3億円くらいで、地下にシェルターを作って、たくさんの人を助けてあげる」
「それなら、上に 『こくようせき』 のマナイタを作って、隕石をはねかえそう!」
『こくようせき』 はそんなにかたくないで、と、お母ちゃん。
いいねん、この世界ではかたいことにすんの、と、おれ。
「それで地球を救うのが、ハッピーエンド!」
「そうか。良かったな」
「まだトゥルーエンドがあるで! 隕石がふる前に、お金を全部使いきったらそっちになります」
どんなエンドかというと……
「マキマキウ○チちゃんは、みんなを助けるために、隕石に向かって凸するのです!」
「そして、見事に隕石を粉砕したマキマキウ○チちゃんは、隕石とともに粉々になってしまいました。
そのあと地球にはしばらく、マキマキウ○チちゃんつきの隕石のカケラが降り注ぎ、みんながちょっとクサくなったとさ」
おれとお母ちゃんはゲラゲラわらって、お父ちゃんに 「うるさい」 とおこられた。
「まだ、バッドエンドもあるで! 隕石のふんさいに失敗するの」
「おおっと、地球が壊れそうだ!
マキマキウ○チちゃんはけついを固めて ―― ウ○チだけに ―― 、彼氏のマキマキウ○チくんと一緒に、地球の割れ目に飛び込みました。
そうすると、ふたりはもとのウ○チに戻り、そのベタベタで地球をつなぎとめたのです」
「地球はつながりましたが、クサいので、上からコンクリートで固めました」
「その割れ目は後に、ふたりの偉業を記念して、マキマキウ○チ渓谷と名付けられました。
そこからはクサい温泉が湧き出しましたが、まぁ、温泉がクサいのはよくあることなので、誰も気にしませんでした。
その温泉にはいると、ケガがたちどころに治るかわりに、ちょっとクサくなるということです……」
めでたしめでたし。
おれとお母ちゃんは、また、ゲラゲラわらいまくった。
「ぼくも、おはなち、つくりたいよう!」
だまって聞いてたアッチがそう言い出して、お母ちゃんが 「よし、じゃあ次はアッチだ」 と、ふった。
「そちて、みんな、ちにまちた! おちまい!」
「「しんだのかーい!」」
おれたちはみんなで、めちゃくちゃわらいまくった。
「じゃあ、ねんねしようね。おやすみ!」
今夜は、マキマキウ○チちゃんのゆめだな。




