バリア15
このメールを送信すると、執筆中小説にこの内容が追加されます。
「昨日言ったこと、よく分からなかったの?」
「昨日は、具合が悪くて帰らせて頂きましたが、私は、まだ辞めてはいません。この仕事を続けさせて下さい!!」
「言ったよね?君は、この仕事には向かないって。トータル的に、向いてないって。」
「私は、雇用契約期間通り働くだけです」
「ダメッ!!今日で終わり」
そう言って、鬼頭はまばたき一つせず、私を睨み付けた。
そして、手に持っていた雇用契約書をチラつかせながら、それを読み上げて見せた。
「契約期間は、期間の定めあり。平成21年10月1日から平成21年12月31日は、毎度毎更新。試用期間の入社6ケ月間は試用期間とし、勤務態度や能力などを判断した後に、本採用になります。」
そうは言っても、私がいちいちノートにメモをするものだから、鬼頭は、そのノートを気にするように眉をひそめた。
「君は、これにサインをしたんだよォ!!」
「はい。6ケ月後には、正社員になれるものだと解釈しました」
そんな悪びれない態度に、鬼頭は、急に声を荒げ、
「昨日はなァ〜、ああいう風になァ〜、バッチリと言わなかったのはなァ〜、君の方から辞めてくれればいいと思ったんだがなァ〜、今日は、解雇だッ!!」
と、痰を絡ませたような声で怒鳴った。