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第12話 俺は……お前の屍を超えて行く(キリッ!)

今回も戦闘回だよ!

「ふじこ、キミに決めた!」


 さながらどこぞの魔物マスターの様に決めポーズをする主人公『三島悠斗』。


 彼は吹っ切れた。


 自分がグリーンスライムを倒せない? なら倒せる者にやってもらったらいい。


 2年と心細い社会人経験を得て身に着けた悠斗の処世術。


 自分にできないものは、できるものに任せた方が効率いいと考えついたのだ。


 そんなふじこは元ネタを知るはずも無く、首を傾げながらも悠斗と同じポーズをとっている。


「ふじこちゃん、真似しなくていいのよ」


「ふじこちゃん可愛いね♪」


「おい、悠斗。 私のふじこちゃんがお前の変な恰好を真似てるだろう、やめろ」


 内心『お前のふじこではないんだよなぁ~』と考えつつも無視を決めてふじこに指示を出す。


「ふじこ、みずてっぽうだ!」


「……?」


 案の定『みずてっぽう』をふじこが知っているはずもなく、首をコテンと傾げている。


「ほらっ、さっきやったお水がピューって出たやつだ。 あれをもう1回緑色の跳ねてるやつに撃ってくれないか?」


 ふじこは理解したのかコクリと頷くと、指先をグリーンスライムへ向けると細長く圧縮された水が噴き出す。


 圧縮された細長い水は銃弾の如くグリーンスライムの体と核を易々と貫いた。


 核を貫かれたグリーンスライムは、体を維持できずにドロドロに溶けて貫かれた核だけが地面に転がる。


「偉いぞふじこ~」


 ふじこの頭をワシワシと撫でて褒めている。 撫でられた本人も満更でもない様子だ。


「あれで本当にいいのかしら」


「あはは……♪」


「情けない、あいつはプライドというものがないのか」


 悠斗は外野の声(アルマ達)を無視して同じ要領でグリーンスライムを倒していく。


 ふじこのおかげであっという間にスライムの核が10個になった。


「よし、これで依頼完了だな! 俺とふじこのコンビは最強だぜ!」


「貴方は何もしてないじゃない……」


「ふじこちゃん頑張ったね~♪」


「私のふじこちゃんが頑張ったというのに、おまえという奴は……」


「お前らうるせぇ! ふじこの手柄は俺の手柄、俺の手柄は俺の手柄!」


 ジャイ○ンの様な物言いにゴミ虫でも見るかのような目になるアルマ達。


 悠斗はアルマ達の視線を無視してふじこに声をかける。


「そういえばふじこ、お前レベルは上がったか?」


「……?」


「ステータスって言ってみ?」


 ふじこは悠斗の目を見つめるだけで、一向に口を開かない。


「あ~こいつしゃべらねぇからな……困ったな。 一々ギルドの水晶を使わないといけないのが面倒だ」


 困ったように頭をポリポリと掻いていると、ふじこが悠斗を指差した。


「ん? 俺がどうした? まさか俺のステータスを見たいってことか?」


 コクリと頭を上下に動かすふじこ。


「グリーンスライムを倒したのはふじこなんだから、俺のレベルが上がってるわけないだろ」


 ステータスを見ないと絶対にここから動かないと言わんばかりにポカポスポカポスと悠斗のふとももを殴り続けるふじこ。


「はぁ~……仕方ない。 見てもおかしい所なんてないぞ?」


 ふじこに念を押しながら「ステータス」と言う悠斗。


「……は?」


「どうしたの?」


 そう言いながら近づいてくるアルマ達。


「これ見てくれよ」


-----------------------------

■名前

 三嶋 悠斗


■職業

 冒険者(駆け出し)


■種族

 ヒューマン


■ステータス

 LV.3(+2)

 HP : 80(+30)

 MP : 16(+6)


 STR :13(+5)

 DEX :9(+3)

 VIT :14(+7)

 AGI :9(+4)

 INT :1(+0)

 MND :5(+2)

 LUK :3(+1)


