8/35
バリア7
このメールを送信すると、執筆中小説にこの内容が追加されます。
「一週間前にも、栗林から聞いているだろうが、やはり君は、介護の仕事には向いていない。」
最初に口を開いたのは、鬼頭だった。
「なぜですか?」
会社で強制的に受けさせられたインフルエンザ・ワクチン接種後の副作用で、頭が朦朧として左右に揺れていた。
「まだ、試用期間中ですし、まだ、利用者さんも入居していないですし、何か、具体的なヘマをしたという訳でもない筈です」
声がうわずった。
「か、解雇ですか?!」
「いや、解雇ではない」
黙って聞いていた鬼頭が、口を開いた。
「解雇という形になると、君の経歴にも傷が付くと思って、自主的に辞めてくれるように頼んでいるんだがね。」