おれたちのクリスマス。
2020年12月頃の話です。
おれは冬がけっこう好きだ。
冬はたのしい!
いっぱいプレゼントがもらえる!
おれの誕生日も冬だ!
まず、なんといっても、クリスマスだ。
クリスマスにはサンタさんが来るんだ!
おれは10月くらいから、アッチと何をもらうか、そうだんして、たのしみにしてるんだ。
お母ちゃんが言う。
「お父ちゃんがサンタさんに連絡してくれるから、何もらうか早めに言っときよー」
「今年は、Swit○hがいい! ポケ○ンやりたい! あーでもスマホもほしい! 脱獄○っこ好きにやりたい!」
「んー……それは、お祖父ちゃんお祖母ちゃんに頼み? サンタさんは全世界の子どもにプレゼントするからなー、高額商品は予算オーバーになってまうわ」
「えー、おじいちゃんじゃ、さすがに無理でしょう!」
「いや…… サンタさんの方がもっと無理だと思う……」
そっか。
でも、おじいちゃんに頼むものは、もう決めてるんだよな。
『ボトル○ン』 ペットボトルのキャップを飛ばして戦うロボットだ!
カッコいいんだ!
「じゃあ、サンタさんには何もらおっかなー」
「登山靴は?」 と言うのは、お父ちゃん。
「山登りはあれがあった方がいいぞ」
「おう、そうだな! それにするっ!」
おれとお父ちゃんは、さいきん、毎週、山に登ってるんだ。
そして、ついに、クリスマスの日がやってきた……!
お母ちゃんとケーキの飾り付けをする。
「おおっ!? なに、これ、プリン!?」
今年のケーキは、ぷるんっとしたプリンっぽいやつだ!
「カスタードゼリー。あんたらがスポンジケーキあんまり食べへんやろ。だから、今年はこれにしたってん」
「おう、いいね!」
大きなゼリーに、クリームをペタペタぬった後、余ったクリームをポコポコしぼりだす。
「ここにイチゴのちぇる!」
「おっいいね! ここには家をのせよっかな」
おれとアッチで、ケーキの上にイチゴと家とサンタとトナカイと星をのせる。
「あっそうだ、これも!」
おれがY○uTubeで作り方を学んだ、折り紙のブーツもつけちゃおう!
よし、ケーキの完成だ!
「忙しいわー! こら、つまみ食い禁止! あ、これちょっと味見するか?」
お母ちゃんがテーブルの上いっぱいに料理をならべて、クリスマスパーティーのはじまりだ!
「おれね、今日の夜はぜったいに起きとくんだ!」
「サンタさんは寝てる子のとこにしか、こないよ?」
「だから、ねてるフリして、こっそりサンタさん見るんだー! サンタさん、どこから入ってくるかな?」
「さあ? うちは、えんとつがないからなー」 と、お父ちゃんが言う。
「……とすると、やっぱり、かんきせんのとこちゃう? うち、かんきせんのあなとか、全然そうじしてへんけど……」 と、お母ちゃんが言う。
うわー、サンタさん、たいへんだな。
それから、おれたちはみんなで、お母ちゃんにクリスマスプレゼントをあげた。
ピンクの花がらのスリッパだ!
「かわいいでちょ?」
「お母ちゃんがかわいいものが好きだから、おれとアッチで選んだんだよ」
「おう…… ありがとー! うれしいわー」
お母ちゃんも、おれたちにプレゼントをくれた。
アッチにはアン○ンマンのおもちゃ。
おれには……
「おおっ!? キメマス!?」
おれがもらったのは、鬼滅○刃の模様のマスク。
「おれもやっと、みんながしてるやつができるな!」
「ええっ!? ほんと? みんなしてるの?」
「うん! クラスの半分くらい」
「欲しいんやったら、言わんかーい!」
「いやー。ま、いっかなー、って……」
さて、あとは、サンタさんからプレゼントをもらうだけだな。
絶対におきて…… プレゼントをおくところを…… みて……
………………
………………
………………
「起きろー! プレゼントきてるぞ!」
お父ちゃんに起こされたら、もう朝だった。
サンタさん、見られなかった……!
プレゼントは、登山靴のほかに、千円札と炭○郎のお面だった。