■スキル

 ・くぁwせdrftgyふじこlp(Lv.1)

 ・言語理解(Lv.∞)



-*-



■名前

 ふじこ


■職業

 スキル


■種族

 くぁwせdrftgy


■ステータス

 LV.1

 HP : -

 MP : 999999999999(固定)


 STR :2

 DEX :3

 VIT :1

 AGI :4

 INT :999999999999(固定)

 MND :32544(固定)

 LUK :-


■スキル

 ・創造魔法パッシブ

 ・生命共有パッシブ

-----------------------------


「なんでふじこちゃんのステータスも一緒に表示されてるの……?」


「悠斗さんのレベルが……」


「……何で私のふじこちゃんがレベル上がってないのに、こいつ(悠斗)はレベルが上がってるんだ? ……まさかお前!?」


 レイの殺気に当てられる悠斗であったが。


「違うわ! 何もしてねぇよ!」


「いや、しかし……」


 訝しむレイの顔を見て、流石に悠斗も我慢ならなかったのか声を荒げた。


「そこまでおんぶに抱っこじゃねぇよ!」


「「「えっ?」」」


 アルマにニーナとレイも、皆「何言ってるんだこいつ……?」と言わんばかりの表情をしている。


 カチンと頭に来た悠斗は自身の力を示すことにした。


「――見てろよお前ら……新生悠斗様の勇姿を見せてやるぜ!」


「うぉぉぉぉぉぉ!」


 勢いよく声を荒げながらグリーンスライムへ突撃していく悠斗。


 初戦の無様な姿は忘れてしまったのか、またしても剣を上段に構えジャンプする。


「くらぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


 初戦と同じく悠斗渾身のジャンプ斬り。


 しかし、今度は同じ攻撃ではない。 レベルが2つ上がり能力も上昇した。


 悠斗自身いつもより体が軽く、力が漲っているのを感じていたのだ。


 両手に力を入れ、振り絞るように声を荒らげる。


「うぉぉぉぉぉぉ!」


 グリーンスライムの頭上から刃が降り注ぐ。


 今度こそグリーンスライムの体表は弾くこともなく、剣が体の中を突き進み中心部にある核へ届いた。


 悠斗の刃はグリーンスライムの核も両断して剣先が地面に突き刺さる。


 初戦の時のような「どわぁぁぁぁぁぁ」と後ろから倒れた無様な姿ではない。


 悠斗は自分自身の力でグリーンスライムを倒すことに成功したのだ。


「見たかぁぁぁぁ!」


 ドヤ顔を決めて女性陣(ふじことアルマ達)を見る悠斗。


 片手剣を強く振り、付着したグリーンスライムの体液を落として鞘に仕舞い込む。


 気分は時代劇に登場する侍の気分なのだろう。


 死んだグリーンスライムの死体を背にして、目を瞑ってゆっくりと歩き出す悠斗。


「俺は……お前の屍を超えて行く」


 キリッとした目つきしてボソっと決めセリフを放つ。


 内心『決まった……!』と思っている悠斗であったが……女性陣(ふじことアルマ達)の目は白けていた。


「「「「……」」」」


「……あれ?」


「何が「俺はお前の屍を超えて行く」よ。 グリーンスライム倒しただけじゃない」


「そもそも倒せるようになったのも私のふじこちゃんが頑張ってお前(悠斗)のレベルを上げたからではないか」


「……(コクコク)」


「うぐっ!」


「でっでもほら! 悠斗さん頑張りましたし……♪」


 ニーナは精一杯の気持ちで悠斗をフォローするのだが、それは仇となり悠斗の心へグサリと突き刺さった。


「ニーナ……君の優しさは今の俺に凄い刺さるよ……」


 女性陣(ふじことアルマ達)の反応に、体にダメージは受けてない悠斗であったが、心には大ダメージを受けるのであった。




■悠斗グリーンスライムリベンジ

・悠斗 :○ (白星)

・ふじこ:○ (白星)

Lvが1上がる時のステータス上昇量は一応決めてます(わりと適当ですけど)。


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