アルフリードとの再会
気がつくと、そこは・・・バスタブの中だった。
目の前には仁王立ちしたアイシス様。
「ユーリス様がいらっしゃっているというのに、あなたそんな質素な寝ぼけたままの顔だなんて・・・」
じょ・・・女王様だぁぁぁぁ!!
いそいで自分の手を見ると、右手にしっかり例の指輪がある。しっかり息もできるし、体も動く!
アイシス様が私の傷に目を留めて、おっしゃる。
「なにこれ、誰が治療したのかしら素人ね。こんなんじゃ傷が残っちゃうわ。あ・・これ貸しにしておくから、後で利子をつけて返してもらうから気を使わないでね」
妖艶な微笑を浮かべながらおっしゃる。
ああ!!この会話。覚えてる。えっとこの後、私なんていったんだっけ・・・。
何とか思い出しながら、答える。
「えっと、今日は訓練場に戻らなくてはいけないので、髪と目の色を戻していただけませんか?」
バスタブの前に立っているアイシス様に、首を傾げて可愛くお願いする。
アイシス様はしばらく考えた後、何かを思いついたようにいった。
「・・・そうねぇ、いいわよ。まずは早くお風呂から出てらっしゃい。そこにタオルと服を置いてあるから。ゆっくりと着替えるといいわ」と、おっしゃって風呂場から出て行かれた。
えっと。その後何があったっけ?頭が急激な変化に追いつかないや。バスタブに体を思い切り浸しながら、天井を見て考える。
えーーーっと。大事なことだった気が・・・・
私が思い出したのと、そこに転移魔法でアルがアルフリード王子の格好のままで現れたのと同時だった。
「サクラ!大丈夫か?!」
「あれっ。アルっ!!」
ユーリス様の登場に気持ちを備えていた私は、突然のアルの出現に驚いた。そして最後に見たアルの死に瀕した苦悶の表情を思い出して、慌てて風呂から飛び出てアルフリードの体を確かめた。
「大丈夫?怪我は?もうなんとも無いの?!!」
私はアルフリードの体を、膝から胸に向かって両手で触りながら確認した。よかった元気だ!!
「良かった!!もう死んでしまうんじゃないかと思ったよ!」
涙で目が霞む。あれ?アルの様子がなんかおかしい。
私と目をあわさないように遠くを見ている。なんだかその無表情な顔がほのかに赤く染まっている気がする。
そういえば、温まってた体がすーすーして冷えてきた。
「ひぇっ!!」
あっ!!私・・・裸だった・・・。まっぱだった!!
自分の置かれた状況が頭の中でクリアになるにつれて、恥ずかしさでパニックになる!!
よし!こうなったら時間を戻そう!!
私は混乱した頭のまま、指輪を指にはめようとした。その様子で私が何をしようとしているのか気がついたアルフリードが、私の両手を掴む。
「それは、やっても無駄だ!オレの記憶は無くならないから止めろ!」
えーー?そうだっけ?
そう思った時に、バーンと大きな音がして風呂場の扉が開いた。
「サクラ!!大丈夫ですか?!」
ユーリス様が心配そうな顔で、慌てて飛び込んできた。
その目に映ったのは・・・裸の私とその両手を掴んでいるアルフリードだった。
ユーリス様が何か勘違いをして、アルフリードに掴みかかろうとするよりも早く、私の絶叫がルベージュ子爵家のお屋敷に響き渡った。
「いやぁぁぁっーーーーー!!!!」




