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夏のお嬢様  作者: 雨世界
1/2

1 あなたは、誰?

 夏のお嬢様


 登場人物


 間宮涼太 小学六年生の男の子


 秋月恋 小学六年生の女の子


 プロローグ


 ……消えちゃったね。


 本編


 あなたは、誰?


 間宮涼太が森の中を白い虫取り網を持って歩いていると、森を抜け、小さな清流の流れる川のところに出た。

 そこには白い石ころや、大きめの岩が転がっているようなところで、目的のカブトムシはいなかったけど、その清流の中には鮎が二匹泳いでいるのが見えた。(それがわかるくらいに、その川の水は青く澄んでいた)


 涼太はそこで、しばらくの間、魚を観察して、それから森の中にカブト虫を取りに戻ろうとした。でも、その川のところで、涼太は小さな綺麗な石を拾った。

 とても綺麗な丸い、白い石だった。

 その石を見つけたことで、涼太はもう少しこの場所で、こんな素敵な石を拾ってみようと思った。

 そして、その清流の流れに沿って、涼太は川の上流の方向に移動をした。(そっちのほうが自分たち家族が泊まっているコテージに近かったからだ。あまり遠くには行くなと、涼太は両親からきつく言われていた)


「あなたは、誰?」

「え?」

 すると涼太は少ししてそんな声をどこからかかけられた。

 涼太が麦わら帽子をかぶっている顔を石ころだらけの地面からあげて見ると、白い大きな岩の上に、腰を下ろしたまま、白い日よけの傘をさして、じっとこっちを見ている一人の、青色の花川のワンピースを着た、すごく綺麗な顔をした女の子がいた。


 どうやらその女の子が、涼太に声をかけてきたようだった。


「初めまして。えっと、そこのコテージに泊まっている間宮涼太です」

 涼太はそんな挨拶を女の子にした。

 すると女の子は器用に動いて、大きな白い岩の上から石ころだらけの地面の上に白いサンダルで「よいしょっと」と言って降りてくると、そのまま涼太の前まで移動をして、「初めまして。私は恋。秋月恋れんです」とにっこりと笑って、涼太に言った。


 それが二人の(……夏の間だけの、ほんの短い間の)初めての出会いだった。

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