クラマ 夜会に出る
とうとうこの日が来てしまった。
夜会・・・・。
「これ以上は僕もう一ミリたりとも、無理です!!アイシス様、これは何かの拷問ですか!!」
「僕じゃなくて、わ・た・し でしょ!!!もうちょっと、いけそうだから任せておきなさい」
「ひゃーー。無理!!!」
私は今、アイシス様のお屋敷で、女装?の最中だった。
侍女に手伝ってもらっては、女だということがばれるといけないので、アイシス様本人じきじきに、着付けを手伝ってもらっている・・・のだがこれは何の拷問だ?
腰が細ければ細いほど美しいなんて、そんなことあるわけないではないか!?
細くなりすぎて、内臓がどこに行ったのか考えるのも恐ろしい。
これ以上締めつけると、折角のご馳走が入らなくなるので、なんとかアイシス様に懇願して、ほどほどに弛めてもらった。
アイシス様の昔のドレスだというけれど、淡い黄色のオーガンジーの布で作ってあってA ラインのオフショルダーで、シンプルだがとても品のよいドレスだった。
名前はクラマでは、あれなのでアイシス様の、いとこの名前を使わせてもらうことになった。
なので今から私はセシリアだ。セシリア・デラ・ルベージュ。これが私の名だ。
「セシリア、あなたその眼と髪。美容魔法かけてるでしょう?元の色に戻してもいい?」
アイシス様は私の返事も待たずに、そっこうで魔法を解いた。
「ちょっと!!アイシス様」
「あらあっ。こんな濃くて透き通った黒髪、見たことがないわ、瞳も黒曜石みたいに綺麗。美容魔法なんて必要ないじゃない。うーん。でも長さが足りないわね、この魔法使うと疲れるから嫌なんだけど、下僕のために一肌脱いで上げるわ」
いやちょっと・・・・また私に了承とらずにやってますね。私まだ下僕・・なんですか。
うん。いや自分でもそうかなとは思ってましたから、いいんですけどね。
あっという間に、腰まで届く髪になった。うわ。こんな長い髪なんて、生まれてはじめてかも。
アイシス様が、私の意見は一切無視で、小物やら化粧やらをこれでもかと盛り付ける。
もう勝手にしてください。
女王様には、勝てませんから。
「ところでアイシス様。アイシス様のパートナーはキアヌス騎士様だと聞きましたが、一体どんな方なのでしょうか?」
「彼は、そうねえ。わたくしのど・れ・い・かしら?」
うわーー。この人鬼畜だ。パートナーに対して奴隷宣言しましたよ。もう下僕に奴隷に、なんでもこいですね。
「ほら、できた」
「鏡はありますか?僕・・いたっ・・・・・私も見てみたいです」
僕と言った途端に、アイシス様の手刀が飛んでくる。
「だめ。鏡は禁止よ。あまりに綺麗になりすぎたから、見せてあげたくなくなっちゃったわ」
と、その妖艶な瞳でおっしゃる。それ普通、逆だよね。
もう、どうにでもなれと思った時に、侍女がユーリス様とキアヌス様の来訪を告げた。




